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人間の里
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上白沢 慧音:
里が復興してから、本当に色々なことがあった。
私も、色々やらかしたし……。
上白沢 慧音:
だが、これからはいつも通りだ!
さあみんな、歴史の授業を始めるぞ!
子供たち:
えーーーーっ。
上白沢 慧音:
な、なにっ? みんな、嬉しくないのか?
今日から、また寺子屋で毎日勉強できるんだぞ?
子供:
それは、うれしいけどぉ……。
慧音先生の授業、つまんないんだも~ん。
上白沢 慧音:
うっ……。そんなことはない。
久しぶりの授業は、それはもう最高に楽しい……
???:
ねえ、遊ぼう?
上白沢 慧音:
ん……?
お前は……、初めて見る顔だな。里の子か?
上白沢 慧音:
まあいい。ここは、知識を学ぶ場所。
遊べはしないが、興味があるのなら座って……
男の子:
もーらいっ。
上白沢 慧音:
……なっ? それは先生の歴史書だぞ?
いけません。すぐ返しなさい!
男の子:
じゃあ、せんせーが、最初のオニね。
みんな、逃げろーっ!
子供A:
なあに、オニごっこするの?
子供B:
やった! やるやるー!
つかまったら、いたーい頭突きだぞー!
上白沢 慧音:
お、おい、みんな行くな! 先生はやらないぞ!
って、行ってしまったか……。
上白沢 慧音:
……しかたない。今日は特別授業だ。
先生を怒らせるとどうなるか、教えてやろう。
上白沢 慧音:
こら! 止まりなさい、そこの子供ー!
上白沢 慧音:
他の子は、みんな捕まえたぞ。
さあ、本を返しなさい。その後は、お説教だ。
霧雨 魔理沙:
おっと悪い……って、慧音?
なんだよ、そんな怖い顔して……。
霧雨 魔理沙:
……な~るほど、遊んでるんだな?
なら、私も付き合うぜ!
霧雨 魔理沙:
さあ。ホウキと慧音、どっちが速いかな?
とばすぜー!
上白沢 慧音:
あっ、待て! ……ったく、
捕まえたら、アイツには弾幕地獄だ!
上白沢 慧音:
け、結局、一日中オニごっこしてしまった……。
おのれ、魔理沙め……!
子供:
きみ、すごかったねー! 今日は、
もうおうち帰る時間だけど、明日また遊ぼうね!
霧雨 魔理沙:
へえ~。じゃあ、私もまた来るかな。
楽しかったぜ、チビ助。慧音の説教は任せた!
上白沢 慧音:
はぁ……。そう構えるな、もう怒らないよ。
それより、もう日が暮れる。お前も家に帰れ。
男の子:
ぼくは……、おうちないから……。
上白沢 慧音:
……どういうことだ?
お前、やはり里の子じゃないのか?
男の子:
うん。あのね……、
男の子:
……だからぼく、帰れないんだ。
上白沢 慧音:
そうか……。
まあなんだ。寺子屋も、夜は空き部屋が多い。
上白沢 慧音:
今日のところは、ここに泊まったらいいさ。
待ってろ。いま布団を持ってきてやるから……。
博麗 霊夢:
その子を渡して、慧音。
上白沢 慧音:
博麗霊夢……? なんだ、藪から棒に。
博麗 霊夢:
もうわかってるんでしょ? その子は、人妖。
博麗の巫女として、その存在は見逃せないわ。
上白沢 慧音:
……本気なんだな?
博麗 霊夢:
そう……。私と戦うのね、慧音。