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聖輦船・船内
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博麗 霊夢:
暗いわね……。ユメミタマの気配も強まっているし、
いよいよ核心ってところかしら?
東風谷 早苗:
ということは、強い妖怪がいるんですね!
さあ、次はどんな妖怪が来るんです!?
???:
ほう……? やたら大きなネズミと思えば、
ずいぶんと威勢のいいエサが忍び込んだものだ。
霧雨 魔理沙:
鮮度抜群、実力十分な人間だぜ。
早く姿を見せたらどうだ?
村紗 水蜜:
生意気な……。だが、よいだろう。我が名は、
血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
博麗 霊夢:
あ、あんた、村紗水蜜よね……?
船もあんたも、どうしちゃったわけ?
村紗 水蜜:
……聞こえなかったか? 我が名は、
血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
博麗 霊夢:
いや、それはもういいわ……。
それより、船の行き先がどこなのか教えてよ。
村紗 水蜜:
礼儀を知らぬ野蛮な人間め。
名前を呼んで挨拶、常識だ。
博麗 霊夢:
ぐぐぐ……、妖怪に常識を諭された。でも、
口にできないわよ! そんな恥ずかしい名前!
村紗 水蜜:
ならば答える義理はない! しょせんは家畜。
礼儀を求めたのが間違いか……。
博麗 霊夢:
……待ちなさいよ! い、言えばいいんでしょ。
け、血海を逝く漆黒船長……、キャプテン……。
村紗 水蜜:
ダメだな。声が小さい。それともう一つ。
人と話すときは目を見て話せ。失礼に当たるぞ。
博麗 霊夢:
この……、恥ずかしい名前のくせして正論を!
というか、早苗も助けなさいよ!?
東風谷 早苗:
私は言えますけど……、今の霊夢さん面白いし。
一回言えそうだったんだし、頑張ってください!
博麗 霊夢:
無理! あれだけで鳥肌立ってんのよ!?
大きい声でなんて、絶対に無理だわ……!
霧雨 魔理沙:
私は、いいと思うんだがなぁ。
キャプテン・ダークムラサ。かっこいいじゃん。
博麗 霊夢:
……え、マジで?
東風谷 早苗:
魔理沙さん、無理してないです?
霧雨 魔理沙:
いや、本当だって。私は好きだぞ。
血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ。
村紗 水蜜:
……お前、名前は?
霧雨 魔理沙:
私は、霧雨魔理沙だ。よろしくな。
血海を逝く漆黒船長キャプテン・ダークムラサ!
村紗 水蜜:
霧雨魔理沙……、いい名だ。お前はさしずめ、
霧雨の観測者ミストラルマジシャン・マリサか。
村紗 水蜜:
よし、ミストラルマジシャン・マリサ。
お前にならば語ろう。
博麗 霊夢:
い、今だけは、魔理沙が頼もしく見えるわ……。
東風谷 早苗:
ですね……。
なんだろう、すごくかっこいいです……。