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霧雨魔法店
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アリス・マーガトロイド:
あーもう、どうして私が
あんたの家を片付けなきゃいけないのよ。
霧雨 魔理沙:
必要なマジックアイテムがあるって来たのは
お前だろ? それも急ぎで。
アリス・マーガトロイド:
それとこれとは話が別よ!
大体、なんでこんなに散らかってるのよ。
霧雨 魔理沙:
吸血鬼の妹が来て、色々あったんだよ。
家が吹っ飛ばなかっただけ、運がよかったな。
霧雨 魔理沙:
それにしても、お前が来てくれて助かったぜ。
どうやって片付けようか悩んでいたんだ。
アリス・マーガトロイド:
ああそう……じゃあ、やるからには
徹底的にやるわよ!
アリス・マーガトロイド:
片付けで大事なのは、何がどのくらいあるのか
把握すること。……この薬は?
霧雨 魔理沙:
魔封じの薬だな! こないだの雨のときに、
収穫したキノコで作った分だ。
アリス・マーガトロイド:
へぇ、そんなのもあるのね。
この風見鶏は?
霧雨 魔理沙:
天気予報をしてくれるんだ。
絶対に外れるけどな。
アリス・マーガトロイド:
役に立つのか立たないのか、微妙なラインね。
……これは? ただの紐にしか見えないけど。
霧雨 魔理沙:
両端をそれぞれ別の瓶にくくりつけると、
中身を入れ替えてくれるんだ。不思議だろ?
アリス・マーガトロイド:
そのくらいなら、魔法を使う必要もないでしょ。
ガラクタばっかり、よくこれだけ集めたわね。
霧雨 魔理沙:
そう言うなって。こっちは、たしか……。
うわっ、本が噛みついてくる!? なんでだ!?
アリス・マーガトロイド:
マジックアイテム同士が干渉しあって
変質したのよ! ああ、もう……。
アリス・マーガトロイド:
そもそもこの家、収納が足りてないわ!
集めたものは、ちゃんとしまいなさい!
霧雨 魔理沙:
けど、何かをしまえるような収納なんて
この家にないぞ? 今から買いに行くか?
アリス・マーガトロイド:
あら、収納スペースって簡単に作れるのよ?
たとえば、このあたりの小物を こうして……。
霧雨 魔理沙:
おお、なんか棚っぽいものができてる……!
アリス・マーガトロイド:
はい、できた。力の弱いマジックアイテムは
この中に入れていって。
霧雨 魔理沙:
重い物は、入れない方がよさそうだな。
大きいやつはどうする?
アリス・マーガトロイド:
後から考えましょう。とりあえず
小物を分類して、スペースを作るわよ。
アリス・マーガトロイド:
方針が決まったからには、あとは一気に!
行くわよ、人形たち!
霧雨 魔理沙:
すごい! ほんとに家の中が片付いた!
さすがだな、アリス!
アリス・マーガトロイド:
まあ、私にかかればこんなものよ。
これなら商品もすぐ出てくるでしょ?
霧雨 魔理沙:
たしかに。泥棒に入られても、
何を取られたのかすぐわかるな!
アリス・マーガトロイド:
なんで盗まれることを前提にしてるのよ。
防犯用の罠くらい置いとけばいいじゃない。
霧雨 魔理沙:
あー、そりゃそうなんだけどさあ。
なんか面倒くさくって。
アリス・マーガトロイド:
そんなことだから、本に噛まれるのよ。
防犯も魔法でしてみたら?
アリス・マーガトロイド:
たとえば、侵入者を自動で感知する魔法とか
あるじゃない?
霧雨 魔理沙:
そうか! それと自由に大きさが変わる檻を
組み合わせれば、いろんな奴を捕まえられるな。
アリス・マーガトロイド:
そういうこと。 ……どうせなら、
捕まえた奴は別々の檻に入れたいわね。
霧雨 魔理沙:
じゃあ同期させるための導線がいるな……。
お、ちょうどよさそうなのがある。
アリス・マーガトロイド:
よし、これで完璧ね!
結局、1日かかっちゃったけど……。
アリス・マーガトロイド:
私はこれで帰るけど、集めるだけじゃなくて
ちゃんと整理整頓もするのよ。
霧雨 魔理沙:
おう! 今日はありがとな!
……あれ? あいつなんでウチに来たんだっけ?
霧雨 魔理沙:
あっ、そうだった! おーい、アリス!
お前、肝心のマジックアイテムを忘れてるぞ!