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紅魔館
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レミリア・スカーレット:
あら咲夜、どうしたの?
十六夜 咲夜:
お嬢様……。実は妹様の件で、ご相談が。
最近、お元気がないようなのです。
レミリア・スカーレット:
そう。それじゃあ、新しい遊び道具を
用意してあげて。それで様子を見ましょう。
十六夜 咲夜:
かしこまりました。では、そのように。
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数日後
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十六夜 咲夜:
お嬢様。その、妹様なのですが……。
レミリア・スカーレット:
どうかしたの?
十六夜 咲夜:
実は、お元気になるどころか、
ご機嫌まで悪くなってしまいました……。
レミリア・スカーレット:
あらら、どうしたのかしら……。
私が、ちょっと話を聞いてくるわ。
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地下室
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フランドール・スカーレット:
つまんないー!
レミリア・スカーレット:
ちょ、ちょっと、フラン?
フランドール・スカーレット:
復興が進んだら、泥棒とか見物客がたくさん来て、
一緒に遊べるかと思ったのに……。
フランドール・スカーレット:
誰も来ないじゃない。がっかりだわ。
レミリア・スカーレット:
ああ、そういうこと……。わかったわ。
フランドール・スカーレット:
あら? お姉様が遊んでくれるの?
レミリア・スカーレット:
違うわよ。かわりに、
あなたに世話係をつけてあげる。
レミリア・スカーレット:
さて! そうと決まれば、
さっそく天狗の新聞に、広告を出すわよ!
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数日後
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レミリア・スカーレット:
誰も応募してこないじゃない!
射命丸 文:
いや〜、残念ですねぇ。
せっかく、一面広告まで出したのに。
レミリア・スカーレット:
こうなったら、直接スカウトするしか……。
そうだ。あなた、妹の世話係をする気はない?
射命丸 文:
あややや。それは無茶です、レミリアさん!
私、取材で忙しい身ですから!それでは!
レミリア・スカーレット:
……ちっ、逃げられたか。
まあいいわ。他に当たるとしましょう。
魂魄 妖夢:
えっ、お世話係? いや、私はちょっと……。
その……、庭師の仕事があるので。すみません!
レミリア・スカーレット:
あ、ちょっ……。れ、霊夢!
貴方なら引き受けてくれるでしょう!? ねっ?
博麗 霊夢:
無理。もう諦めた方が、いいんじゃない?
レミリア・スカーレット:
そんなぁ……。
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紅魔館
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レミリア・スカーレット:
どうして、ここまで断られるのよ……。
引き受けてもらうための策は、何かないかしら。
霧雨 魔理沙:
おっ、悩みごとか? ……って、あれか。
新聞に載っていた、フランの世話係のやつ。
霧雨 魔理沙:
どうせ、一人も応募が来なかったんだろう?
まあ、無理もないけどな。
レミリア・スカーレット:
どういうことよ?
霧雨 魔理沙:
あいつと遊ぶのは、楽じゃない。あいつは、
力加減ができないからな。遊ぶ方は命がけだ。
霧雨 魔理沙:
そんなやつの世話係なんて、たとえ食事付きでも
給料があれじゃ、割に合わないな。
霧雨 魔理沙:
もちろん、私もお断りだ。じゃあな!
レミリア・スカーレット:
ちょ、ちょっと!? ……もう!
それじゃあ、どうしろっていうのよ〜!