カスミ 第7話
{player}と会話を重ねるようになって、キーリには明らかに自我が芽生え始めていた。カスミはキーリの姿に、己の本質的な弱さを見る。徐々に二人は、心を寄せ合うようになってゆく。
-------------- situation:
鏡写しのふたり
--------------
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
調子はどうかね、助手くん。
voice: vo_adv_1014007_001
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
すまないね。
頻繁にキーリのお世話を任せてしまって……
voice: vo_adv_1014007_002
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
『シャドウ』の捕獲に成功したのは我々が初めてで、
様々な研究所や魔術師が興味を抱いているし。
voice: vo_adv_1014007_003
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
王宮に報告する書類の作成や、
うるさがたへの対応で大わらわだ。
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カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
腹の探りあい、
化かしあいの連続で疲れるのだよ。
あぁ、ぐったりした。
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キーリ:
【chara 101421 face 7 (special_a)】
『名探偵さん!』
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カスミ:
【chara 101411 face 6 (surprised)】
わわっ……
【chara 101411 face 3 (anger)】
こぉら、抱きついてきたら困るよ。
voice: vo_adv_1014007_007
カスミ:
【chara 101411 face 3 (anger)】
君と私は、ほぼ同じ質量を有している。
つまり体重も同じだ。
勢いよく突っこんでこられたら、【chara 101411 face 4 (sad)】
踏ん張りきれない。
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キーリ:
【chara 101421 face 1 (normal)】
『難しい問題ですね?』
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
そうだね。
……【chara 101411 face 3 (anger)】
うむ、やっぱり会話が成立している気がする。
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
君の手柄だよ、助手くん。
君と接触してから、
キーリの様子が明確に変化した。
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
明らかに自我、
自発性のようなものが芽生え始めている。
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カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
興味深いが、理屈が分からない。
推理はしているけれど、
正解かどうかは不明だ。
voice: vo_adv_1014007_013
カスミ:
【chara 101411 face 3 (anger)】
『シャドウ』については研究が進んでいなさすぎて、
すべてが手探りだしね。
voice: vo_adv_1014007_014
キーリ:
【chara 101421 face 1 (normal)】
『難事件ですね?』
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
そうだね。
……【chara 101411 face 4 (sad)】
う~む、
自分と同じ顔と声で話しかけられるのには慣れないな。
voice: vo_adv_1014007_016
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
まったくの没交渉でも困るけれど、
自分自身と相対しているような居心地の悪さがある。
voice: vo_adv_1014007_017
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
己に自信がないものにとって、
鏡を見つめつづける行為は苦痛でしかない。
Choice: (1) いつも自信満々に見える。
Choice: (2) キーリのことが嫌い?
----- Tag 1 -----
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カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
そう装っているだけさ。
【chara 101411 face 4 (sad)】
いつでも不安だし、
戸惑いや劣等感のために揺れ動いている。
voice: vo_adv_1014007_019
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
私もまだ思春期の、
十代の少女だからね。
voice: vo_adv_1014007_020
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
ソロで活動していたころから、
周囲に侮られないように突っ張っていた。
voice: vo_adv_1014007_021
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
『名探偵』という虚飾で、
弱く傷つきやすい己を庇護しながら。
voice: vo_adv_1014007_022
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
けれど彼女は、キーリは……
そんな虚飾の奥に隠された、
私自身そのものの言動をするからね。
voice: vo_adv_1014007_023
カスミ:
【chara 101411 face 5 (shy)】
何だか自分のコンプレックスを、
赤裸々に暴かれている気分になる。
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----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1014007_024
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
好きとか嫌いとかの話ではないよ、
助手くん。
voice: vo_adv_1014007_025
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
というか。
好きか嫌いかでいうと、明確に好きだね。
誰だって、己自身を愛する。
voice: vo_adv_1014007_026
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
我々は自分に似ているもの、
共通点のおおいものに親しみを抱く。
それは人間の本能で、必要な機能だ。
voice: vo_adv_1014007_027
カスミ:
【chara 101411 face 5 (shy)】
自分を好きでいなければ、
呼吸をすることもできないよ。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1014007_028
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
ともあれ。
キーリはだいたいの部分で、
私自身と一致している。
voice: vo_adv_1014007_029
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
彼女は、私だ。
【chara 101411 face 3 (anger)】
けれど心の中に構築した、
己自身というものは美化されている。
voice: vo_adv_1014007_030
カスミ:
【chara 101411 face 3 (anger)】
自己肯定感というスタイリストによって飾られ、
粧われた虚像だ。
voice: vo_adv_1014007_031
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
けれど。
キーリは、私の外に構築された『私自身』だ。
voice: vo_adv_1014007_032
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
録音された己の声に違和感をおぼえるように、
【chara 101411 face 4 (sad)】
見ているだけで些細な差異が気になって堪らなくなる。
voice: vo_adv_1014007_033
カスミ:
【chara 101411 face 4 (sad)】
あぁ、私はこんなにも……
か弱くみじめな、女の子なのか。
voice: vo_adv_1014007_034
キーリ:
【chara 101421 face 1 (normal)】
『名探偵さん?』
voice: vo_adv_1014007_035
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
何で私をそう呼ぶのかね……
【chara 101411 face 4 (sad)】
ん~、この場にいるだけで頭がどうにかなりそうだ。
voice: vo_adv_1014007_036
カスミ:
【chara 101411 face 3 (anger)】
けれど誰にも、
自分自身を捨て去ることはできない。
voice: vo_adv_1014007_037
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
ちゃんとお世話して、
守ってあげるからね……キーリ。
voice: vo_adv_1014007_038
キーリ:
【chara 101421 face 7 (special_a)】
『ありがとうございます♪』
voice: vo_adv_1014007_039
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
うん。
……ちょっと優しくされて、
肯定されると簡単に懐くね。
voice: vo_adv_1014007_040
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
それもまた、私と同じだ。
voice: vo_adv_1014007_041
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
ん?
何だい助手くん、
言いたいことがありそうな素振りだね?
voice: vo_adv_1014007_042
カスミ:
【chara 101411 face 5 (shy)】
ふふ。
【chara 101411 face 1 (normal)】
キーリと私は、言動は似ていないって?
まぁ、私はキャラをつくってるからね……
voice: vo_adv_1014007_043
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
幼いころから憧れている、
理想の『名探偵』として振る舞っているんだ。
voice: vo_adv_1014007_044
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
もちろん、それもまた私だ。
キーリのような、儚く弱々しい私も私だ。
どちらも私で、切り捨てることはできない。
voice: vo_adv_1014007_045
カスミ:
【chara 101411 face 5 (shy)】
ふふ。
【chara 101411 face 1 (normal)】
何だか、哲学的な話になってきたね。
voice: vo_adv_1014007_046
キーリ:
【chara 101421 face 1 (normal)】
『私は……』
voice: vo_adv_1014007_047
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
ん?
何だい、キーリ?
voice: vo_adv_1014007_048
キーリ:
【chara 101421 face 7 (special_a)】
『私は、名探偵になれますか?』
voice: vo_adv_1014007_049
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
なれるとも。
迷い、戸惑う人々に救いの光を与える、
知的で格好良い『名探偵』になれる。
voice: vo_adv_1014007_050
カスミ:
【chara 101411 face 1 (normal)】
幼いころから憧れていた、
物語の主人公のような……尊い存在にね。
voice: vo_adv_1014007_051
カスミ:
【chara 101411 face 2 (joy)】
この私が証拠だ。
【chara 101411 face 1 (normal)】
納得がいかないなら、
いくらでも証明のために弁舌を振るおう。