八雲 紫： ……あら、来ていたのね。いらっしゃい。 八雲 紫： ごめんなさいね、すこし忙しくって。 さて、それじゃ今日も、おさらいから。 八雲 紫： どうやら幻想郷では、みんなのそっくりさん…… 『贋物』が現れて、騒動を起こしているみたい。 八雲 紫： 霊夢たちが、騒動を止めるために向かっているわ。 さっそく、様子を見てみましょう。 -------------- 霧の湖 -------------- チルノ： ねえ、もうやめてよー！　やめろってばー！ ううう、あたいたちの湖がぐちゃぐちゃに……！ 比那名居 天子： おい、邪魔をするな！ どう考えても、ここには岩山があるべきだろう！ 比那名居 天子？： はっ！　まったく悪趣味なことだ。 ここは絶対、滝にした方がいいに決まってる！ チルノ： 山も滝も、どっちもいらなーい！ ここは静かな湖なんだぞー！ 霧雨 魔理沙： どっちが本物か知らないが……、 よりによって厄介なやつの贋物が現れたもんだな。 博麗 霊夢： あの二人の天子、何やってんの？ 地形をめちゃくちゃにしてるみたいだけど。 茨木 華扇： どうやら、霧の湖を自分好みの景観に 作り変えようとしているみたいなのよ。 茨木 華扇： それを止めようと、 妖精たちが立ち向かってるんだけど……。 比那名居 天子： おまえのようにセンス皆無な天人くずれは、 岩にでも潰されてしまえ！ 比那名居 天子？： おまえのような美を解さぬ不良天人こそ、 川に流されて、どこかへ失せろ！ チルノ： ふぎゃうっ！？　い、岩が頭にぃ～……。 わっぷ！？　み、水が！　流されるぅ～！ 霧雨 魔理沙： 哀れ、岩に打たれた妖精の川流れ……。 霧雨 魔理沙： ……って、放っておくわけにはいかないか。 おい！　そこの天人ども！ 霧雨 魔理沙： とりあえず、その破壊活動をやめて 事情を聞かせてもらう……、んん？ 博麗 霊夢： あら？　こいつら、ユメミタマに 憑りつかれてるじゃないの。 博麗 霊夢： しょうがない、まずは正気に戻しましょうか。 あれから、彷徨月さまよいづきが陰ることもなくなったしね。 博麗 霊夢： 始めるわよ、ダンマクカグラ！ 茨木 華扇： ……とまあ、ユメミタマに憑かれた貴方たちが 湖をこの有様にしてしまったわけですが。 比那名居 天子： 私が？　まさか！ そんなわけないよ。だって…… 天子たち： こんな荒らし方、高貴な天人のやることじゃない。 この贋物が一人でやったに決まってるわ！ 比那名居 天子： ……真似するな。 比那名居 天子？： そっちこそ。天人の中の天人たる私と 似てるからって、威張り散らすのは恥ずかしいぞ。 比那名居 天子： 自分こそが本物だとでも言うつもりか？ やれやれ、もっと謙虚な心を持った方がいいな。 霧雨 魔理沙： おい、言い合いは、その辺にしとけよ。 それより、こっちの話を聞いてほしいんだが…… 天子たち： もはや我慢の限界だ！ おまえのような贋物、顔も見たくない！ 博麗 霊夢： あ、ちょっと！ 博麗 霊夢： ……行っちゃった。 贋物について、いろいろ聞きたかったのに。 霧雨 魔理沙： 仕方ない、他を当たろう。 あちこちで騒動が起きてるんだったよな。 茨木 華扇： え、ええ。ここから近いのは…… 村紗 水蜜： ここにいたのね、博麗の巫女！ 村紗 水蜜： お願い、ちょっと手を貸して！ 聖輦船が大変なんです！