八雲 紫： びっくりしたわねぇ……。魔理沙の家が壊れたり、 霊夢のそっくりさんが現れたり。 八雲 紫： 私の名を騙る小さい子も現れて……。 これはいったい、どういう異変なのかしら。 八雲 紫： とにかく、幻想郷で何が起こっているのか、 今日も確かめに行きましょうか。 -------------- 博麗神社 -------------- 霧雨 魔理沙： お、おいおい。どういうことだよ……。 霊夢が二人？ 博麗 霊夢： ……わかった。この私のそっくりさんは、 妖怪が化けた姿なのよ。それしかない！ 博麗 霊夢： 博麗の巫女に化けるなんて、いい度胸だわ。 狐か狸か知らないけど、正体を現せーっ！ 博麗 霊夢？： ちょっと！　狐か狸なのは、あんたでしょ！ 私が博麗の巫女、博麗霊夢よ！ 博麗 霊夢？： もう、いったいなんなのよ？　私、さっきまで 森にいたはずなのに、どうして神社に……。 博麗 霊夢？： はっ……。そうか、全部あんたの仕業ね？ おのれ妖怪！　ここで退治してくれるわー！ 博麗 霊夢： だ～れが妖怪よ！ 私が、本物の博麗霊夢だー！ 霧雨 魔理沙： いや、まずは話し合うべきだと思うんだが……。 あーあ、始めちゃったぜ。 霧雨 魔理沙： しかし、霊夢相手に互角とはな。 やるなぁ、霊夢モドキ。これじゃ決着は……。 博麗 霊夢： ……あーもう、まどろっこしい！ 私と似たような攻撃ばっかり、やりづらいわね！ 博麗 霊夢？： こっちのセリフよ！　真似ばっかりしてきて、 も～っ、めんどくさいったら！ 博麗 霊夢？： こんなの相手にしてても、らちが明かない！ 別のヤツに話を聞いた方がマシだわ！ 博麗 霊夢： あ、待て！　逃げるなーっ！ 霧雨 魔理沙： 結局、あの霊夢モドキには逃げられたわけだが。 なんだったんだ、あれ。 博麗 霊夢： さあね。でも、本当に私そっくりだったわ。 使う術も、動き方も……。 茨木 華扇： 霊夢、魔理沙！　大変よ！ 博麗 霊夢： あら、華扇。どうしたの？ 霧雨 魔理沙： まさかとは思うが……、 おまえのそっくりさんでも現れたのか？ 茨木 華扇： ……え？　いや、私のはまだ見かけてないけど。 でも、貴方たちは、もう遭遇していたのね。 霧雨 魔理沙： ……もう？ 茨木 華扇： そう。いま幻想郷中に、誰かのそっくりさん、 ……『贋物』が現れているの。 茨木 華扇： そのせいで、あちこちで騒ぎが起きててね。 鎮めるのを手伝ってくれる？ 博麗 霊夢： わかった。……それにしても、 私だけじゃなかったのか。そっくりさんが出たの。 霧雨 魔理沙： ってなると、紫を名乗ってたあの子供も 贋物だったってことか？ 茨木 華扇： 八雲紫？　会ったの？ 博麗 霊夢： んー……。 博麗 霊夢： どうかな。会ったような、会ってないような。 なんとも言えないわ。 霧雨 魔理沙： とにかく、今は目の前の騒動の解決に行こうぜ。 贋物調査に出発だ！