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妖怪の山山頂付近(夜)
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飯綱丸 龍:
なんだ、この曲は……!
こんなの、プログラムに入れた覚えはないぞ!
菅牧 典:
さあ……演奏者たちのアドリブでしょうか?
会場、ずいぶんと盛り上がっていますからねぇ♪
飯綱丸 龍:
典、またお前は勝手に……!
菅牧 典:
どうします、飯綱丸様? 楽曲の繋ぎに
用意してた演出、使い切っちゃいましたよー?
飯綱丸 龍:
わかっている。今考えているところだ……!
飯綱丸 龍:
このまま同じことを続けては、客も飽きる。
しかし、この後の花火を使うわけには……。
飯綱丸 龍:
やむをえん、フィナーレで使う弾幕を……!
姫海棠 はたて:
文! こんな曲、予定してなかったわよね!?
どうしよどうしよ! 私たちも、何か……!
射命丸 文:
……はたて。私、ちょっと抜けるわ。
あと、はいこれ。頼んだわよ。
姫海棠 はたて:
は? なに、このメモ……なんかのセリフ?
って、どこいくのよー!?
花火大会の参加者:
心地いい音楽だわ。
……花火は上がらないままだけど。
花火大会の参加者:
トラブルでもあったのかねぇ。
……ん? あっちで何か……?
犬走 椛:
飯綱丸様! あれを!
飯綱丸 龍:
花火!? それも、あの方角は人間の里……?
姫海棠 はたて:
人間の里、このメモの内容……そういうことね!
文、なかなかやるじゃないの!
姫海棠 はたて:
みなさま、あちらをご覧ください!
今回は、夏の終わりを飾る花火大会として……。
姫海棠 はたて:
我々天狗だけでなく、人里のみなさまにも、
ご協力いただきました!
姫海棠 はたて:
妖怪と人間の調和によって保たれている、
この幻想郷を表現した花火を、御覧ください!
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人間の里 花火打ち上げ場
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里の人間:
それ、たーまやー! ってね!
射命丸 文:
あはは、予定と違うタイミングで
花火を打ち上げさせちゃって、すみません~。
里の人間:
いやいや、まったく問題ないですよ。
里の人間:
ところで、山の上でトラブルがあったようだけど
この後は、どうするんです?
射命丸 文:
ここを乗り切れば、もうクライマックスです。
あとは大天狗様が、なんとかしてくれますよ!
飯綱丸 龍:
ふっ……粋な計らいじゃないか。
飯綱丸 龍:
おかげで、なんとか間が持ったな!
さあ、ラストスパート、駆け抜けていくぞ!
飯綱丸 龍:
そおれ! 星の火よ、夜空を燎け!
満点の花を咲かせなさい!
姫海棠 はたて:
みなさま、いよいよ最後となりました!
姫海棠 はたて:
「グランドフィナーレ~夏暮山の流星流し~」
心ゆくまで、お楽しみください!
花火大会の参加者:
たーまやー!
わぁ、空いっぱいに流星群が!
花火大会の参加者:
かーぎやー! はは、こいつはすげぇや!
星が砕けて、空にでっかい花が咲いてるぜ!
花火大会の参加者:
サイッコーの花火大会だったぞー!
また来年も、やってくれー!
飯綱丸 龍:
なんとか無事に終わったな。
観客も満足していたみたいだし……。
飯綱丸 龍:
途中、トラブルはあったが、
お前たちのおかげで、最後までやり遂げられた。
飯綱丸 龍:
「夏暮山の花火大会」は、大成功だ!
みんな、よくやった!
射命丸 文:
飯綱丸様こそ、
大会の総指揮、おつかれさまです!
犬走 椛:
花火の打ち上げ、大変でしたけど、
無事に終わってよかったです~。
菅牧 典:
うふふ。
飯綱丸様に感謝しないとね。
姫海棠 はたて:
……あ、そうだ!
みんな、準備はいい?
四人:
飯綱丸様、お疲れ様でしたー!
飯綱丸 龍:
よし、この後は慰労会だ!
朝まで付き合ってもらうぞ~!