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マヨヒガ
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上白沢 慧音:
橙、ちょっと聞きたいことがあるんだが……。
橙:
え、なに? そんな真剣な顔しちゃって。
上白沢 慧音:
実は今、里で化け猫が出ると騒ぎになっててな。
何人か人間が襲われて、怪我を負っている。
上白沢 慧音:
まさかとは思うが……、
その化け猫は、お前じゃないよな?
橙:
そんなことするわけないじゃん!
ていうか最近は、里に全然行ってないし。
上白沢 慧音:
そうか。となると、
あの化け猫は、いったいどこから……。
上白沢 慧音:
いや、疑ってすまなかった。それと、しばらく
里に来ない方がいい。化け猫は退治されるぞ。
橙:
わ、わかった。気をつけるよ。
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数日後
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八雲 藍:
橙、いる?
ちょっと聞きたいことがあるんだけど。
橙:
藍様! 聞きたいこと……って、
もしや、噂の化け猫についてですか?
八雲 藍:
なんだ、知っていたのね。
橙なら、何か心当たりがあると思って。
橙:
すみません、何も……。人から話を聞いただけで。
最近は、ずっとここに引きこもってますし。
橙:
でも、その様子だと、
まだ化け猫は捕まってないんですね。
八雲 藍:
そうなんだ。また被害者が出る前に、
一刻も早く止めないと……。
橙:
藍様、大変そう……。
お役に立てることがあれば、なんなりとどうぞ!
八雲 藍:
それじゃ、もうしばらくここから出ないでね。
里の人間たちは、化け猫におびえているから。
橙:
そう、ですかぁ……。
八雲 藍:
そう気を落とさないで。
ここのことは任せたよ。
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さらに数日後
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橙:
はぁ。あれから結構、経っちゃったけど、
藍様たち、うまく退治できたかなぁ。
上白沢 慧音:
その件についてなんだが……、
橙:
うわぁっ! びっくりした!!
な、なんだ、先生か。
上白沢 慧音:
すまない。化け猫のことだが、
ここしばらく、里に姿を見せなくなった。
橙:
え、ほんと?
それって退治できたってこと?
上白沢 慧音:
いや、退治はできてないはずだが、
かれこれ10日ほど、姿を現していないんだ。
上白沢 慧音:
とりあえず、里の警戒は解かれた。
もう、ここに閉じこもる必要はないぞ。
橙:
な~んだ、よかった。
やっとまた里に行けるんだね。
上白沢 慧音:
だが、化け猫はまだどこかに潜んでいるはずだ。
お前も気をつけてくれ。
橙:
大丈夫だよ。私はここのリーダーだからね!
もし化け猫に会っても、すぐ退治してみせるよ。
上白沢 慧音:
大丈夫か……?
まあ、用心だけは怠らないようにな。
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その夜
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橙:
うるさいなぁ。
こんな夜中に騒いでるのは、いったいどの猫?
橙:
……あれ!? 建物が壊されてる!
直したばっかりなのに、いったい誰が……。
橙:
え。ま、まさか……化け猫?
化け猫:
ヴワアアアオオオオオオオ!!!!!
橙:
ギャーーーー!! こ、こっちに来るー!!
い、今すぐ逃げないと……!
橙:
い、いやダメダメ。私は逃げない。
あいつを退治するって、昼間言ったばかりだし。
橙:
やれるもんなら、やってみろ!
このマヨヒガのリーダー、橙様が相手だ!
化け猫:
ウ、ウワォォォォォォォォォ!!!
橙:
え!? ば、化け猫が、消えた……。
ていうか、さっきの攻撃は……?
八雲 藍:
橙! 大丈夫?
橙:
藍様!
藤原 妹紅:
ふぅ。間に合ったみたいだな。
上白沢 慧音:
よかった。猫たちも、みんな無事のようです。
橙:
みんな! どうしてここに?
ていうか、あの化け猫は……?
八雲 藍:
私たちは、あの化け猫をずっと追ってたの。
順を追って話した方がよさそうだね。