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白玉楼
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霧雨 魔理沙:
ゆ、ゆ、幽々子! なんでここにいるんだ?
西行妖が満開になって、消えたはずじゃ……。
西行寺 幽々子:
なんのことぉ~? 桜が咲いて
私が消えるなんて、ありえないでしょ~。
霧雨 魔理沙:
なっ……。でもお前は、そういう亡霊だろっ!
西行妖と関係はないってのか?
十六夜 咲夜:
……ひょっとしたら、本当にそうかもしれないわ。
この再上映の世界でならね。
十六夜 咲夜:
このユメミタマの世界では、
西行妖と幽々子の死には、一切関係がない。
十六夜 咲夜:
……いえ、そもそもユメミタマのせいで、
西行妖が咲いてるように見えるだけ、とか?
十六夜 咲夜:
だから、西行妖が満開になっても、
幽々子には影響が出ないってことなのかも。
霧雨 魔理沙:
なんっだよ、それ。
心配損ってことじゃないか。
霧雨 魔理沙:
だいたい、なんなんだ、この宴会は。
妖怪も亡霊も、うじゃうじゃいるぞ。
西行寺 幽々子:
みんな西行妖を見に集まった見物客よ。
なんせ、千年振りの満開だものねぇ~。
西行寺 幽々子:
咲いたらきっと、美味しい料理とお酒を持って
押し寄せてくると見込んでいたけど……、
西行寺 幽々子:
ふふふ、狙った以上の効果だったわね。
料理もお酒も美味しくて最高よ~。
十六夜 咲夜:
それじゃ、料理やお酒のために西行妖を満開に?
幻想郷から春を奪ってまで?
西行寺 幽々子:
ええ、その通りよ。名案でしょ?
霧雨 魔理沙:
な、なんだそりゃ。
私たちが、どんな気持ちでここまで……。
霧雨 魔理沙:
くっそぉ! こんな、しょうもない宴会、
今すぐ終わらせてやるからな。
西行寺 幽々子:
宴会を終わらせるですって!?
そんなこと、させるわけにはいかないわ。
亡霊たち:
宴会を邪魔するやつは帰れー!
かーえーれー! かーえーれー!
十六夜 咲夜:
な、なにっ?
急にお客たちが私たちの周りに……。
西行寺 幽々子:
ふふ、このお客たちは今日だけ私の味方なの。
さぁ、みんな。あの子たちを片付けちゃって!
霧雨 魔理沙:
この、酔っ払いどもめ。
これじゃ、幽々子のところに行けないぞ。
十六夜 咲夜:
時間を操って動きを止めても、
この数が相手じゃ、キリがないわね……。
???:
だらしないわね、あんたたち。
霧雨 魔理沙:
霊夢じゃないか、どうしてここに?
博麗 霊夢:
あんたたちが、ちんたらやってるせいで、
こっちはもう凍えそうなのよ。
博麗 霊夢:
幽々子が再上映の核なのよね?
さっさと倒して、この異変を終わらせるわよ。
霧雨 魔理沙:
あ、ああ。はじめっから、そのつもりだぜ。
十六夜 咲夜:
お客たちは、私が時間を止めて引き付けるわ。
だから、その間に幽々子を倒して。
西行寺 幽々子:
博麗の巫女まで現れたのね……。
いいわ、相手になってあげる。春は渡さないわ!