水橋 パルスィ:
う、あ……。私、わたし……は……。
八雲 紫?:
……よかった。パルスィに憑りついていた
わるいものは、なくなったみたい。
八雲 紫?:
ダンマクカグラは、あれにも効くのね。
八雲 紫?:
これで……、やっと、ひとつ目。
霧雨 魔理沙:
いま……、何が起きたんだ?
ダンマクカグラをしたら、景色が元に戻って……
博麗 霊夢:
光が……浄化のエネルギーが、石になった?
八雲 紫?:
この石は、『心象断片』……。
そのうちのひとつ、『魂魄のフラグメント』よ。
八雲 紫?:
ずっとこれを探してたの。
あちこち探し回って、やっと見つけた……。
八雲 紫?:
パルスィに取られた時はびっくりしたけど、
なんとか取り返せて、よかった。
博麗 霊夢:
心象断片……って、なにそれ?
パルスィは、それに乗っ取られてたってこと?
八雲 紫?:
ううん、ちがうわ。パルスィを操ってたのは、
もっと怖いもの。えっと……、怨念みたいな。
八雲 紫?:
そいつが、これを奪わせたのよ。
心象断片……私の記憶とか、力の一部。
八雲 紫?:
心象断片は、他に3つあるの。全部集めれば、
私は自分の記憶と、いつもの力を取り戻せる。
八雲 紫?:
それは、幻想郷を本当の敵から救うために、
ぜったいぜったい必要なことなの。
八雲 紫?:
……今はまだ、それしかわからないけど。
比那名居 天子:
幻想郷の本当の敵、というのは、
贋物たちのことだろう?
八雲 紫?:
ううん。私たちの敵は、
贋物でも、パルスィでもないわ。
八雲 紫?:
彼らの名前は……。
博麗 霊夢:
名前は……?
八雲 紫?:
…………わかんない。
霧雨 魔理沙:
そんな、肝心なとこで……。
八雲 紫?:
き、記憶が足りないんだもん。
思い出せないの!
八雲 紫?:
とにかく、彼らは、世界の境界を弱めて、
幻想郷に『境界のほつれ』を生み出しててね。
八雲 紫?:
それがなんのためかは、わからないけど……。
貴方たちも見たんじゃない?
八雲 紫?:
空間がグニャッとして、おかしな風景が見えたり、
あるはずのない物が現れたり……。
霧雨 魔理沙:
あっ……、ああああーっ!?
もしかして私の家を壊した、あの大木は!!
博麗 霊夢:
それに、パルスィを浄化する前に見えた、
あの荒れた風景も……!
八雲 紫?:
ぜんぶ、境界のほつれのせいなのよ。
……ねえ。そこの天人くずれも天狗も、みんな聞いて。
八雲 紫?:
今はね、贋物だとか本物だとか、
そんなことで争ってる場合じゃないの。
八雲 紫?:
だから、争うのはやめて、みんなでいっしょに
幻想郷の危機に立ち向かいましょう。
犬走 椛?:
……誰ともわからぬ不審者に言われて、
そう簡単に、うなずくとでも?
比那名居 天子?:
まったくだ。それに、ここまで争ってきた相手と
はいそーですか、と簡単に手を組めるものか。
比那名居 天子:
不本意ながら、私も贋物と同意見。
あんたのことも、信用できないしね。
犬走 椛:
……他を当たってください。
八雲 紫?:
あっ……。
霧雨 魔理沙:
……はぁ。しょーがないな。
博麗 霊夢:
まあ、あからさまに贋物っぽいとは思うけど、
他に手がかりもないからねえ。
霧雨 魔理沙:
おい、小さい紫。幻想郷を救うには、
とにかく心象断片ってのを集めればいいんだな?
博麗 霊夢:
それじゃ行くわよ。
あと3つ、さっさと見つけましょ。
八雲 紫?:
霊夢、魔理沙……。ありがとう。