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永遠亭
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霧雨 魔理沙:
あれ? 月がひとつしかないぞ?
彷徨月の方がない。
博麗 霊夢:
再上映の影響が、空にまで及んでいるのかもね。
ほら、ここで起きた異変といえば……。
霧雨 魔理沙:
終わらない夜と、欠けた月……か。
霧雨 魔理沙:
まあ、たしかに月が二つあったら、
あの時の再現にはならないもんな!
博麗 霊夢:
終わらない夜、そんなこともあったわねぇ……。
霧雨 魔理沙:
霊夢と紫が異変の原因かと思って、
竹林で戦ったな! お前ら手加減もせずに。
博麗 霊夢:
そんなことあったっけ?
金髪の不審者に絡まれたことなら覚えているけど。
霧雨 魔理沙:
バッチリ覚えてるじゃんか! 誰が不審者だ!
霧雨 魔理沙:
本当は月が偽物とすり替えられていた異変だった。
異変を起こした犯人は、永琳だったよな。
博麗 霊夢:
そう。輝夜を月の使者から隠すために、
永琳はそんな大掛かりなことをやったけど……。
霧雨 魔理沙:
幻想郷には結界があるから、
どのみち月の使者は来られなかったんだよな。
霧雨 魔理沙:
永琳の取り越し苦労だったってわけだ!
博麗 霊夢:
そーね。今回は二回目だから、
あっさり終わってくれたらいいけど……。
霧雨 魔理沙:
早く永遠亭に入ろうぜ! おじゃましまーす!
博麗 霊夢:
なんでそう、元気なんだか……。
霧雨 魔理沙:
長い廊下だなぁ。前と同じなら、
ここらへんで一匹目の兎が襲ってきて……。
霧雨 魔理沙:
お! 噂をすれば! 一匹目の兎、因幡てゐ!
因幡 てゐ:
あんたたちみたいな侵入者を、
この先へ通す訳にはいかないのよ。
霧雨 魔理沙:
おー! おっかないねぇ。
侵入者撃退に、兎まで駆り出されるとはな。
博麗 霊夢:
ほんと。鈴仙や輝夜を守るためとはいえ、
厳重にしているのねぇ……。
因幡 てゐ:
私は、この先へ誰も通すなと言われてる。
私を倒さないと、先へは進めないから!
霧雨 魔理沙:
とかいって、永琳に命令されてるだけだろ?
契約とはいえ、よくやるよなぁ。
因幡 てゐ:
なんで、そんなこと知ってんのよ!
怪しい奴め、すぐにぶっ潰してやるわ!
因幡 てゐ:
く、くそぅ……。
霧雨 魔理沙:
ふぅー。威勢はよかったけど、
やっぱり大したことなかったな!
博麗 霊夢:
さっさと、次に行きましょ。