八雲 紫:
いらっしゃい。
この間は、たしか……
八雲 紫:
ああ、そうそう。あの天人くずれの贋物が現れて、
霧の湖がめちゃくちゃになってしまったのよね。
八雲 紫:
今、妖精たちと茨華仙が
元の地形に戻しているみたいよ。
八雲 紫:
霊夢たちは、次の騒動を解決するために
聖輦船へ向かったわ。見にいってみましょう。
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聖輦船
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博麗 霊夢:
ずいぶん高いとこまで来たわねー。
で、ここでも贋物が暴れてるんだって?
村紗 水蜜:
ええ。見てください、あれ……!
依神 女苑:
だぁから! あんたらの居場所じゃないんだから
さっさと帰れって言ってんでしょー!?
依神 女苑?:
はー!? どこに帰れっつーのよ!
勘違いしてんじゃないわよ、この贋物!
霧雨 魔理沙:
うわあ……。
貧乏神と疫病神のコンビが、二組か……。
博麗 霊夢:
なるべくなら、
関わり合いになりたくないわね……。
村紗 水蜜:
そ、そんなこと言わずに!
このままじゃ、船の運航に支障が出るんですよ!
依神 紫苑:
あっ……、女苑!
博麗の巫女たちが来てくれたよ!
依神 女苑:
ホント!? ちょうどよかった、手を貸して!
私たちの贋物を、なんとかしたいの!
依神 女苑:
あいつら、急に目の前に出てきてさ……。
しかも姉さんの贋物は、なんか様子が変なのよね。
依神 紫苑?:
うふふ~。みんなみーんな、
私の幸せオーラで、幸せにな~れ♪
霧雨 魔理沙:
お、おお……。確かに様子がおかしいな。
依神 女苑:
あれ、きっと夢の世界の私たちよ。
なぜか実体を持って出てきたんだわ!
博麗 霊夢:
そういえば、そんなこともあったわね。
なるほど。贋物は、夢の世界の私たちなのか。
依神 女苑?:
ちょ、ちょっと! 確かに姉さんは変だけど、
私たちが夢の世界の存在のはずは……!
霧雨 魔理沙:
……あれ? あの紫苑、もしかして
ユメミタマに取り憑かれてる?
霧雨 魔理沙:
それじゃあ、まずはダンマクカグラだな!
依神 紫苑:
むむむ……。
依神 紫苑?:
むむむむ……。
依神 紫苑:
……うん。たぶん、贋物たちは
夢の世界の住人じゃないわ。
博麗 霊夢:
あら、そうなのね。
依神 女苑?:
だから言ったじゃん。
というか、私たちも混乱してるのよ。
依神 女苑?:
気づいたら船の上だし、姉さんはユメミタマに
憑かれてるし、自分と同じ顔に会うし……!
霧雨 魔理沙:
でも、弱ったな……。
手がかりがなくなってしまった。
霧雨 魔理沙:
何かないか? 元々は別の姿だったけど、
誰かに変な術をかけられたとか……。
依神 女苑?:
私は最初から、ずっと依神女苑ですー。
……あ、でも。
依神 女苑?:
船の上にいるって最初に気がついた時、
近くに誰かがいたような……?
霧雨 魔理沙:
誰かが……か。ふーむ、まだまだ、
調査を進めていかなきゃいけないな。
霧雨 魔理沙:
とにかく、新しい異変なのは間違いない。
突然、自分とそっくりの贋物が現れる……
霧雨 魔理沙:
そう、これは『贋物異変』だ!
依神 紫苑?:
まあ、贋物は私たちじゃなくて、
そっちだけどねー。
依神 紫苑:
は? なに言ってるのよ。
本物の貧乏神の恐ろしさ、思い知ってみる?
依神 紫苑?:
思い知るのは、貴方の方だと思うけど?
村紗 水蜜:
あ、あのー……。なんか、船のあちこちが
嫌な音を立て始めたんですけど……。
霧雨 魔理沙:
うわっ!? お、おい!
あそこの手すりが壊れたぞ!?
村紗 水蜜:
高度も、どんどん下がってますよ!?
こ、このままじゃ、落ちる……!
博麗 霊夢:
わ、わかった! わかったわよ!
どっちの紫苑も、貧乏神としての力は本物!
博麗 霊夢:
だから、頼むから、一か所に集まるな~!