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博麗神社
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八雲 紫:
ありがとう、藍。貴方のおかげで、
4つの心象断片が揃ったわ。
八雲 紫?:
なっ……、4つ目の心象断片!?
なぜ式神が、それを持っている!?
八雲 紫:
ふふふ。まだ勘違いしているのね。
貴方が私に勝ってた、なんて。
八雲 藍:
仕方がありません。このようなまがい物に、
我が主の深謀を推し量れる道理もなく。
八雲 紫?:
なに……、どういうことだ!?
私はあの時、確かにおまえを……!
八雲 紫:
あれは、わざとやられてあげたのよ。
貴方の妨害なんて、想定済みだったからね。
霧雨 魔理沙:
は!? じゃあ、一度負けたのは演技で、
小さくなったのも、自分の意志だったのかよ!?
八雲 紫:
少女の姿になったのは不可抗力だったけど。
でも、かわいかったでしょう?
博麗 霊夢:
自分で言うか……。
八雲 藍:
己の力を心象断片として切り離す直前、
紫様は、私に命令を下された。
八雲 藍:
断片の一つ、旋律のフラグメントを見つけ出し、
時が来るまで守るように……、と。
八雲 藍:
そして紫様は、予定通りに妨害を受け、
あたかも無力化されたように振る舞ったのだ。
八雲 紫:
油断を誘って、敵を確実に倒すためにね。
思ったより記憶が失われたのは誤算だったけど。
八雲 紫:
さあて……。形勢逆転かしら?
降参するなら今よ、私の贋物さん。
八雲 紫?:
……力を取り戻したからと言って、
私に勝てると思ったら大間違いだ。
八雲 紫?:
私には、この世界に集めさせたエネルギーがある!
おまえなど、この私の相手では……ッ!
八雲 紫:
愚か者。勝てないのよ、おまえでは。
それに……、おまえの相手は、私じゃないわ。
水橋 パルスィ:
……貴方からは、何も感じない。
嫉妬の一つも湧いてこない。
水橋 パルスィ:
シャングリ=ラに作られた、八雲紫。
貴方は……、空っぽね。
八雲 紫?:
いつの間に……っ!
水橋 パルスィ:
まるで妬ましくはないけれど。私を……
私たちを好き勝手に操った怨み、お返しするわ!
八雲 紫?:
ぐあっ、あああああっ!!
くそ……! この私が、くそぉ……っ!!
八雲 紫:
さあ、最期は私が送ってあげる。
八雲散らして消えるがいい―――愚かな私の空蝉よ!
博麗 霊夢:
あの紫……、そう。消滅した、のね。
比那名居 天子?:
ということは、……よーし!
これにて、異変は解決ね!
依神 紫苑?:
やりました、やりました~!
霧雨 魔理沙:
パルスィ! よかった、目を覚ましていたんだな!
水橋 パルスィ:
ええ、まだ私一人だけだけど。
他の私の分まで、全力でやってやったわ……!
八雲 紫:
さて。これで、邪魔者はいなくなったわ。
あとは境界を作り直して、幻想郷を……っ!?
霧雨 魔理沙:
こ、これって……!
伊吹 萃香?:
お、おいおい! どうなってるんだ!?
八雲 紫:
境界が、一斉にほつれ始めている……
???:
おおぁ……。我ァが、シャングリ=ラよ……。
憎いィ……。幻想郷が、妬ましいィィ……。
博麗 霊夢:
な、なに!?
紫の贋物が消えたとこから、変なモヤが……!
八雲 紫:
これは、シャングリ=ラの核を成すもの。
かの世界の創設者たちの、成れの果て……。
八雲 紫:
その怨念の集合体、―――久遠妄執よ!