八雲 紫:
……この前は、私の贋物から、幻想郷を襲う
真の敵がいるという話を聞いたのよね。
八雲 紫:
彼ら……いったい、何者なのかしら?
八雲 紫:
境界のほつれを作り、幻想郷の景色を歪ませ、
世界を破壊している……って話だけど。
八雲 紫:
本当かしら?
それって、贋物異変と関係あるのかしらね。
八雲 紫:
私の贋物によれば、心象断片というのを
あと3つ集めれば、解決するらしいけれど。
八雲 紫:
さすがに、ちょっと疑わしい話よねぇ……。
まあ、ひとまず様子を見てみましょうか。
--------------
妖怪の山
--------------
博麗 霊夢:
それで? このまま真っすぐ進んでいいの?
八雲 紫?:
待って、ええと……。もう少し右に。
うん、その方向よ。
八雲 紫?:
心象断片が、私を呼んでいるのがわかる。
でも……、向こうも移動してるみたい。
霧雨 魔理沙:
心象断片ってのは、たしか、
お前の力の結晶みたいなものなんだったな。
八雲 紫?:
ええ、そうよ。とんでもなく強い力の結晶。
……だと、思う。たぶん。
霧雨 魔理沙:
じゃ、妖怪に拾われてる可能性が高そうだ。
拾い主と、その辺で会えるといいが……。
鍵山 雛:
ダメよ、渡せないわ!
霧雨 魔理沙:
あん? 今の声は……。
水橋 パルスィ?:
………ング……ラのため…に……。
鍵山 雛:
こんな強大な力を手にしたら、厄を引き寄せるわ!
ただでさえ、今の貴方は厄に呑まれているのに……!
霧雨 魔理沙:
雛とパルスィ!?
……って、パルスィはまた様子がおかしい!
博麗 霊夢:
パルスィの本物は、まだ神社で休んでるはず。
目を覚ました連絡もないし、あれは贋物だわ。
霧雨 魔理沙:
というか、あいつら何を取り合ってんだよ。
ん? あの石……まさか、心象断片!?
八雲 紫?:
……彼らは、やっぱり
私が力を取り戻すのを妨害してるのね。
八雲 紫?:
霊夢、魔理沙。
パルスィを正気に戻しましょ。
博麗 霊夢:
ええ。それじゃあダンマクカグラ、行くわよ!
水橋 パルスィ?:
う、うう……。
霧雨 魔理沙:
また倒れちゃったか。本物もそうだけど、
ちゃんと目を覚ますといいが……。
博麗 霊夢:
永琳も呼んでるし、大丈夫よ。さて、こいつも
神社に寝かせておきましょ。雛、運んどいて。
鍵山 雛:
え、ええっと……?
博麗 霊夢:
その石……心象断片も、こっちで預かるわ。
元の持ち主に返しておくから。
鍵山 雛:
そう……わかった。よろしくね。
この子のことは任せておいて。
八雲 紫?:
これで、2つ目。
『鼓動のフラグメント』……。
--------------
人間の里
--------------
霧雨 魔理沙:
よし、次の心象断片を探そうぜ。
今度はどこだ?
八雲 紫?:
この辺りにあるはずよ。
ええと、正確な場所は、う~ん……。
博麗 霊夢:
……また、なんか変な景色が見えたわ。
こういうの、ちょっと多すぎじゃない?
霧雨 魔理沙:
つまり、境界のほつれってやつが
それだけ増えてるってことなのかもな。
博麗 霊夢:
急いだほうがよさそうね。
ねえ、とりあえず手分けでもして……、
八雲 紫?:
あっ! すぐそこ!
博麗 霊夢:
えっ?
依神 女苑?:
ハッ! 私から物を奪おうだなんて、
ずいぶん、いい度胸してるじゃない!
依神 女苑?:
返り討ちにして、身ぐるみはがしてやるわ!
水橋 パルスィ?:
………ング……ラのため…に……!
依神 紫苑?:
ねえ。そいつ、なんか様子がおかしいよ。
というか女苑も、そのパワーはなんなの……。
博麗 霊夢:
あれって……、さっき雛が連れていったのとは
また別のパルスィよね。
霧雨 魔理沙:
ああ。それにしても、
なんでパルスィばっかり……?
八雲 紫?:
考えるのは後よ。
今は、とにかくパルスィを助けましょ!
霧雨 魔理沙:
そうだな。
よし、またダンマクカグラだ!