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魔法の森
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河城 にとり:
いやー、森の復興もかなり進んだねぇ。
しかも、お酒が湧き出る泉が現れたとか……。
河城 にとり:
そこの酒を売れば、元手なしで丸儲けじゃん。
だけど、その泉はどこにあるのやら……。
射命丸 文:
おや、にとりさんではありませんか。
十六夜 咲夜:
やっぱり、あなたも泉を探しに来てたのね。
射命丸 文:
咲夜さんは、レミリアお嬢様のおつかいだそうです。
私は、噂の泉の取材と、ちょっと味見をね。
河城 にとり:
そうなんだ。じゃあさ、一緒に探そうよ。
その方が早く見つかるだろうし。
十六夜 咲夜:
そうね。助かるわ。
さ、行きましょうか。
河城 にとり:
なかなか簡単には見つからないねー。
ちょっと休憩。ふぅ~。
十六夜 咲夜:
お酒が湧く泉なんて、
やっぱり、ただの噂話だったのかしら。
河城 にとり:
そうなのかな……。あれ?
あの妖精、なんかフラフラしてない?
十六夜 咲夜:
あらホント。
まるで酔ってるみたいね。
射命丸 文:
酔っているということは……。もしや!
皆さん、あの妖精を追ってみましょう!
河城 にとり:
よし、いこいこー!
射命丸 文:
あ! 皆さん、見てください!
泉が見えてきましたよ。
河城 にとり:
ホントだ! しかもこれ……お酒の香り……。
さっそく一口いただきますか!
河城 にとり:
うまーい! 間違いない……。
ホ、ホンモノの酒だあー!!
十六夜 咲夜:
おいしい。
これなら、お嬢様も喜んでくれるわ。
射命丸 文:
この泉、どうやってできたのでしょうか。
……おや? 泉の底で何か泳いでますね。
河城 にとり:
お、これ酒虫だよ。コイツが泉の水を
酒に変えてるんじゃないかな。
十六夜 咲夜:
酒虫って、鬼の技術よね……。
誰かがここに持ってきたってことかしら?
河城 にとり:
ん~、気になるけど、それより今は
この酒をありったけの瓶に汲まないと!
河城 にとり:
大量大量! それにしても、うまい酒だったな~。
いっぱい汲んだし、もう一口飲んでもいいよね。
河城 にとり:
ん~、飲みやすい……って、あれ? 味がない?
うそでしょ、そんな……。お、お酒が……。
河城 にとり:
お酒が、水に戻ってるぅ~!?
射命丸 文:
本当だ……!
これ、ただの水ですね。
河城 にとり:
汲んだ酒が、ぜんぶ水に……、どういうこと?
酒虫がいない酒は、水に戻っちゃうの!?
十六夜 咲夜:
酒虫なら、この瓶に入れて持ってきてるけど……。
でも、これも水になってしまっているわね。
射命丸 文:
ん~……、この酒虫は不完全品か模造品で、
だから水に戻っちゃうんですかね。
河城 にとり:
に、偽物だっていうの!?
射命丸 文:
だってこの酒虫、今は動いてませんし。
もしかしたら、森の魔力で動いていたのかも。
十六夜 咲夜:
じゃあ、この酒虫を使ったお酒は、
森の奥でしか飲めないってことね。
河城 にとり:
そんな……ボロ儲けの予定が……。
十六夜 咲夜:
でも、あの泉でならお酒が飲めるのよ?
だったら、あそこに人を呼んでみたら?
射命丸 文:
いいですね。宴会場を設営すれば、
酒代だけじゃなく、場所代も取れちゃいますね。
河城 にとり:
その案もらった!
よーし、じゃんじゃん稼ぎますぞぉ~!