八雲 紫:
まさか、そんな……。
霊夢が言ってるロカって、あなたのことじゃない!
八雲 紫:
つまり、このままだと、あなたは……っ!
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博麗神社
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宇佐見 菫子:
ねえ! 瀝青に汚染された人を助ける方法なら、
私、知ってるよ!
霧雨 魔理沙:
本当か、菫子!?
宇佐見 菫子:
うん。瀝青に飛び込んで黒くなった正邪を、
銀枝の林檎って秘薬で助けたのよ。ね、正邪。
宇佐見 菫子:
その時に使ったブランデーなら、まだあるわ。
これなら、きっとロカを助けられるよ!
霧雨 魔理沙:
やるじゃないか! これで解決だな!
鬼人 正邪:
で、肝心の銀枝の林檎は、どこにあるんだ?
宇佐見 菫子:
あっ……。
霧雨 魔理沙:
なんだよ~。
林檎くらい、どっかで拾ってこれないのか?
宇佐見 菫子:
それが、パチュリーさんが言うには
銀枝の林檎って、すっごい貴重なんですって。
宇佐見 菫子:
たしか、百日以上、毎日世話をしないと
枯れてしまう銀色の木に……。
鬼人 正邪:
月夜の晩にだけ生る超貴重な林檎……って、
そんなもん、どこから拾ってくるんだ?
霧雨 魔理沙:
つまり、まるっきり手の出しようがない
絶望的な状況ってことか……。
高麗野 あうん:
あ、あの~! もう時間がありませんよ!
瀝青が、どんどん神社に迫って……!!
霧雨 魔理沙:
くそっ、ここまでか!?
博麗 霊夢:
……待って。
博麗 霊夢:
あるわよ。
銀の木に生る、林檎。
宇佐見 菫子:
……え?
霧雨 魔理沙:
これ、おまえが、ずっと育ててた木じゃないか!
まさか、この木が……!
高麗野 あうん:
ちょうど、林檎も生っているようですよ!
よかった……。これで助かりますね!
宇佐見 菫子:
よーし。たしか、この林檎に
ブランデーを一滴垂らせば……!
宇佐見 菫子:
あ、あれっ!? 光らない? なんでぇっ!?
霧雨 魔理沙:
お、おい! 何やってんだよ!
早くしないと、ヤバイぞ!?
宇佐見 菫子:
ええと……、あっ、そうだ! パチュリーさん、
あの時、何か呪文を唱えていたような……!
宇佐見 菫子:
ア……、アルトサックス!
宇佐見 菫子:
ち、違った!? じゃ、アルトリコーダー!
……これも違う~!?
高麗野 あうん:
わあ~っ!? 瀝青が一つに集まって、
怪物みたいになってますよぉ!?
博麗 霊夢:
しかも、あのデカブツ、暴れまわってる!
急いで、菫子! 攻撃が当たったら終わりよ!
宇佐見 菫子:
そ、そんなこと言われても~!
アルト……、なんだっけ!? アルド……!?
鬼人 正邪:
……アルドカローロ。
宇佐見 菫子:
えっ? ……ア、アルドカローロ……っ!
宇佐見 菫子:
や……、やったー! 正邪、覚えてたんだね!
教えてくれてありがとう!
鬼人 正邪:
勘違いすんな。私はただ、私以外のやつが
幻想郷を壊すのが気に入らねーだけだ。
宇佐見 菫子:
レイムっち、はい! これを押し当てれば、
ロカから瀝青を追い出せるはずよ!
博麗 霊夢:
わかった!
博麗 霊夢:
ちょっと待たせたわね……。
それじゃ……、行っけえええっ!!
霧雨 魔理沙:
よっしゃ、彷徨月が白に戻った!
瀝青も止まったみたいだぞ! やったな、霊夢!
博麗 霊夢:
……まだよ!
宇佐見 菫子:
そっか、正邪の時と同じで、身体から出た瀝青が、
ユメミタマになったんだ……!
博麗 霊夢:
あとは、こいつよ!
こいつを倒せば、本当に、すべてが白になる!