-------------- 幻想郷のどこか -------------- 妖精: キャーーー! 誰か助けてーーー!! 痛いのやだよぉ! 妖怪: フン……最近、賭けに負けてイライラしてたんだ。 憂さ晴らしに付き合ってもらうぜ! チルノ?: そこ、止まりなさい! 妖精をいじめる 不届き者は、あたいが許しませんよ! 妖怪: なんだァ? お前だって妖精だろう! って、お前が手に持っている、それは……! チルノ?: 菖蒲しょうぶです。あなたみたいな妖怪は、この匂いが 苦手でしょう? さっさとあっちに行きなさい! 妖怪: くっ、妖精のくせに……! 覚えてろよ! 妖精: チ、チルノちゃん! 助けてくれてありがとう! あの妖怪が、菖蒲しょうぶが苦手って知ってたの? チルノ?: もちろん。パッと見は格上の妖怪でも、弱点を 突けばイチコロです! あたいったら天才ですね。 河童: おかしいなぁ。これで完成のはずなのに、 動かないぞ。いったいどこを間違えたんだ? チルノ?: もしかして、困ってるんですか? あたいが アドバイスしてあげましょう! どれどれ……。 河童: わっ! 勝手にいじって、壊さないでよね! ていうか、妖精には難しいと思うよー? チルノ?: ふむふむ……。ここのプラスとマイナスが 逆になってるんじゃないですか? 河童: え? ……ほ、本当だーーー!? 正直、 妖精だって侮ってたよ! 君、すごいね! チルノ?: フフン、これくらいわかって当然です。 また困ったらアドバイスしてあげましょう! -------------- 霧の湖 -------------- チルノ: だってあたいはさいきょー……だもん……。 ウヒヒ……ハッ! あ、あれ? チルノ: ふわぁ~あ。いつの間にか寝てたのかぁ。 なんか気分のいい夢を見てたような……。 チルノ: そう、賢くって最強のあたいが大活躍して、 みんなに感謝されるような、そんな夢を……。 河童: あ、いたいた。おーい、そこの妖精! さっきは助かったよ。ありがとう! 河童: これ、お礼のお菓子。 また何かあったら、よろしくね! 妖精: チルノちゃん、さっきは助けてくれて ありがとう! お礼に果物、持ってきたよ。 チルノ: え、これ、もらっていいの? わーい、いただきまーす! もぐもぐ……。 チルノ: ……でも、あれれ? あたい、何か お礼を言われるようなことなんて、したっけ? チルノ: うーん……ま、いっか! あたいってば 最強だから、感謝されるのも当然だもんね! ???: ちょっと、なに納得してるんです? そのお礼は、 本来あたいが受け取るものなんですよ! チルノ: は? 誰だ、あたいへのプレゼントを 横取りしようとするやつは……って、 チルノ: ええーーー!? あたいがもう一人いるーーー!? ドリームチルノ: あたいはドリームチルノ。 夢の世界からやってきた、もう一人のチルノです。 ドリームチルノ: さっきの妖精や河童を助けたのは、 あなたじゃなくてあたいですよ、おバカさん♪ チルノ: な、なな……何が起こってるんだー!?