-------------- マヨヒガ -------------- 上白沢 慧音： はぁ、はぁ……。くそっ、見失ったか。 上白沢 慧音： あのイタズラ泥棒猫め。 ようやく捕まえられると思ったのに。 マヨヒガの猫： にゃーん……。 上白沢 慧音： むっ、猫！　……なんだ、別のやつか。 そういえば、ここは……？ マヨヒガの猫： にゃー！ 上白沢 慧音： そうか、ここはマヨヒガか。 噂には聞いていたが、すごい猫の数だ。 マヨヒガの猫： ニャーニャー！　フシャ―！！ 上白沢 慧音： いつの間にか、猫が周りを囲んで……。 どうやら、私は歓迎されていないみたいだな。 上白沢 慧音： しょうがない。こうなったら……！ 橙： ふぅ～。今日の幻想郷さんぽ、終了～っと。 あれ？　なんだか人間の声が……。 上白沢 慧音： ……これは大事なことだから、 よく覚えておくんだぞ。それじゃ、次は……。 橙： ちょっ……、あんた何やってんの？ 上白沢 慧音： 何って、見ての通り授業だよ。 上白沢 慧音： 最近、店から魚を盗んだり、人を驚かしたりする イタズラ猫が増えているからな。教育が必要だ。 橙： そ、そんなの必要ないよー！　というか、 お前たち、なんでそんなにおとなしく座って…… マヨヒガの猫： みゃーん……。 橙： な、何よ、その力のない反応……。 上白沢 慧音： 皆、真面目に私の授業を受けているんだ。 お前も、いっしょに聞いていきなさい。 橙： ええ～？　まあ、みんなの様子も気になるし…… しょうがないなあ。 上白沢 慧音： だから人を驚かすと、 こわーい巫女が山から下りてきて……。 橙： ふぁ～。退屈だなあ。 なんだか眠たくなってきちゃった……、ん？ 泥棒猫： フシャ―！！ 上白沢 慧音： あっ！　お前は、あの時の泥棒猫！ やっぱり、ここにいたのか。 泥棒猫： ミャァア、ミャァア！！ 橙： うわー。あの猫、だいぶ警戒してるみたい。 今にも先生に飛びかかりそ……あれ？ 上白沢 慧音： ……どうやら、お前は自分のやったことを まったく反省していないと見える。 泥棒猫： ウゥー……！ 橙： え？　あの猫……ビビってる？ 上白沢 慧音： 魚を盗み、店を荒らし、逃げ回りながら 物を壊し回って、里を混乱に陥れた。 上白沢 慧音： 多くの者に迷惑をかけた。だがお前は、 それを、まるで反省していないようだな……！ 橙： な、なに。先生の、あの迫力……！ 上白沢 慧音： お前は、自身の罪を理解しなければならない。 反省するまで、みっちりお仕置きだ！ 泥棒猫： ミャーーーン！ 上白沢 慧音： もう逃がすものか！　観念しろ、この泥棒猫！ 橙： ……そっか。わかったよ。 猫たちが、なんでおとなしく座ってたか……。 橙： みんな、あの迫力に圧倒されて、 素直に従うしかなかったんだね……。 マヨヒガの猫： みゃん……。 橙： 迫力だけで相手を従わせるなんて……。 先生ってすごい。