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地下室
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フランドール・スカーレット:
ふわぁ……、なんか騒がしいなぁ。
もう夜なの?
フランドール・スカーレット:
……って。な、なによ、こいつら!?
霧雨 魔理沙:
おっ、やっと起きたか。みんな待っていたんだぞ!
さあさあ、好きなだけ遊ぼうぜ!
フランドール・スカーレット:
えっ、どういうこと? ……ま、いっか。
それじゃあ、遊んでもらうわよ!
フランドール・スカーレット:
あー、遊んだわ! ちょっと疲れたし、
今日はここまでね。さ、帰った帰った。
霧雨 魔理沙:
いやいや。もっと楽しもうぜ!
これだけ集まる機会は、そうそうないぞ?
射命丸 文:
そうですよ! さ、次はどうします?
人形遊び? 鬼ごっこ?
フランドール・スカーレット:
あんたたち、……なんだか妙ね。
なんで、そんなに遊ぼうとするのよ?
河城 にとり:
本当にこれで合格したら、大金がもらえるのかぁ?
思ってたより楽だから、ありがたいけどさ〜。
フランドール・スカーレット:
……大金?
フランドール・スカーレット:
ちょっと! 大金ってなんのこと?
説明してもらうわよ!
河城 にとり:
ひゅいっ!? 待って待って! じ、実はこれ、
あんたの世話係決めの、オーディションなんだよ!
河城 にとり:
合格したら願いを叶えてくれるらしくて、
参加者はみんな、それが目当てなんだ!
霧雨 魔理沙:
……バカ! そんなに正直に言うやつがあるか!
霧雨 魔理沙:
そりゃあ私だって、自由に本を借りられるのは
いいなとは思ったけどさ!
射命丸 文:
私を一緒にしないでくださいよ。私はただ、
ジャーナリストの使命を果たしに来ただけです!
霧雨 魔理沙:
そんなこと言っておまえ、紅魔館の
独占取材権につられていたじゃないか!
河城 にとり:
そ、そういうわけで! 大金を欲しがったのなんて、
私ぐらいだから! 安心して!
フランドール・スカーレット:
どっちにしろ、最悪よ。
あんたたち全員、出て行けー!
レミリア・スカーレット:
ちょ、ちょっと!? どうしたの?
フラン、落ち着いてちょうだい!
霧雨 魔理沙:
おい、レミリア! やっぱり私は降りるぜ!
こんなの、割に合わないからな!
射命丸 文:
私も撤退です!
もう取材どころではありません!
河城 にとり:
じゃ、そういうことで! とにかく逃げろー!
レミリア・スカーレット:
あっ、ちょっと待って!?
オーディションは、まだ終わってないのに……!
フランドール・スカーレット:
……お姉様。
オーディションって、どういうこと?
レミリア・スカーレット:
ほら……、あなた退屈してたでしょ?
だから、早く世話係を見つけた方がいいと思って。
レミリア・スカーレット:
でも、相性の良し悪しもあるから、
直接、あなたに選んでもらおうとしたんだけど……。
フランドール・スカーレット:
それで、願い事をエサに、みんなを集めたのね。
いかにもお姉様らしい、独りよがりな計画だわ。
レミリア・スカーレット:
私は、あなたのために……!
フランドール・スカーレット:
うるさい! 出て行け!
フランドール・スカーレット:
ふん。ホントあいつったら、
くだらないことばっかり考えるんだから。……ん?
フランドール・スカーレット:
まだ参加者が残っていたの?
しつこいわよ。さっさと出て行って。
古明地 こいし:
何かあったの? そんなことより、ねぇ。
私に気づいたんだから、一緒に遊ぼう?
フランドール・スカーレット:
はあ? 何言って……。
古明地 こいし:
ほーら、早く! まずは、かくれんぼだよ。
さっ、十数えて!
フランドール・スカーレット:
ええっ!? い、いーち、にーい……。
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数時間後
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フランドール・スカーレット:
また負けたわ!
……あなた、かくれんぼが上手すぎるわよ。
古明地 こいし:
えへへ、そうでしょー。
それじゃ、次は何して遊ぶ? 弾幕ごっこ?
フランドール・スカーレット:
いいわよ! 今度は、負けないんだから!
十六夜 咲夜:
お二人とも、楽しそうです。
……よかったですね、お嬢様。
レミリア・スカーレット:
そうね。思ったようにはいかなかったけど……。
ま、これはこれで、悪くない結末だわ。ふふっ。