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命蓮寺
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寅丸 星:
過労、だそうですね。
安静にしていれば、心配ないとのことですが。
寅丸 星:
復興作業にイベント、最近は信徒の数も増え……。
いくら聖でも、疲れが溜まっていたのでしょうね。
村紗 水蜜:
まさか、聖が倒れるなんて。
もっと早くに気付くべきでした……。
寅丸 星:
あいにくと他の者は出払っています。
今日の寺仕事は、私たちだけでなんとかしますよ。
依神 女苑:
ちょっとちょっと!
アイツが倒れたって本当!?
寅丸 星:
わっ、皆さんお揃いで。聖のことですね。
ええ、疲れが溜まっていたみたいです。
多々良 小傘:
私がユメミタマに憑りつかれていたせいで、
迷惑かけちゃったもんね……。
依神 紫苑:
私も暴走しちゃったの、止めてもらったし……。
多々良 小傘:
ね、ねえ! 私たちにもできることないかな?
何かお寺のためになることをしたいなって。
依神 紫苑:
そう、三人で話してたの!
看病でも雑用でも、なんでも言って!
依神 女苑:
ま、まあ、いつも世話になってるし?
こんな時くらい手を貸してあげる。
村紗 水蜜:
皆さん……ありがとうございます!
目を覚ましたら、聖も喜んでくれるでしょう。
寅丸 星:
ええ!
さっそく、仕事を割り振りましょう!
村紗 水蜜:
皆さん、お疲れ様です。
作業は順調ですか?
多々良 小傘:
掃除は一通り終わったよ!
今はこっちの手伝いをしてたところ。
依神 紫苑:
うん。おかげで花壇の手入れも、
もうちょっとで終わりそう。
多々良 小傘:
女苑は買い出しに行ったよ。
その様子だと、法要も終わったんだね。
村紗 水蜜:
ええ。今、星が聖の様子を見に行っています。
花壇が終わったら、夕飯の支度を始めましょうか。
聖 白蓮:
う……いけない、すっかり寝てしまったわ。
今は何時かしら、今日はたくさんやることが……。
寅丸 星:
聖! 危ない、まだ立ってはいけません。
こちらで、お休みを。
聖 白蓮:
そうはいきません。
今日は法要もあったはず。急がねば……。
寅丸 星:
落ち着いて。もうすぐ夕暮れです。
法要は、私と船長で執り行いました。
寅丸 星:
お寺のことも、小傘さんや依神姉妹の
協力のおかげで、すべて問題ありません。
聖 白蓮:
なんと……。
ああ、皆さんに迷惑をかけてしまいましたね。
寅丸 星:
お気になさらず。夕飯は食べられそうですか?
支度が整ったら、起こしに来ますね。
聖 白蓮:
……ええ、ありがとう。
多々良 小傘:
精進料理なんて、はじめて作ったわ!
質素なわりに、意外と大変なのね。
聖 白蓮:
でも、どれも美味しくできています。
はじめてとは思えないくらい。
依神 女苑:
私が教えたんだから当然よ!
あの修業の日々も、無駄じゃなかったみたい。
聖 白蓮:
ふふ。みっちり鍛えたかいがありました。おや、
このおひたし、見慣れない食材を使ってますね。
依神 紫苑:
その野草、私が採ってきたの。
大丈夫、ちゃんと食べられるやつよ。
聖 白蓮:
うん、美味しいです。
紫苑さんは物知りですね。
村紗 水蜜:
聖、具合は大丈夫ですか?
無理はしないでくださいね。
聖 白蓮:
ええ、もう大丈夫です。ご心配おかけしました。
倒れてしまうとは、情けないですね。
村紗 水蜜:
我々では頼りないかもしれませんが、
次は倒れる前に、相談してくださいね。
聖 白蓮:
そう、ですね。今日の皆さんの活躍は、
聞いていて、とても頼もしいものでした。
聖 白蓮:
これからは、もっと頼りにさせていただきます。
本当に、ありがとう。
寅丸 星:
よかったよかった。
皆で助け合ってこそ、ですからね。
多々良 小傘:
ところで、こんな人数で食事するなんて、
なんだか宴会みたいね!
依神 女苑:
まあ、確かに。酒も肴もないけど……
こんな宴会も、悪くないわね。
依神 紫苑:
ほんと楽しいわ。ねえ、また食事会しましょう!
他の人たちも、きっと誘ったら来てくれるわ。
聖 白蓮:
ふふ。なんだかこれから、
更に賑やかになりそうですね。
寅丸 星:
ま、命蓮寺らしくていいんじゃないですか?
村紗 水蜜:
ええ、これからも楽しくなりそうです!
でも、病み上がりに無茶をしちゃダメですよ。
聖 白蓮:
大丈夫。皆さん、次は私が、腕によりをかけて
料理を振舞いましょう。お楽しみに!