八雲 紫:
なんだか、不穏な様子になってきたわねぇ……。
あら、来てたのね。いらっしゃい。
八雲 紫:
せっかく復興の進んだ幻想郷なのに、
どうやら瀝青まみれになってしまったようね。
八雲 紫:
形代の出どころを魔理沙たちが
探っているようだから、吉報を待ちましょうか。
八雲 紫:
そういえば、ちょっと気になる動きをしている
人たちがいたのよ。そっちを覗いてみない?
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魔法の森
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宇佐見 菫子:
うわぁ。黒いのが溜まって、海みたいに……。
これ全部、瀝青なのよね?
宇佐見 菫子:
空は形代だらけだし……。
レイムっち、ホントどうしちゃったんだろ。
宇佐見 菫子:
このままじゃ、いつか幻想郷中が
瀝青に沈んじゃうよ~……。
???:
ふっふっふ……。あーっはっはっは!
宇佐見 菫子:
ん~? この無駄に楽しそうな笑い声は……。
向こう岸からだ。行ってみよー!
鬼人 正邪:
くくく……。これほど瀝青が溜まっている場所を
見つけてしまうなんて。運がいいなぁ、おい!
鬼人 正邪:
聞いた話じゃ、これに触ると正気を失うらしい。
そんな危険なモノが、こんなにあるなんて……。
鬼人 正邪:
なんて好都合! こいつを使えば、
どんなやつでも、醜態を演じること間違いなし!
鬼人 正邪:
我ら弱き者が、強き者の無様をあざ笑う……。
あっはっは! 想像するだけで、つまらないぜー!
宇佐見 菫子:
あ! あんたは、天邪鬼の正邪! まさか、
瀝青を使って悪だくみする気じゃないでしょうね!
宇佐見 菫子:
……ていうか、もっと下がった方がいいよ。
そんな所に立ってたら落ちちゃうよ?
鬼人 正邪:
あー? 外来人か。
はいはい、そんじゃ一歩下がってやるよ。
宇佐見 菫子:
ちょ、逆よ、逆! なんで前に出るの!
瀝青に落ちちゃうってば!
宇佐見 菫子:
あんなの、どう見たって身体に悪いじゃん!
絶対、ぜーったい! 入っちゃダメだって!
鬼人 正邪:
はっ。絶対に入るな、だと?
おいおい、そんなこと言われたら……。
鬼人 正邪:
絶対に、飛び込むしかないだろうが!
うおおおおおっ!!
宇佐見 菫子:
ちょ、なんでぇっ!?
あ、天邪鬼ってワケわかんない……。
宇佐見 菫子:
……っていうか、なんか溺れてるし!?
わああ、早く助けなきゃ~!
宇佐見 菫子:
な、なんとか、引き上げられた……。
正邪、大丈夫? なんか色がくすんでるけど。
鬼人 正邪:
これが……大丈夫に、見え……、み……、
見えるだなんて、心外ですわ。お嬢様。
宇佐見 菫子:
はっ!? な、なに!?
今の、咲夜さん!?
鬼人 正邪:
でも、あたいってば最強だからダイジョーブ!
そんなことより、お茶でも飲みましょうよ~。
宇佐見 菫子:
次は、チルノちゃんからの幽々子さん!?
ど、どうしたの、正邪!?
鬼人 正邪:
何を呆けている。まったく修行が足りんな。
ねー、私もう飽きちゃった。遊んでくるねー!
宇佐見 菫子:
今度は、豊聡耳神子さんからのこいしちゃん~!?
いやーっ! 正邪がおかしくなっちゃった!
鬼人 正邪:
ぜ、ぜぇっ……。くそっ、身体が勝手に。
どうやって治せば……、うぐっ。
宇佐見 菫子:
うわぁ、すっごい苦しそう……っ。
宇佐見 菫子:
ど、どうにか助ける方法を探さなくちゃ。
行こう、正邪!