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輝針城
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鬼人 正邪:
人間がここになんの用だ? この城は、
我ら力弱き妖怪が下剋上を行うための拠点。
鬼人 正邪:
お前たちのような人間に用はない。
さっさと帰れ!
博麗 霊夢:
どうやら、正邪の目的は前と同じみたいね。
下克上なんて、無理に決まっているのに……。
霧雨 魔理沙:
おい、正邪! 幻想郷中の道具を
無理やりここに集めたのは、お前だな?
鬼人 正邪:
その通り。だが、無理やりではない。道具たちは
下克上を望み、自らの意思でここへ来たのだ。
鬼人 正邪:
よほどひどい扱いを受けてきたらしくてな。
ちょっと声を掛けただけで、仲間になったぞ?
博麗 霊夢:
へえ。この再上映での正邪は、付喪神に
目をつけたみたいね。前とちょっと違うわ。
霧雨 魔理沙:
ま、やることは同じだろ。正邪をブッ倒して、
野望を阻止する。んで、異変も解決だ。
鬼人 正邪:
フフフ、それはどうかな? 野望は必ず実現する。
反逆の意思を持った道具たちによってな……!
霧雨 魔理沙:
あっ、待て! ……ってもう遅いか。
にしても、道具たちが正邪に味方するなんてな。
博麗 霊夢:
よほどひどい扱いを、って言っていたわよね。
道具に不満が溜まっていたってことかしら?
霧雨 魔理沙:
ま、私とこのミニ八卦炉には関係ないな。
いつも大事にしてるし、不満なんてあるわけない!
博麗 霊夢:
そうかしら? いつも雑に扱ってるじゃない。
大事に、ってことなら私のお祓い棒の方が……、
博麗 霊夢:
……あら? どうしたの、お祓い棒。
そんなに私から離れて……って、
博麗 霊夢:
えっ、ちょっと! どこに行くつもりよ!
待って、行かないで! お祓い棒~っ!!
霧雨 魔理沙:
ありゃりゃ、見捨てられたな。
お祓い棒にも、不満があったみたいだ。
博麗 霊夢:
そ、そんなわけないでしょっ!
不満なんてないはずよ、……たぶん。
博麗 霊夢:
何かの間違いで、城の奥へ行ったのかも。
待ってて、お祓い棒!
霧雨 魔理沙:
何かの間違いって、どんな間違いだよ……。
ま、とにかく進んでみるか。