八雲 紫: さて……。それじゃ、今回も 幻想郷の様子を見ていきましょうか。 八雲 紫: この間は、貧乏神と疫病神の姉妹の贋物が 現れたのよね。 八雲 紫: 魔理沙いわく『贋物異変』。どうして、 幻想郷に贋物が現れるようになったのかしら。 八雲 紫: 霊夢たちは、異変の調査を進めているわ。 何か手がかりが見つかるといいけれど……。 -------------- 人間の里 -------------- 霧雨 魔理沙: だからさ、これまでの情報を整理すると……。 霧雨 魔理沙: 贋物は、突然現れる。そして、ユメミタマに 取り憑かれてる。ということは、つまり……! 霧雨 魔理沙: あいつらの正体は、ユメミタマによって 生み出された、新しい生命体に違いない! 博麗 霊夢: えー? そうかなぁ……。 霧雨 魔理沙: で、贋物は、ユメミタマに映る内容を 再現するだけの人形のような存在で…… 霧雨 魔理沙: ユメミタマを浄化されることで、 初めて自分の意思を持つ……こうに違いないな! 博麗 霊夢: でも、女苑の贋物は、 ユメミタマに憑りつかれてなかったじゃない。 霧雨 魔理沙: そ……それについては、 女苑だけ先に浄化されていた、とも考えられる。 霧雨 魔理沙: ほら、誰かがいた気がするって言ってただろ。 きっと、そいつが女苑を浄化したんだ。 博麗 霊夢: まあ……理屈はどうでもいいわ。 異変の解決さえできればね。 霧雨 魔理沙: そうだな。今はまず、 里で起きているらしい騒動をなんとかしよう。 鈴仙・優曇華院・イナバ: ああーーッ!! 見つけたわよ、この泥棒魔法使い! 霧雨 魔理沙: うわっ!? な、なんだよ急に! 鈴仙・優曇華院・イナバ: とぼけないでよ。あんた、さっき私が里の人に 届けた薬を、横から盗んでいったじゃない! 鈴仙・優曇華院・イナバ: 里じゃ朝から、あんたが泥棒してるって話で もちきりなのよ。目撃者も大勢いるんだからね! 霧雨 魔理沙: はああ!? 私が、里で泥棒だと!? そんなこと、やるわけないだろうが! 博麗 霊夢: ねえ鈴仙、ここにいる魔理沙は犯人じゃないわ。 今日はずっと、私といっしょにいたから。 鈴仙・優曇華院・イナバ: えっ? でも霊夢、あれはどう見ても……。 博麗 霊夢: それ、たぶん魔理沙の贋物だと思う。 行くわよ、さっさと解決しましょう。 博麗 霊夢: ……いたわ。 あからさまに怪しい動きをしてるわね。 鈴仙・優曇華院・イナバ: うわ、本当に魔理沙が二人……。あんたなら やりかねないって思ったけど、流石に贋物かぁ。 霧雨 魔理沙: 聞き捨てならない言葉が聞こえた気がするが、 まあ、それは置いといて……。 霧雨 魔理沙: あの私の贋物、ユメミタマに憑かれてるな。 霧雨 魔理沙: 贋物は、ユメミタマの浄化で意思を持つという 私の推理を証明するチャンス! 行くぜ! 霧雨 魔理沙: ……えええっ! じゃあ、私の推理は 間違ってるって言うのかよ!? 霧雨 魔理沙?: そうだな。なぜだか知らんが私は一瞬で 里に移動していて、その後にユメミタマに取り憑かれた。 霧雨 魔理沙?: その前は、里の人と話したりもしてたし、 意思がなかったなんてはずはないぜ。 霧雨 魔理沙: そ、そうか……。 霧雨 魔理沙?: ただ……違和感はあるんだよな。ここは、 私の知ってる里とは違うんじゃないかって……。 霧雨 魔理沙: 違う? それって、どういう……。 霧雨 魔理沙?: たとえば……、そうだな。私の知ってる里に 霧雨魔理沙は、3人も4人もいないとかかな。 霧雨 魔理沙: ……へ? 博麗 霊夢??: キリキリ歩く! たとえユメミタマのせいでも 無銭飲食したことには、変わりないんだからね! 霧雨 魔理沙??: ひ、引っ張るなって! くそー、せめて 食べた記憶だけでも残っててほしかったぜ……。 鈴仙・優曇華院・イナバ: 目撃情報が異様に多いなとは思ってたのよ。 そうか……魔理沙が何人もいたからだったのね。 霧雨 魔理沙: つ……つまり、私の贋物がもっと大勢いるのか? か、勘弁してくれ~!? ???: …………。 -------------- 妖怪の山 -------------- 霧雨 魔理沙: つ、疲れた……。 私の贋物、多すぎだろ。 霧雨 魔理沙: なんとか全員浄化したけど、結局大騒ぎになって 鈴仙にまとめて叩き出されちゃったし……。 博麗 霊夢: まあ、里の騒動は、一応解決ね! で、次は、ここで贋物騒動が起きてるんだって? 犬走椛: はい、それがもう本当に非常事態が起きていまして。 あ、着きました。こちらです。 霧雨 魔理沙: ……なーんだ。 萃香が宴会を開いてるだけじゃないか。 犬走 椛: な、なんだってなんですか! こっちは真面目に困っていて……! 伊吹 萃香: おー、霊夢に魔理沙! なかなか壮観でしょ。 ここにいるの、私の分身じゃないんだよ~。 霧雨 魔理沙: えっ、これ全部? 萃香の贋物も、こんなにたくさん現れてたのか。 博麗 霊夢: あら? でも、みんなユメミタマには 憑かれてないみたいだけど、もう浄化したの? 伊吹 萃香: いや? みんな別に、 ユメミタマになんて憑りつかれてなかったよ? 霧雨 魔理沙: えっ……。 伊吹 萃香: この、贋物っての? 最初は驚いたけどさ、 考え方から何から自分と同じで、面白いね! 博麗 霊夢: 楽しそうでいいわね……。天狗が困ってるから、 そろそろ別のとこに移動してくれる? 伊吹 萃香: はいはい。よーし、みんな! 次の宴会地へ出発だー! 犬走 椛: ああ、やっといなくなってくれた……。 霧雨 魔理沙: 贋物がユメミタマに憑りつかれてないってことは 私の推理は、ハズレてたってことか……。 霧雨 魔理沙: しかも、贋物は何人も現れてるし……、 もうなんもわからーん! 博麗 霊夢: まだまだ情報が少なすぎるってことでしょ。 調査を進めるわよ、魔理沙。 霧雨 魔理沙: ……だな! 次の騒動を探しに行くぜ!