-------------- マヨヒガ -------------- 上白沢 慧音: 橙、ちょっと聞きたいことがあるんだが……。 橙: え、なに? そんな真剣な顔しちゃって。 上白沢 慧音: 実は今、里で化け猫が出ると騒ぎになっててな。 何人か人間が襲われて、怪我を負っている。 上白沢 慧音: まさかとは思うが……、 その化け猫は、お前じゃないよな? 橙: そんなことするわけないじゃん!  ていうか最近は、里に全然行ってないし。 上白沢 慧音: そうか。となると、 あの化け猫は、いったいどこから……。 上白沢 慧音: いや、疑ってすまなかった。それと、しばらく 里に来ない方がいい。化け猫は退治されるぞ。 橙: わ、わかった。気をつけるよ。 -------------- 数日後 -------------- 八雲 藍: 橙、いる? ちょっと聞きたいことがあるんだけど。 橙: 藍様! 聞きたいこと……って、 もしや、噂の化け猫についてですか? 八雲 藍: なんだ、知っていたのね。 橙なら、何か心当たりがあると思って。 橙: すみません、何も……。人から話を聞いただけで。 最近は、ずっとここに引きこもってますし。 橙: でも、その様子だと、 まだ化け猫は捕まってないんですね。 八雲 藍: そうなんだ。また被害者が出る前に、 一刻も早く止めないと……。 橙: 藍様、大変そう……。 お役に立てることがあれば、なんなりとどうぞ! 八雲 藍: それじゃ、もうしばらくここから出ないでね。 里の人間たちは、化け猫におびえているから。 橙: そう、ですかぁ……。 八雲 藍: そう気を落とさないで。 ここのことは任せたよ。 -------------- さらに数日後 -------------- 橙: はぁ。あれから結構、経っちゃったけど、 藍様たち、うまく退治できたかなぁ。 上白沢 慧音: その件についてなんだが……、 橙: うわぁっ! びっくりした!! な、なんだ、先生か。 上白沢 慧音: すまない。化け猫のことだが、 ここしばらく、里に姿を見せなくなった。 橙: え、ほんと? それって退治できたってこと? 上白沢 慧音: いや、退治はできてないはずだが、 かれこれ10日ほど、姿を現していないんだ。 上白沢 慧音: とりあえず、里の警戒は解かれた。 もう、ここに閉じこもる必要はないぞ。 橙: な~んだ、よかった。 やっとまた里に行けるんだね。 上白沢 慧音: だが、化け猫はまだどこかに潜んでいるはずだ。 お前も気をつけてくれ。 橙: 大丈夫だよ。私はここのリーダーだからね! もし化け猫に会っても、すぐ退治してみせるよ。 上白沢 慧音: 大丈夫か……? まあ、用心だけは怠らないようにな。 -------------- その夜 -------------- 橙: うるさいなぁ。 こんな夜中に騒いでるのは、いったいどの猫? 橙: ……あれ!? 建物が壊されてる! 直したばっかりなのに、いったい誰が……。 橙: え。ま、まさか……化け猫? 化け猫: ヴワアアアオオオオオオオ!!!!! 橙: ギャーーーー!! こ、こっちに来るー!! い、今すぐ逃げないと……! 橙: い、いやダメダメ。私は逃げない。 あいつを退治するって、昼間言ったばかりだし。 橙: やれるもんなら、やってみろ! このマヨヒガのリーダー、橙様が相手だ! 化け猫: ウ、ウワォォォォォォォォォ!!! 橙: え!? ば、化け猫が、消えた……。 ていうか、さっきの攻撃は……? 八雲 藍: 橙! 大丈夫? 橙: 藍様! 藤原 妹紅: ふぅ。間に合ったみたいだな。 上白沢 慧音: よかった。猫たちも、みんな無事のようです。 橙: みんな! どうしてここに? ていうか、あの化け猫は……? 八雲 藍: 私たちは、あの化け猫をずっと追ってたの。 順を追って話した方がよさそうだね。