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迷いの竹林
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宇佐見 菫子:
光る竹があるって聞いたから探しに来たけど、
なかなか見つからないね。
東風谷 早苗:
そうですね……。
宇佐見 菫子:
……ただのうわさだったのかなぁ。
もうあきらめるしか……って、あ! あれ見て!
東風谷 早苗:
た、竹が……光ってる!?
宇佐見 菫子:
すごーい! うわさは本当だったんだ!
宇佐見 菫子:
中には何が入ってるんだろうね?
やっぱり、お姫様とかかな?
東風谷 早苗:
どうでしょう?
あるいは、金銀財宝かもしれないわ。
宇佐見 菫子:
よーし! とにかく早く切ってみよう!
……えいっ!
宇佐見 菫子:
あれっ? な、なんにも入ってない?
それに、光も消えちゃったよ!?
東風谷 早苗:
そ、そんな……。あら? 見てください!
今度は、向こうの竹が光ってます!
宇佐見 菫子:
ほんとだ! えっ、でも、どうして?
東風谷 早苗:
……もしかしたら、切り方が悪かったのかも?
よし。次は、私がやってみますね。
東風谷 早苗:
臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!
……はあっ!
宇佐見 菫子:
か、かまいたち!?
早苗さん、すごい!
東風谷 早苗:
これくらい、朝飯前です!
……って、あらら?
東風谷 早苗:
また消えた……。
しかも、やっぱり光が別の竹に……。
宇佐見 菫子:
これは……かなり面白いことになってきたよ!
光った竹を、片っぱしから切ってみよう!
東風谷 早苗:
そうですね。やってみましょう!
宇佐見 菫子:
はあ……はあ……。どうなってるのこれ……。
東風谷 早苗:
何も出てこないし、切っても切っても
光が別の竹に移動するだけ……。
宇佐見 菫子:
とりあえず、切るのはこの竹で最後にしよう。
……えいっ。
宇佐見 菫子:
……んん? 切った竹から、何かが……?
東風谷 早苗:
あれは……、ユメミタマ!?
そのまま別の竹に漂っていって……?
宇佐見 菫子:
ひ、光った!? ってことは、
竹が光ってたのは、ユメミタマのせいなんだ!
東風谷 早苗:
そういうことなら、さっそく浄化しましょう。
宇佐見 菫子:
ふぅ。これで解決っと!
東風谷 早苗:
でも、光る竹がユメミタマのせいだったなんて、
ちょっと残念な結末でしたね。
因幡 てゐ:
あ〜、ん〜、た〜、た〜、ち〜!
東風谷 早苗:
あっ、てゐさん! 竹林にくわしい貴方なら、
光る竹について、何かご存知じゃないですか?
宇佐見 菫子:
教えて教えて! 光る竹の中には
本当は何が入っているのか、とかさ!
因幡 てゐ:
はぁ〜? 光る竹ぇ?
竹林を荒らす奴に教えることなんて、何もないね!
宇佐見 菫子:
……えっ? 竹林を荒らす?
あっ、しまった……!
東風谷 早苗:
とりあえず、ここは逃げましょう!
因幡 てゐ:
逃がすか! 待てー!
宇佐見 菫子:
ご、ごめんなさい!
でも、これにはちゃんと理由があったのー!
因幡 てゐ:
言い訳無用! 覚悟しろー!
宇佐見 菫子:
わああ! ごめんなさいってばーっ!