ユキ 第9話
美の祝福を得るため試練に挑むユキと{player}は、突如魔物の姿に変えられてしまう。本物の魔物と区別がつかず苦戦するも、{player}の仕草を覚えていたユキのおかげで乗り越える。
-------------- situation:
美の祝福を求めて
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
昼下がりのランドソル、{player}は
ユキに飲食店へ呼び出された。だが──
voice: vo_adv_1008009_000
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
あぁ……な、なんてことだ……
まさか、まさか【chara 100811 face 5 (shy)】
スプーンに映った顔でさえ美しいなんて……
voice: vo_adv_1008009_001
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
ゆがみ、逆さまになってもこれほどの美しさ、
【chara 100811 face 2 (joy)】
これは世紀の大発見じゃない? 学会が黙ってないよね!
voice: vo_adv_1008009_002
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
あ、【chara 100811 face 1 (normal)】
ごめんごめん、少し静かにしててくれる?
【chara 100811 face 5 (shy)】
ボクは今、奇跡の瞬間に立ち会っているんだから……
voice: vo_adv_1008009_003
ユキ:
【chara 100811 face 5 (shy)】
そうだね、【chara 100811 face 2 (joy)】
あと5時間くらい待っててよ。
Choice: (1) 仕方ない……ユキ、これ見て。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1008009_004
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
んもう、なんだい……【chara 100811 face 6 (surprised)】
って、それ、鏡じゃないか!
voice: vo_adv_1008009_005
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
ん~、特異な状態のボクも美しいけど、
やっぱり普通の鏡に映るボクは至高の美しさだよね!
voice: vo_adv_1008009_006
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
そうだ、【chara 100811 face 1 (normal)】
スプーンと鏡、交互に見比べてみるのはどうかな?
【chara 100811 face 2 (joy)】
きっと万華鏡のような幻想的な美の世界が広がると──
Choice: (2) 鏡をしまう。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1008009_007
ユキ:
【chara 100811 face 4 (sad)】
ああっ! ボクがいなくなった! なんてひどいことするんだい……
Choice: (3) 今日はどうしたの?
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1008009_008
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
……そうだったね、【chara 100811 face 1 (normal)】
用事があってキミを呼んだんだった。
思わぬ発見に舞い上がってたみたいだ、【chara 100811 face 2 (joy)】
ごめんね。
voice: vo_adv_1008009_009
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
実はね、キミに一緒に行ってもらいたい場所があるんだ。
【chara 100811 face 6 (surprised)】
『美の聖域』って呼ばれる神殿なんだけど……
voice: vo_adv_1008009_010
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
キミ、アメス神は知ってるよね?
voice: vo_adv_1008009_011
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
彼女には美の女神としての側面があるらしくてさ、
【chara 100811 face 2 (joy)】
その神殿へ行けば美の祝福が与えられるんだって!
voice: vo_adv_1008009_012
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
すでに美の化身たるボクには必要ない、【chara 100811 face 1 (normal)】
って言いたそうだね?
【chara 100811 face 2 (joy)】
でもさ、今でも十分完璧なボクの美貌が神様並みに
パワーアップするなら、行く価値は十分あるよね!
voice: vo_adv_1008009_013
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
ただ一つ問題があって、その神殿はすっごく辺境の地にあるみたいでさ。
voice: vo_adv_1008009_014
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
そんなところにボクみたいな可憐な子を
一人で行かせるのは色々と心配でしょ?
voice: vo_adv_1008009_015
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
だからキミには護衛兼荷物持ちとして旅に同行してほしいんだ。
voice: vo_adv_1008009_016
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
もちろんタダでとは言わないよ。
さらに美しくなったボクを【chara 100811 face 2 (joy)】
最初に見る権利をキミにあげる♪
voice: vo_adv_1008009_017
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
ボクとの二人旅、そのうえ極上の報酬、断る理由がないよね?
【chara 100811 face 1 (normal)】
というわけで、出発は明日だからよろしくね♪
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
ユキに半ば強引に同行させられることになった{player}。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
ランドソルを出発してからもユキの数々の寄り道に付き合うこと数日、
ついに目的地である『美の聖域』の入り口へと辿り着いた。
voice: vo_adv_1008009_018
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
へえ、ここが『美の聖域』かぁ。
【chara 100811 face 1 (normal)】
大層な名前ついてるだけあって、なかなかいい雰囲気だね。
voice: vo_adv_1008009_019
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
これは祝福ってのも期待できそうだね!
【chara 100811 face 1 (normal)】
それじゃあさっそく行くとしようか──
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1008009_020
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
……え? 【chara 100811 face 4 (sad)】
ええええー! 何これ、何が起こったの!?
さっきまでの神聖な雰囲気はどこ?
見るからに不気味な感じだよ……
voice: vo_adv_1008009_021
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
こんなところが本当に『美の聖域』なのかな……?
ねえ{player}さん……
Choice: (4) ユ、ユキが魔物になった!?
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1008009_022
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
はい? 何おかしなことを言って──
voice: vo_adv_1008009_023
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
【chara 100811 face 4 (sad)】
うわああ! 魔物……【chara 100811 face 6 (surprised)】
って、もしかして{player}さん?
voice: vo_adv_1008009_024
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ということは……あ、ああ……ボクも魔物になってるー!
voice: vo_adv_1008009_025
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ど、どういうこと……なんでこんなことになってるの?
たぶん魔物になってもボクはかわいいだろうけど、
それにしたってあんまりだよ!
Choice: (5) もしかして、試練か何かなのかも……
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1008009_026
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
な、なるほど、たしかに女神の祝福を得るというなら
試練の一つや二つあってもおかしくはないかもね。
voice: vo_adv_1008009_027
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
でも試練だとしてもやっぱり魔物はあんまりだよね。
ボク、ちょっとアメス神に物申したくなってきた。
voice: vo_adv_1008009_028
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
とりあえず出口探そうか。入り口も消えちゃったし、
元に戻る方法も見つけなきゃね。
voice: vo_adv_1008009_029
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
はぁ……どこまで行っても同じ風景、もうイヤだー!
魔物にされてこんな不気味なところに
ほっぽらかしなんてひどすぎる!
voice: vo_adv_1008009_030
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ねえ、ちょっと休憩しよう? むやみに動き回っても疲れるだけだし。
疲労はお肌に悪いんだよね……
voice: vo_adv_1008009_031
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
といっても魔物の姿じゃお肌も何もあったものじゃ……あれ?
voice: vo_adv_1008009_032
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
なんだかこの赤い目……ルビーのようにキレイじゃない?
それにこの角は黄金比のカーブを描いているし、
指の形からもそこはかとない色気を感じるよ。
voice: vo_adv_1008009_033
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
この美味しそうな桃色の体だってすごくなめらかな肌質で、
ずっと触っていられそうだ!
voice: vo_adv_1008009_034
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
考えてみればスプーンに映った顔でさえ美しかったんだもの、
魔物になっちゃってもこんなに素敵なのは当然だよね!!
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_035
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
うわあ! 本物の魔物が出た!
もう、あっち行ってよ!
Choice: (6) 待って、僕だよ! 魔物はあっち!
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1008009_036
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
あ、ごめんね。間違えちゃった……
voice: vo_adv_1008009_037
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ふぅ……やっと追っ払えたよ……
さっきは間違えてごめんね。
voice: vo_adv_1008009_038
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
でもまずは言い訳させてよ。最高にかわいいボクと魔物の違いは
一目瞭然だろうけど、そこそこかわいいキミとじゃ、
違いなんてわからないんだからさ。
Choice: (7) それなら魔物が出たら声をかけ合おう。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1008009_039
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
なるほど、いいアイデアだね。それでいこう。
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_040
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
あ、言ったそばから魔物が。
さっそくボクに呼びかけてみてよ!
Choice: (8) おーい……
----- Tag 8 -----
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_041
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ダメだ、魔物の咆哮が大きすぎて全然聞こえないや。
別の方法考えよう。
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_042
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
また出た! そうだね……今度はなにかポーズでも決めてよ。
Choice: (9) ポーズを決める。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1008009_043
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
うんうん、これならわかりやすいよ。
それじゃあ本物の魔物の方を倒して──
魔物たち:
【chara 1611 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_044
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
わー! いきなり大群で来ないでよ!
こんなにたくさんいたらもうわかんないよー!
voice: vo_adv_1008009_045
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
はぁ、はぁ……なんとか逃げ切れた……
voice: vo_adv_1008009_046
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
こうなったら大声出しながら、バシバシポーズを決めてよ。
そこまですればさすがにわかるはずだから。
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_047
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
よし、今度は一体だけみたいだよ。
これなら大丈夫そうだね。さっそくやってみよう!
Choice: (10) おーい! ユキー!
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1008009_048
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
オーイ! ユキー!
voice: vo_adv_1008009_049
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ウソでしょ! ものまねするなんて……もうヤダー!
voice: vo_adv_1008009_050
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
はぁ……こっちが色々工夫しても、
魔物がそれをことごとく潰しにきちゃう。
どうすればいいんだろう……
voice: vo_adv_1008009_051
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
キミも前向きなのはいいけど、
具体的な対策の一つでも出してよ。
Choice: (11) 僕、何も言ってないけど……
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1008009_052
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
あれ、そうだよね。なんでキミの感情がわかったんだろう……あっ。
そうか、そういうことなんだね!
voice: vo_adv_1008009_053
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
よろこびなよ{player}さん!
見つけたんだ、キミと魔物の決定的な見分け方をね!
voice: vo_adv_1008009_054
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
これでもう大丈夫。さあ、反撃といこうか!
魔物たち:
【chara 1611 face 1 (normal)】
──グオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_055
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
おっと、言ったそばからまたたくさん出てきたね。でも!
魔物たち:
【chara 1611 face 1 (normal)】
──ギャオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_056
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ふふ、何体来たって同じ、ボクには通用しないよ。
voice: vo_adv_1008009_057
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
オーイ! ユキー!
voice: vo_adv_1008009_058
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
残念だけど……バレバレだよ!
魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】
──ギャオオオオオッ!
voice: vo_adv_1008009_059
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
やったね♪ ボクを惑わせようなんてそうはいかないよ。
Choice: (12) どうして僕を見分けられたの?
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1008009_060
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
ふふん♪ そんなの、ボクの美しい心の目で見たら楽勝だったよ。
voice: vo_adv_1008009_061
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
気付いてるかい? キミは苦しい状況下でも、
常に顔をしっかり上げて前を見てる。
それは魔物になっても同じだったんだ。
voice: vo_adv_1008009_062
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
そもそもキミは全体的にぽわぽわした雰囲気とか、
笑う時の目じりの下がり方とか、子犬みたいに首を傾げる仕草とか……
結構わかりやすい動きをしてるんだ。
voice: vo_adv_1008009_063
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
姿が変わったところで、そういう細かい仕草までは変わらないもの。
voice: vo_adv_1008009_064
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
それこそが魔物との大きな違い。
付け焼刃のものまねじゃそこまで再現できないからね。
voice: vo_adv_1008009_065
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
あとはよーく見るだけ。ね、簡単でしょ♪
voice: vo_adv_1008009_066
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
……え、何? なんだかうれしそうだけど、
何か楽しいことでもあったの?
Choice: (13) ユキの目に僕がちゃんと映ってたからね。
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1008009_067
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
当然じゃない。
voice: vo_adv_1008009_068
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
誰よりも一緒にいるし、キミの存在はボク以外で
一番この目に映っているんだから。
voice: vo_adv_1008009_069
ユキ:
【chara 1615 face 1 (normal)】
あらためて心の底から光栄に思ってほしいよね。
voice: vo_adv_1008009_070
ユキ:
【chara 100811 face 4 (sad)】
わぁ! もう、今度はいったいなんなの……【chara 100811 face 6 (surprised)】
あれ?
戻ってる……【chara 100811 face 1 (normal)】
ボクたち人間の姿に戻ってるよ!
voice: vo_adv_1008009_071
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
よかった……ずっと魔物のままじゃないかって
内心気が気じゃなかったんだよ……
voice: vo_adv_1008009_072
ユキ:
【chara 100811 face 6 (surprised)】
あれ……なんか向こうに出口みたいなの見えない?
空中には文字も浮かんでる……「試練合格」?
voice: vo_adv_1008009_073
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
わー! 合格だって! やったね!
【chara 100811 face 6 (surprised)】
……でも、ボクは結局、何を試されてたわけ?
voice: vo_adv_1008009_074
ユキ:
【chara 100811 face 1 (normal)】
まあ、考えても仕方ないか。【chara 100811 face 2 (joy)】
合格ならなんでもいいよね!
【chara 100811 face 1 (normal)】
それじゃ次へ進む前に──
voice: vo_adv_1008009_075
ユキ:
【chara 100811 face 2 (joy)】
もう少し元に戻ったこの姿を堪能させて!
【chara 100811 face 5 (shy)】
ああ、かわいいボク、美しいボク、キミに会いたかったよ!
voice: vo_adv_1008009_076
ユキ:
【chara 100811 face 5 (shy)】
魔物の姿も魅力的だったけど、やっぱりこの姿が一番だよね!
【chara 100811 face 2 (joy)】
ふふ、ふふふふ♪
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
これはもうしばらくここにいることになるだろうな……
と、ユキの視界から追い出され、
遠い目をする{player}だった。