八雲 紫:
幻想郷に贋物が増えすぎたことによって、
人と妖怪のバランスが崩れかけている……。
八雲 紫:
完全に崩れてしまったら、幻想郷はまた崩壊してしまう。
霊夢たちが対処に動いてくれてよかったわ。
八雲 紫:
それで、贋物を追い出すために
みんなで協力して作戦を立てたようだけど……。
八雲 紫:
いったい何をやるつもりなのかしら。
せっかくだから、いっしょに応援しましょう。
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人間の里
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依神 女苑:
贋物はー、出ていけー!
私たちの仕事をー、奪うなー!
依神 紫苑:
そうだそうだー! 贋物は、出ていけー!
ついでに、ご飯とお金をー、よこせー!
博麗 霊夢:
……この変な行進と変な掛け声、なに?
こんなので、本当に贋物が話を聞いてくれるの?
茨木 華扇:
外の世界では、民衆の主張を訴えるのに
よく使われる行動様式なのよ。
茨木 華扇:
だから、予想外の出来事でも起きない限り、
きっと贋物も話を……、
水橋 パルスィ?:
ああ、妬ましい。こんな往来で
変な叫び声をあげて、人目を集めて……。
水橋 パルスィ?:
こんなことで私たちを動かせると思うなんて、
妬ましいほど、甘っちょろいわ!
茨木 華扇:
きゃああっ!?
言ってるそばから、予想外の邪魔が!?
茨木 華扇:
でも、みんな落ち着いて。応戦したらダメよ。
これは、あくまで非暴力主義の作戦で……!
依神 女苑:
くっそー、なんなのよ!?
そっちがその気なら、やってやるわー!
茨木 華扇:
ちょ、ちょっとぉー!?
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妖怪の山
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高麗野 あうん:
……人里での行進作戦、失敗しましたね。
比那名居 天子:
みんなして、あの橋姫に応戦してしまったからだ。
もっと落ち着きと慎みを持ってほしいものね。
犬走 椛:
貴方だって、我先に応戦してたじゃないですか……。
霧雨 魔理沙:
とにかく、対話なんてまどろっこしいことは、
もうやめだ! さあ、新しい作戦を始めるぞ!
犬走 椛:
今回は、贋物のいる建物をこっそり動かして、
建物ごと幻想郷からご退場いただくのよね。
高麗野 あうん:
はい。行先は、とりあえず月の予定です。
永遠亭の皆様にも協力してもらいました。
比那名居 天子:
もう準備はできてるよ。この辺りの家には
土台の下に、車輪付きの板を仕込んでおいた。
犬走 椛:
妖怪の山の総力を挙げて、それぞれの建物には、
かなりの数の贋物をおびき寄せたわ。
霧雨 魔理沙:
それじゃ、怪しまれる前に、
永琳たちがいる場所まで、綱を引いていくぞ!
水橋 パルスィ?:
やっぱり、私たちを追い出そうとしているのね。
幻想郷を独占しようなんて、妬ましい……!
霧雨 魔理沙:
うおおっ!? な、なんだ!?
この弾幕、またパルスィかよ!
高麗野 あうん:
し、しかも、家を攻撃してますよ!?
このままじゃ、贋物に気づかれ……!
犬走 椛?:
な、なにごと!? 急に家が崩れて……、
ええっ! あんたたち、何しに来たのよ!?
霧雨 魔理沙:
くそっ、これが狙いか!
作戦失敗! 逃げるぞ!
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博麗神社
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博麗 霊夢:
やっぱりね、敵意むき出し問答無用ってのは
よくなかったと思うのよ。うんうん。
霧雨 魔理沙:
そうだよな。こういうのは、礼を尽くして
お願いした方が、うまくいくこともあるよな。
霧雨 魔理沙:
というわけで、美味しいお酒と料理でもてなして、
この幻想郷から気分よく出ていってもらうぜ!
博麗 霊夢:
贋物たちとの大宴会よ!
さあ、みんな! 気合い入れて準備を……、
水橋 パルスィ:
今度は宴会? 懐柔しようだなんて……
ああ、妬ましい! 妬ましいわ!
博麗 霊夢:
パ、パルスィ! また、あんたなの!?
ちょ、邪魔をするな。弾幕撃つなーっ!
比那名居 天子:
おい……。贋物を追い出す作戦、
何ひとつ、うまくいかないじゃないか!
比那名居 天子:
こんなことなら、団結している意味がない。
一人で動いた方がマシだ!
依神 紫苑:
天人様のおっしゃる通りだわ。今後はもう、
それぞれのやり方で贋物に立ち向かうべきね。
博麗 霊夢:
えええっ!? ちょ、ちょっと待ってよー!?
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翌日
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博麗 霊夢:
みんな、好き勝手に贋物と戦い始めちゃったわ。
どこに行っても、弾幕を撃ち合って……。
霧雨 魔理沙:
それもこれも、パルスィのせいだ!
毎回、作戦を邪魔してきやがって……!
霧雨 魔理沙:
本物か贋物か知らないが、
どういうつもりなんだよ、あいつ!
博麗 霊夢:
さあねえ。意味不明な嫉妬は、
いつものことだから。ただ……
博麗 霊夢:
なーんか、いつもよりも
攻撃的だったような感じはするのよね……。
霧雨 魔理沙:
ユメミタマにでもとり憑かれていたのか?
あいつのこと、もっと調べてみてもいいかもな。
博麗 霊夢:
そうね。ほかに手がかりもないことだし。
霧雨 魔理沙:
それじゃ、パルスィを探しに行こう!
八雲 紫?:
くっ……。余計なことばっかり……!