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魔法の森
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宇佐見 菫子:
魔法の森が復興したっていうから
来てみたけど……、なんだか騒がしいわね。
宇佐見 菫子:
もっと人の少ない、静かな場所だったような
気がするんだけど……。何かあったのかな?
古明地 こいし:
うがぁー! たべちゃうぞー!
宇佐見 菫子:
キャー!!
古明地 こいし:
えへへ。声おっきいね。驚いた?
宇佐見 菫子:
こ、こいしちゃん? なんだぁ~。
もう、びっくりしたよ~。
霧雨 魔理沙:
なんの騒ぎだ……って、菫子とこいしか。
お前らも森に来てたんだな。
宇佐見 菫子:
お前らもって、どういうこと?
たしかに、人がたくさん来てるみたいだけど。
霧雨 魔理沙:
この辺は、森のキノコが出す胞子のせいで、
本来なら人間も妖怪も、あまり近寄らないんだ。
霧雨 魔理沙:
けど、復興したらキノコが減ったみたいでさ。
幻覚を見せる胞子が、飛んでいないんだよ。
霧雨 魔理沙:
それで、過ごしやすくなった森に、
いろんなヤツらが来てるってわけさ。
宇佐見 菫子:
そうなんだ。でも、幻覚を見せるような
危険なものなら、減ってよかったじゃない。
霧雨 魔理沙:
それが、私はキノコがないと困るんだよな。
私の魔法の中には、キノコを使うのもあるし。
宇佐見 菫子:
(魔法にキノコを使う……? もしかして、
キノコがあれば、私にも魔法が……!?)
宇佐見 菫子:
ね、ねぇ、マリサッち。よかったら、
私たちでキノコを育てて、増やしてみない?
霧雨 魔理沙:
おぉ? たしかに自分で増やせれば、
探す必要もなくなるな。
古明地 こいし:
はいはーい!
じゃあさ、この肥料を使ってみようよ!
宇佐見 菫子:
それ、ホームセンターで見たことあるかも。
化学肥料か~。たしかによく効きそう!
古明地 こいし:
あ、ちっちゃいキノコ発見!
さっそく、この肥料をかけてみるね。
霧雨 魔理沙:
おぉ~! もう生えてきた!
霧雨 魔理沙:
どんどん増えてってるし、
この調子なら、一生キノコに困らないな!
古明地 こいし:
おもしろーい!
なんか、キノコが踊ってるみたい!
宇佐見 菫子:
キノコさん、きっと喜んでるんだよー。
……って、ん? ホントに動いてない?
宇佐見 菫子:
キャアーッ!!
霧雨 魔理沙:
どうした、菫子!
宇佐見 菫子:
ウゥー……。
古明地 こいし:
アアアアア……。
霧雨 魔理沙:
うわっ、菫子……?
それに、こいしまで!?
妖怪:
ウウウ……アアア……。
霧雨 魔理沙:
な、なんだ? どいつもこいつも頭に
キノコ付けて……、正気を失ってる!?
古明地 こいし:
ウアーッ!!
霧雨 魔理沙:
くそっ! どうなってんだ!
とにかく、一旦退却だ!