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紅魔館
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霧雨 魔理沙:
フラン! おまえ、どうしてここに……!?
フランドール・スカーレット:
どうしてって、そりゃ、ここは私の家だからよ。
高麗野 あうん:
……た、たしかに。紅魔館で
フランさんと会うのは、当然のことですねぇ。
霧雨 魔理沙:
いや……。違うんだ、あうん。おかしいんだよ。
だって、これは『あの時』の再上映のはずだろ?
霧雨 魔理沙:
私はここで、フランと会った覚えはない。あの時、
こいつが外を出歩いているはずがないんだ。
霧雨 魔理沙:
フランが出てきたのは、異変の後。
おまえは、まだ地下室にいたはずだろ、フラン!?
レミリア・スカーレット:
そうよ。この子は、ずっと地下室にいたわ。
レミリア・スカーレット:
暗く、狭く、息苦しい地下室にね。
……ああ! かわいそうなフランドール!
レミリア・スカーレット:
憎たらしい吸血鬼ハンターの手によって、
495年もの間、封印されてしまうなんて!
霧雨 魔理沙:
……は!?
レミリア・スカーレット:
でも、それも昨日までのこと。今日は、
フランの封印が解けた、記念すべき日なのよ。
高麗野 あうん:
ま、待ってください。フランさんが、
吸血鬼ハンターに封印されていた……?
霧雨 魔理沙:
おいおい。そんな話は、聞いたことないぞ!
フランドール・スカーレット:
お姉様はね。封印が解けた私のために、
光を遮る、あの紅い霧を出してくれたのよ。
フランドール・スカーレット:
私が、自由に外を歩けるように。
うふふ。ありがとう、お姉様。
レミリア・スカーレット:
当然のことよ、フラン。
あなたは、私の大切な妹だもの。
フランドール・スカーレット:
それでね、お姉様と決めたの。私たちが
もう二度と、誰にも封印されたりしないように……
フランドール・スカーレット:
この幻想郷を、吸血鬼が支配する、
吸血鬼のための世界に変えてやろうって!
高麗野 あうん:
ええっ!? そ、そんな野望を!
というか、なんだかずいぶん仲良しですね……?
霧雨 魔理沙:
この二人が、こんなに仲がいいなんて……。
そ、そうか、わかったぞ!
霧雨 魔理沙:
二人とも、ユメミタマの影響で、
おかしくなっているんだな!
高麗野 あうん:
な、なるほど? たしかに、フランさんからも
ユメミタマの気配が感じられます~。
高麗野 あうん:
ユメミタマというのは、外の世界の人が見た夢が
シャボン玉の形になったもの……。
高麗野 あうん:
フランさんたちは、ユメミタマの影響によって、
その『誰かが夢見た』役を演じているんですね。
高麗野 あうん:
そう……おバカな飼い犬のようになったという、
あの時の私と同じで……。ふふ……。
霧雨 魔理沙:
つまり、この二人の様子は、誰かが
『こうであってほしい』と夢見た姿ってわけだ。
高麗野 あうん:
ええ。この再上映は、すべて誰かが夢見た世界……。
だから元の異変とは、少しずつ違っているんだわ。
フランドール・スカーレット:
話は終わった?
それじゃあ、そろそろ私と遊んでもらうよ!
レミリア・スカーレット:
やってしまいなさい、フラン。
私たちの邪魔をする者に、容赦はいらないわ。
フランドール・スカーレット:
ええ、お姉様!
私たち最強の姉妹が、幻想郷を支配するんだから!
高麗野 あうん:
フ、フランさんから、
ものすごく強いユメミタマの気配が……!
霧雨 魔理沙:
どうやら、フランが一番
ユメミタマの影響を受けているみたいだな。
霧雨 魔理沙:
おそらく、あいつが
この異変の核ってことだろう。
高麗野 あうん:
それじゃ、フランさんを
ダンマクカグラで浄化すれば!
霧雨 魔理沙:
ああ。それで、この再上映異変は終わるはずだ!
霧雨 魔理沙:
かかってこいよ、フラン!
そろそろ、夢から覚める時間だぜ!