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永遠亭 奥座敷
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博麗 霊夢:
……さすがにやるわね。
八意 永琳:
貴方たちもね。でも、
姫を月に連れ戻させるわけにはいかない……!
???:
キャーー!!!
霧雨 魔理沙:
な、なんだ! 今の声は?
八意 永琳:
……姫ッ!
八意 永琳:
ひ、姫!! どうしました!?
???:
ご心配なく。ただ眠ってもらっただけです。
八意 永琳:
ウドンゲ!? いったい何を? ま、まさか……!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
……お察しの通り、私こそが月の使者です。
師匠も、お気づきにならなかったようですね。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
このところ、永遠亭を嗅ぎ回っていたのも、
私です。この日のために……。
八意 永琳:
なんですって! ウ、ウドンゲッ!!
霧雨 魔理沙:
おいおいっ!? どうなってるんだ!
博麗 霊夢:
鈴仙が月の使者で、
輝夜を連れ帰ろうとしているってこと……?
霧雨 魔理沙:
待てよっ! 月の使者は、
大結界があるから幻想郷に来られないはずだろ?
博麗 霊夢:
この再上映では、その使者も
来られるってことになっているみたいね……。
八意 永琳:
どうしてっ!! なんで……!?
月から逃げてきた貴方が!!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
師匠、すみません……。
姫を連れて、月へ戻ります……!
八意 永琳:
本当にそれでいいの!?
地上で暮らすことを受け入れた貴方が……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
だって、こうでもしないと……、
師匠が殺されちゃうから!
八意 永琳:
私が、殺される……?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
……ひと月前のことです。月から逃げた私に、
月に戻るよう通達が届きました。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
そのとき、姫が私のそばにいると知った月は、
私に姫を連れ戻せと……そう命じたのです。
八意 永琳:
そんな急な伝令を、あなたは呑んだというの?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
もちろん最初は断りました! でも月は、
従わなければ、直接ここに馳せ参じると……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
そうすれば、貴方の存在が知られてしまう!
かつて月の使者を皆殺しにした、貴方が……!
八意 永琳:
姫を連れ帰さないと私が殺される、と。
ウドンゲ、貴方はそうまでして私を……。
八意 永琳:
……だけど、姫のためにも、貴方のためにも、
月へ行かせるわけにはいかない!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
わかってください!
師匠も姫も助けるには、これしかないんです!
博麗 霊夢:
……なんか、面倒なことになってきたわね。
とりあえずは、鈴仙が再上映の核みたい。
霧雨 魔理沙:
だな! そうと決まれば、やろうぜ霊夢!
早くしないと、本当に月へ帰りそうだ!
博麗 霊夢:
ええ、やってやりましょ。魔理沙!