--------------
霧雨魔法店
--------------
霧雨 魔理沙:
はあ、やっと上がったな。
急いで出発しないと。
霧雨 魔理沙:
雨上がりにしか収穫できないキノコもあるんだ。
この機を逃す手はないぜ。
霧雨 魔理沙:
靴よし、カバンよし、八卦炉よし、と。
よーし! 出発!!
--------------
数時間後
--------------
フランドール・スカーレット:
もう、陰気臭い森ねぇ。
霧雨魔法店とやらは、どこにあるのかしら。
フランドール・スカーレット:
あっ、やっと見つけた!
……って、あら? 鍵がかかってるみたい。
フランドール・スカーレット:
もしもーし! 寝てるのかな?
こういう時は、きゅっとして……!
フランドール・スカーレット:
……そうだ。
能力が使えないんだったわ。
フランドール・スカーレット:
あー、もう! こうなったら、
家の前で張り込んでやるんだから!
--------------
さらに数時間後
--------------
霧雨 魔理沙:
よーし! たくさん獲れたな。
こんだけあれば、しばらく……って、うわ!
霧雨 魔理沙:
フ、フラン……? なんでコイツがここに?
おい、起きろー! 朝が来ちまうぞ。
フランドール・スカーレット:
うーん、うるさいわね。
まだ眠いんだから、あと3日は……って、あれ?
フランドール・スカーレット:
遅かったじゃない!
すっかり待ちくたびれちゃった!
--------------
霧雨魔法店
--------------
霧雨 魔理沙:
なるほど。魔法の森で迷子になってるうちに、
能力が発動しなくなったのか。
フランドール・スカーレット:
最初は楽しく散歩してたのよ。
おやつにキノコを食べたりしながら。
フランドール・スカーレット:
でも途中で道に迷って……そういえば
森にはあなたの家があるって、思い出したの。
フランドール・スカーレット:
なんとかしてくれない?
魔理沙、あなたこういうことの専門家なんでしょ?
霧雨 魔理沙:
専門家を名乗った覚えはないが、
依頼を断っては、なんでも屋の名が廃るな。
霧雨 魔理沙:
今の話で、だいたい検討がついた。
ちょっと待っててくれ。
霧雨 魔理沙:
雨上がりの森には、魔封じのキノコが生える。
タイミング的に間違いないだろうな。
霧雨 魔理沙:
解毒薬を作るには……。
イモリの尻尾に薬草と……あとは……。
霧雨 魔理沙:
よし! できた!
さあ、これを飲んでくれ!
フランドール・スカーレット:
ちょっと、これ、本当に口に入れて大丈夫?
ドブみたいな色と匂いだけど?
霧雨 魔理沙:
大丈夫大丈夫!
あのキノコを食べたなら、これもいけるだろ!
フランドール・スカーレット:
うう……しょうがない……。
いただきまー……す。
フランドール・スカーレット:
わっ、この味……。
あれ? 意外と美味しい?
霧雨 魔理沙:
だろ! 色々工夫してみたんだ。
どうだ? 能力は戻ったか?
フランドール・スカーレット:
うーん、
変わったような気はしないけど……?
霧雨 魔理沙:
あれ~? おかしいな、これでいいはずだけど。
煮込みが甘かったのか?
霧雨 魔理沙:
……まあ、いいか。紅魔館まで送っていくよ。
薬の代金は、あのメイドに言えば……。
フランドール・スカーレット:
能力が戻ったかは、使ってみればわかるよね。
きゅっとして……ドカーン!
霧雨 魔理沙:
ごほっ……うわ、家の中がめちゃくちゃに!?
扉までぶっ壊れてるじゃないか!
フランドール・スカーレット:
バッチリね。ありがとう、なんでも屋さん。
紅魔館までも、よろしく!
霧雨 魔理沙:
ちょっと待てー! お前、このまま帰るのか?
せめて片付けくらいはしていけ!
フランドール・スカーレット:
あら? 私にそんなこと、できると思う?
わかったら、さっさと送ってちょうだい。
霧雨 魔理沙:
お前、なんでそんな偉そうなんだよ!
はぁ。マジメに取り合うだけ無駄かもな……。