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迷いの竹林
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因幡 てゐ:
また今日も、兎が襲われた……。
因幡 てゐ:
竹林で狼藉三昧するとは、いい度胸じゃない。
こうなったら、私の手で犯人を捕まえてやるわ!
因幡 てゐ:
そうと決まればさっそく……、おや?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
てゐ! また兎が襲われたそうね!
因幡 てゐ:
ええ。ちょうどよかった。頼みがあるの。
兎を襲ったヤツを捕まえる、協力をしてくれる?
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その日の夜
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鈴仙・優曇華院・イナバ:
うーん……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
一人で歩いててくれって言われたけど、
こんなので本当に捕まえられるのかなぁ?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ふぅ……、ちょっと休憩っと。
因幡 てゐ:
やあ! そこの兎さん。
そんな所で、何してるの〜?
???:
……えっ!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええっ!? 妖怪兎が、どうしてここに?
妖怪兎:
い、いや、その……。私はただ、
お話があって、声をかけようと……。
因幡 てゐ:
違うよねぇ?
お前は今、鈴仙を襲おうとしていたでしょうに。
因幡 てゐ:
だって、今まで兎たちを襲っていたのは、
お前なんだから!
妖怪兎:
なっ、なんのことでしょう?
私には、身に覚えがありません!
因幡 てゐ:
私、この竹林に住む兎をすべて支配しているの。
つまり、私の知らない兎は、ここにはいない。
因幡 てゐ:
私には、お見通しだ! 正体を現せ!
鬼人 正邪:
あーあ、もうバレちゃったのか!
因幡 てゐ:
あんた、天邪鬼か。
どうして兎たちを襲ったのよ?
鬼人 正邪:
下克上のための腕試しがしたかっただけだ。
手に入れた新アイテムのお試しも兼ねてな。
鬼人 正邪:
世の中をひっくり返すために、
力弱き兎は、尊い犠牲になったのだ!
因幡 てゐ:
よくも、そんな理由で……。
腕試しがしたいなら、私が相手をしてやるわ!
因幡 てゐ:
あはは! どこに攻撃してるの?
今度は私の番ね。えーい! やったあ、命中!
鬼人 正邪:
ぐああっ! な、なぜだ!?
なぜ攻撃が当たらない! それに……どわっ!?
因幡 てゐ:
おや? なんてこったい、天邪鬼の足元にタケノコが!
おかげで転んじゃったね!
鬼人 正邪:
うぐぐ……。こんなのおかしいぞ!
いったい何がどうなって……!
因幡 てゐ:
そりゃあ私は、この幻想郷でもっとも幸運な兎!
恨むんなら、自分の運のなさを恨むことだね!
因幡 てゐ:
さあ、追いつめた! トドメだ!
因幡 てゐ:
どう? まだ戦う?
鬼人 正邪:
くっ……、こいつに挑むのは時期尚早だったか。
いったん、退却だ!
因幡 てゐ:
ふーん、そう。
それじゃあ、この竹林には二度と近づかないわね?
鬼人 正邪:
まだだ! まだあきらめないからな!
この借りは必ず……! 覚えてろー!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
よかった。これで解決ね。
でも……、貴方、本気を出すとすごいのね。
因幡 てゐ:
当然でしょ! この竹林のためだもの!