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大図書館
フランドール:
あーあ、ヒマだなぁ。
……お? いいところに、ヒマつぶし相手が!
魔理沙:
おお、フラン。ちょうど
お前に、聞きたいことがあったんだ。
フランドール:
それはよかったわ。私も退屈してたところなの。
それで、何を聞きたいの?
魔理沙:
分身魔法についてなんだ。お前も使ってたろ?
本が貸出禁止だから、ここで質問しとこうかと。
フランドール:
まあ、あなたには、どの本も貸出禁止でしょうね。
いいよ、今なら何でも答えてあげる。
魔理沙:
じゃあ聞くけどさ、作り出す分身ってのは、
本物と同じ意思とか記憶を持ってるのか?
フランドール:
そりゃあ、もちろん。分身は本物と同じ存在。
持ってなかったら、分身にならないよ。
魔理沙:
なるほど。じゃあ、本物と分身が
まったく同じなら、どうやって見分けるんだ?
フランドール:
それも簡単。分身には、分身の自覚を与えるの。
そうしないと皆本物と思って、収拾つかないよ。
魔理沙:
たしかにな。目が覚めたら目の前に自分がいて、
同じ名前を名乗られたりしたら混乱するもんな。
フランドール:
そうそう。そしたら、本物と分身で大戦争よ。
そうなったら、分身を壊して解決するんだけどね。
魔理沙:
なるほどなー……って、いや待てよ? その話が
本当なら、お前は自分を本物って言えるのか?
フランドール:
どういうこと?
魔理沙:
だって、本物と分身は全部同じなんだろ?
だったら、そこに差は存在しないわけだ。
魔理沙:
差がなかったら、誰にも違いの証明はできない。
今のお前が本物かは、誰にも分からない……。
フランドール:
たしかに、そう言われてみればそうかもね。
フランドール:
もしかしたら私は分身なのかもしれないけど、
今本物を名乗っている以上、本物は私なのよ。
魔理沙:
な、なるほど。そりゃあそうだなー。
フランドール:
あーあ、全然ヒマつぶしにもならない。
地下室で昼寝でもしようかしら?
魔理沙:
ぶ、分身魔法はやめといた方がいいな。
色々と気味が悪すぎる……。