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神霊廟
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豊聡耳 神子:
さあ、家具作りを始めよう。
理想の家具を手に入れるぞ!
蓬莱山 輝夜:
私も、人手を集めてきたわ。
みんな、こっちよー!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
なんの話かと思ったら、日曜大工かぁ。
大変そうだなぁ……。
因幡 てゐ:
言われた通り、他の兎も連れてきたよ。
それじゃあ、早速始めちゃう?
豊聡耳 神子:
そうだな、と言いたいのだが……、
実は私は、家具作りの経験がなくてね……。
因幡 てゐ:
ほほう……?
因幡 てゐ:
心配しなくても、平気平気!
私が、やり方を教えてあげるよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あんた、変なこと教えたりしないでしょうね?
豊聡耳 神子:
心配せずとも、嘘をつけばすぐにわかるよ。
私は、ある程度人の本心が読めるからね。
因幡 てゐ:
じゃあ、早速レクチャーと行こうか。
家具作りに大切なのは、なにより防犯対策なのさ。
豊聡耳 神子:
なるほど……。そういうものか。
因幡 てゐ:
でも、鍵をつけたら安心ってわけじゃない。
泥棒は、鍵なんて簡単に開けてしまうからね。
豊聡耳 神子:
盗む側も、盗むための努力をするだろうからな。
だが、ならば、どうするんだ?
因幡 てゐ:
こっちも、鍵以外の物をつける必要があるんだ。
だからね、こういう物を使って……。
豊聡耳 神子:
よし、できたぞ! これが、はじめての
手作り家具だ。なんだか、嬉しくなるな!
因幡 てゐ:
うーん、いい感じじゃない?
飲み込み早いし、たくさんできたよ!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
おお、まともな家具ができてるじゃない!
って、てゐが作ったわけじゃないから、当然か。
豊聡耳 神子:
いや、先生が優秀だったからに他ならない。
おかげで立派な家具になったよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ふーん。ちょっと座らせてもらうわ……。
あ、座り心地もいい! 本当にはじめてだったの?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ん? なんか……、イスが振動してる?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
きゃあああああ!? 飛んだああああああ!?
豊聡耳 神子:
おお、ちゃんと機能したぞ!
これなら、泥棒もすぐに追い払えるな。
因幡 てゐ:
上出来だよ、仙人様。いい筋してる!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
てゐ、あんた、やっぱり変なこと教えたわね!
なんでイスに、ロケットなんか必要なのよ!?
因幡 てゐ:
大丈夫。トラップなしの作り方も教えたよ!
まあ、あった方が面白いけど!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あっ!? こら、待ちなさい!
ちゃんと全部、トラップを外しなさいよ!
蓬莱山 輝夜:
ええと、うちの兎がごめんなさいね。
ちゃんと作り直させるから……。
豊聡耳 神子:
いいんだ。はじめて作った自分の家具。
大切に使わせてもらうよ。
蓬莱山 輝夜:
でも、そのままじゃ使いにくいでしょう?
豊聡耳 神子:
あんなトラップ程度で慌てる者は、
うちの弟子にはいないよ。いい修行さ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
待ちなさい、てゐ!
うわっ!? 机が飛んできた!?
因幡 てゐ:
そりゃー、一個で終わりなわけないじゃん。
そう簡単に突破されたりしないよ!
蓬莱山 輝夜:
本当に騒がしくて、ごめんなさいね……。
豊聡耳 神子:
はっはっは! こういう騒がしい方が、
新しい神霊廟には似合いそうだ!