八雲 紫:
……ようこそ。
少しだけ、お久しぶりかしら?
八雲 紫:
ごめんなさいね、このところ忙しくて。
だけど、貴方の頑張りは見ていたわ。
八雲 紫:
この幻想郷も、ずいぶんと賑やかになったわね。
すべて、貴方のおかげよ。
八雲 紫:
ただ、最近ちょっと気になることがあってね。
それで貴方を呼んだのだけど、どうやら……
???:
いた……! ここね!
八雲 紫:
え? あ、貴方……なに?
謎の女の子:
え……!? あ、あなたこそ何よ?
って、そんなことより、そっちの人間さん!
謎の女の子:
はじめまして。私は、八雲紫。
私が、ほんものの八雲紫よ!
八雲 紫?:
まあ、ちょっと記憶がぼんやりしてるけど……。
とにかく、あなたに大事なことを伝えるわ。
八雲 紫?:
あのね……このままいけば、
あなたの幻想郷は……
八雲 紫?:
たいへんなことになる。
八雲 紫:
……た、たいへんなこと?
八雲 紫?:
本当よ。すっごいことになるんだから!
こう、えっと……、なんかドーンって……!
八雲 紫?:
うう~~……とにかく、たいへんなんだもん!
それじゃ、私もう行くから!
八雲 紫:
な、なんだったのかしら。
本物の八雲紫……とか言ってたわね。
八雲 紫:
……もしかしたら、
また新しい異変が始まってしまったのかも。
八雲 紫:
貴方の幻想郷を覗いてみましょう。
やり方は覚えているかしら?
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博麗神社
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博麗 霊夢:
ん~、いい天気ね!
さてと、昼寝でもしようかしら……。
霧雨 魔理沙:
霊夢! 非常事態だ!
博麗 霊夢:
どうしたのよ、魔理沙。
そんなに慌てて……。
霧雨 魔理沙:
わ、私の家が……、壊れたんだ!!
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霧雨魔法店
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博麗 霊夢:
うわぁ……。これはまた、ひどいわね。
屋根から壁から、みんな崩れてるじゃない。
博麗 霊夢:
というか、どうなってんの?
家の中から木が生えてるように見えるけど。
霧雨 魔理沙:
ああ、そうなんだよ。
この大木が、急に現れてさ。
博麗 霊夢:
どうせ、変な魔法の実験でもしたんでしょ?
植物が急成長するようなさ。
霧雨 魔理沙:
違うって!
今回に限っては、私は何もやってない!
霧雨 魔理沙:
それに、急成長したってのも違う。
この木は最初から、この大きさで現れたんだよ。
霧雨 魔理沙:
しかも、よく見てくれよ。この木、
裏に生えてるあの木と、そっくりじゃないか?
博麗 霊夢:
うーん? まあ言われてみれば、
似ているような気はするけど……。
博麗 霊夢:
でも、同じ種類の木だったら
だいたいそういうものなんじゃない?
霧雨 魔理沙:
でもこいつら、枝の位置やウロの大きさまで、
完全に同じなんだよ。さすがに妙だろ?
博麗 霊夢:
む。たしかに、そうかも……。
でも、今は木の話よりも、家のことが先でしょ。
博麗 霊夢:
これじゃ寝られないわよ。どうするつもり?
萃香とか天子にでも修理を頼んで……。
???:
まあ、たいへん!
おうちがボロボロだわ!
博麗 霊夢:
え、子供の声?
???:
ねえ、ユメミタマを浄化してみたら?
???:
ひょっとしたら、浄化のエネルギーで
おうちが直るかもしれないわ。
霧雨 魔理沙:
おいおい、ユメミタマ浄化のエネルギーは、
物を生み出すだけで……。
霧雨 魔理沙:
まあ、物は試しか。
ちょうどユメミタマも現れたしな!
博麗 霊夢:
ちょっと、魔理沙。信じるの?
霧雨 魔理沙:
今のままじゃどうにもならないし、
たとえ戯言だとしても、試して損はないだろ。
霧雨 魔理沙:
それじゃ、行くぞー!
ダンマクカグラ!
八雲 紫:
……ですって。どうする?
エネルギーが届いているわよ?
八雲 紫:
せっかくだから、ご期待に応えましょうか。
ついでに、少し豪華に飾ってあげましょ。
霧雨 魔理沙:
おおおお!! すごい、すごいぞ!
あのボロボロの家が、本当に直った!!
博麗 霊夢:
へえ……。よかったわね、魔理沙。
霧雨 魔理沙:
なんで、こんなこと知ってるのか知らないが、
とにかく感謝するぜ! ええと……。
八雲 紫?:
紫よ、魔理沙。私は、八雲紫。
それじゃ、私はやることがあるから行くわね。
霊夢&魔理沙:
…………はあああっ!?
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博麗神社
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霧雨 魔理沙:
……本当だと思うか?
さっきの子供が、紫だってやつ。
博麗 霊夢:
さすがに信じられないわよ。
あんな姿になってる意味がわからないし……、
???:
なっ……。あんた、何者!?
私の神社で、何してんのよ!
博麗 霊夢:
はい? ……ええええっ!?
博麗 霊夢?:
なんなのよ、これ……!
どうして、私がもう一人いるのよ!