クルミ 第9話
クルミはとある劇団で舞台の主役を演じることになり、一人で稽古に励んでいた。人前で緊張してしまうことを悩む彼女だったが、{player}に勇気づけられ、見事に舞台を成功させるのだった。
-------------- situation:
小さな勇気、小さな一歩
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
自信に満ちた少女の声を追って、
サレンディア救護院の庭へやってきた{player}。
そこには脚本を片手に、演技をしているクルミの姿があった。
voice: vo_adv_1021009_000
クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】
『まずは小さな勇気……小さな一歩から。
そうやってこの旅が始まって、ようやくここまでたどり着いたの……
【chara 102111 face 2 (joy)】
わたしはまた一歩踏み出すわ。あの魔法のベルに、手が届くように!』
Choice: (1) こんにちは。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1021009_001
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】
ひゃぅ!? お兄ちゃん急に声かけちゃ駄目ぇ……!
こ、今度こそ口から心臓が飛び出るかと思ったよぅ……!
voice: vo_adv_1021009_002
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
……え? どうして庭の隅っこで練習してるのか……?
【chara 102111 face 1 (normal)】
そ、それは……
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1021009_003
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
『自信なんてこれっぽっちもない……
でも、あなたが信じてくれるわたしを信じて、ここに足跡を刻むの!』
voice: vo_adv_1021009_004
子供1:
【chara 5411 face 3 (anger)】
じー……
voice: vo_adv_1021009_005
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
あぅぅ……すごいこっちを見てる子がいる……!
【chara 102111 face 4 (sad)】
駄目、集中できないよぅ……!
voice: vo_adv_1021009_006
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】
『だ、だから見ていて……わ、わたしの旅路を……』
voice: vo_adv_1021009_007
子供1:
【chara 5411 face 4 (sad)】
びみょうかも……
voice: vo_adv_1021009_008
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】
はうっ!?
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1021009_009
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】
見られてるって分かっちゃうと、やっぱりまだ緊張しちゃって……
【chara 102111 face 1 (normal)】
今度は失敗しないように、練習してたんですぅ……
Choice: (2) お芝居、上手にできてたよ。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1021009_010
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
え、えへへ……
お兄ちゃんにそう言ってもらえるの、うれしいです♪
voice: vo_adv_1021009_011
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
実は今度【サレンディア救護院】のギルド活動として、
プロの劇団でお芝居をやることになって……
voice: vo_adv_1021009_012
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
ランドソルで一番有名な舞台『魔法少女ベルルちゃん』の主人公……
ベルルちゃん役を私がやるんです……!
voice: vo_adv_1021009_013
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
勇気のない女の子が、
魔法使いから魔法のベルをもらって、魔法少女に変身!
【chara 102111 face 6 (surprised)】
最後は仲間たちと一緒に魔王を倒して、王国を救う話なんですけど……
voice: vo_adv_1021009_014
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
私もすぐウジウジしちゃうから、ベルルちゃんの気持ちが分かるし、
【chara 102111 face 2 (joy)】
頑張れば、ベルルちゃんみたいになれるのかなって……
voice: vo_adv_1021009_015
クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】
だから……『まずは小さな勇気……小さな一歩から』
劇を成功させるために、頑張りたいんです……!
voice: vo_adv_1021009_016
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
お、お兄ちゃん、急に手をパチパチさせないでください……!
【chara 102111 face 4 (sad)】
またビックリしちゃいますよぅ……!
voice: vo_adv_1021009_017
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
……え?
同じ劇団で裏方のバイトをすることになった?
ほ、本当ですか……!?
voice: vo_adv_1021009_018
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
お兄ちゃんと一緒に舞台のお仕事……えへへ、うれしいです♪
それなら私のお稽古に付き合ってください……!
あとあと、お稽古場まで毎日一緒に行きましょうね……!
voice: vo_adv_1021009_019
劇団員1:
【chara 811 face 6 (surprised)】
『くっ……誰だっ!?
魔王様に歯向かおうとする愚か者はっ!!』
voice: vo_adv_1021009_020
クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】
『魔王に伝えなさい!! この希望の鐘の音を!!
そしてこの王国は、みんなの笑顔は、魔法少女ベルルが取り戻すと!』
voice: vo_adv_1021009_021
劇団員2:
【chara 411 face 1 (normal)】
……はい! ここでストップ! 休憩を入れましょう!
【chara 411 face 2 (joy)】
クルミちゃんのベルル、本当に良かったわよ~!
さすが団長が一目ぼれした未来の名女優!
voice: vo_adv_1021009_022
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
えへへ……昨日お兄ちゃんと練習してたんですぅ……
ですよね、お兄ちゃん♪
voice: vo_adv_1021009_023
劇団員2:
【chara 411 face 1 (normal)】
兄妹みたいに仲がいいな~って思ってたけど……【chara 411 face 2 (joy)】
ふふ~ん♪
凛々しい魔法少女もいいけど、恋する乙女もかわいいわねぇ~
voice: vo_adv_1021009_024
クルミ:
【chara 102111 face 5 (shy)】
あうっ……!?
voice: vo_adv_1021009_025
劇団員1:
【chara 811 face 2 (joy)】
ははっ! 顔が真っ赤だぜ、クルミちゃん!
こんなかわいい子に慕われる兄ちゃんがうらやましいよ!
【chara 811 face 1 (normal)】
はぁ……俺も早く有名になって、チヤホヤされてみたいねぇ……
voice: vo_adv_1021009_026
劇団員2:
【chara 411 face 6 (surprised)】
少なくともあんたより先に、
いつも解散危機にあるうちの劇団が有名にならないとね!
【chara 411 face 1 (normal)】
さぁ、本番に向けて練習再開よ!!
voice: vo_adv_1021009_027
団長:
【chara 4911 face 6 (surprised)】
みんな、練習中すまない!
……大事な話があるんだ。
voice: vo_adv_1021009_028
団長:
【chara 4911 face 4 (sad)】
申し訳ない!!
……当劇団は、次の公演をもって解散することになった。
voice: vo_adv_1021009_029
団員たち:
【chara 1 face 1 (normal)】
えぇええ!?
voice: vo_adv_1021009_030
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】
そ、そんなぁ……!
団長さん、どうしてなんですかぁ……?
voice: vo_adv_1021009_031
団長:
【chara 4911 face 4 (sad)】
うちは弱小の劇団でね。借金しながらギリギリで運営してたんだけど……
ついに融資を断られちゃったんだよ……
voice: vo_adv_1021009_032
団長:
【chara 4911 face 4 (sad)】
お金ももう前借りできないし、畳むしかなくて……
せっかくクルミちゃんも来てくれたのに、本当にすまない……
voice: vo_adv_1021009_033
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
その……私ももちろんショックですけど、
みなさんの方がもっと……
voice: vo_adv_1021009_034
劇団員2:
【chara 411 face 4 (sad)】
ショックはショックだけど……覚悟してたことだから。
【chara 411 face 2 (joy)】
でも最後ならせめて、満席の舞台で思いっきり演技したいわ!
【chara 411 face 1 (normal)】
ねぇ、これから街へ出て、公演の宣伝をするなんてどう?
Choice: (3) 手伝います。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1021009_035
劇団員2:
【chara 411 face 2 (joy)】
さすが、クルミちゃんのお兄ちゃん!
最愛の妹のために、一肌脱ぐってわけね!
voice: vo_adv_1021009_036
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
あ、あの! わ、私もお手伝いしますぅ……!
voice: vo_adv_1021009_037
劇団員2:
【chara 411 face 2 (joy)】
ありがとう! それじゃ全員、街へ出るわよ!
【chara 411 face 1 (normal)】
クルミちゃんは……そうね、お兄ちゃんと一緒の方が安心よね?
一緒に宣伝、お願いね!
voice: vo_adv_1021009_038
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
ま、魔法少女ベルルちゃんのお芝居やりますぅ……!
チラシ、もらってください……!!
voice: vo_adv_1021009_039
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
…………はぁ。
チラシ、もらってくれませんねぇ……
【chara 102111 face 6 (surprised)】
どうやったら興味を持ってもらえるのかなぁ……?
voice: vo_adv_1021009_040
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
……え? みんなが見たくなるようにしよう?
【chara 102111 face 2 (joy)】
すごぉい……! そんなことできるんですかぁ……!
voice: vo_adv_1021009_041
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
お、お兄ちゃん?
どうして私を見つめてるんですかぁ……!?
【chara 102111 face 1 (normal)】
い、嫌じゃないですけどぉ……!
voice: vo_adv_1021009_042
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
即興劇をしよう? 【chara 102111 face 1 (normal)】
だ、駄目ですよぅ……!
舞台の上じゃないのに、そんなことできません……!
【chara 102111 face 4 (sad)】
それにもしまたお芝居がうまくできなかったら……!
Choice: (4) ベルル、みんなの笑顔を取り戻して!
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1021009_043
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
それって……魔法使いのセリフですよね……?
【chara 102111 face 1 (normal)】
ベルルちゃんは魔法使いにそう言われて、魔法のベルを託されて……
それから、頑張ろうって決めたんです……
voice: vo_adv_1021009_044
クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】
そうですよね……
今こそベルルちゃんが言ってた『小さな一歩』なんですよね……!
【chara 102111 face 1 (normal)】
うまくできるか分からないけど、私、やってみますぅ……!
voice: vo_adv_1021009_045
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
『みんなお待たせっ、
わたしは魔法少女ベルルちゃん……☆』
voice: vo_adv_1021009_046
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
『みんな聞いて……この王国に、魔王の手が忍び寄っているの!
わたしが魔王を倒すには、みんなの希望の力が必要よ!』
voice: vo_adv_1021009_047
女性1:
【chara 1 face 1 (normal)】
ねぇ。見て……あれって、魔法少女ベルルちゃんの演技かな?
voice: vo_adv_1021009_048
女性2:
【chara 1 face 1 (normal)】
ほんとだ……!
ちょっと見ていこうよ!!
voice: vo_adv_1021009_049
子供2:
【chara 1 face 1 (normal)】
ママー! 本物のベルルちゃんがいるよ!!
もっと近くにいこーよ!!
voice: vo_adv_1021009_050
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
『魔王との最終決戦は明日! 劇場で待ってるからね☆』
voice: vo_adv_1021009_051
女性1:
【chara 1 face 1 (normal)】
へぇ~! 明日やるんだ。
……予定ないし、行こうかな。
すみませーん、そこのお兄さん! チラシください!
voice: vo_adv_1021009_052
子供2:
【chara 1 face 1 (normal)】
僕もベルルちゃんと一緒に、王国を守らなくっちゃ……!
ママ、明日劇場に行こう!!
voice: vo_adv_1021009_053
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
……はぅ。き、緊張しましたぁ……
今更足も震えてきたし……【chara 102111 face 4 (sad)】
うう、なんだか涙も出てきますぅ……!
voice: vo_adv_1021009_054
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
ひゃっ……!? 【chara 102111 face 4 (sad)】
急に頭撫でちゃ嫌ぁ……!
ほめられるのはうれしいけど……【chara 102111 face 5 (shy)】
心臓が飛び出ちゃいますよぅ……!
voice: vo_adv_1021009_055
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
それで、チラシはどうですか……?
【chara 102111 face 6 (surprised)】
……え? 全部なくなったんですかぁ!?
voice: vo_adv_1021009_056
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
よかったぁ……
明日、お客さんたくさん来てくれるといいなぁ……
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
翌日──
劇場には大勢の観客が来場し、拍手喝采で幕を閉じた。
voice: vo_adv_1021009_057
劇団員1:
【chara 811 face 2 (joy)】
おまえら見たかよ!? お客さん、すごかったな!!
【chara 811 face 1 (normal)】
実は満席だったんじゃないのか!?
voice: vo_adv_1021009_058
劇団員2:
【chara 411 face 2 (joy)】
昨日クルミちゃんたちがチラシ配り頑張ってくれたおかげね!
【chara 411 face 1 (normal)】
聞いたわよ? 繁華街のど真ん中にベルルちゃんが現れたって……
【chara 411 face 2 (joy)】
頑張ってくれてありがとう!
voice: vo_adv_1021009_059
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
えへ、えへへ……♪
私は大したことなんて何も……
voice: vo_adv_1021009_060
団長:
【chara 4911 face 1 (normal)】
おーい! クルミちゃーん!
なんか『どうしてもクルミちゃんに会わせてくれ』っていう子が……
【chara 4911 face 6 (surprised)】
うわぁ!?
voice: vo_adv_1021009_061
子供1:
【chara 5411 face 1 (normal)】
やっぱり!
この間、お芝居してた女の子だわ!!
voice: vo_adv_1021009_062
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
あ、あなたもしかして……この間の……
voice: vo_adv_1021009_063
子供1:
【chara 5411 face 6 (surprised)】
お兄さんの後ろに隠れてないで、出てきてよ!
ちょっとだけでいいの! お話させてもらえない? お願い!!
voice: vo_adv_1021009_064
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
お願い……? なにか伝えたいことでもあるのかなぁ?
【chara 102111 face 1 (normal)】
でもまた『びみょう』だなんて言われたら……
【chara 102111 face 4 (sad)】
やっぱり、怖いよぅ……!
Choice: (5) クルミの手を握る。
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1021009_065
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
ひゃぅっ!? 【chara 102111 face 4 (sad)】
また急に触ってひどいですぅ……!
【chara 102111 face 3 (anger)】
でも、分かってますよぉ……! ち、小さな一歩ですよねっ!!
voice: vo_adv_1021009_066
子供1:
【chara 5411 face 1 (normal)】
あのね! 私、貴方のファンになっちゃった!!
voice: vo_adv_1021009_067
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
そ、そうなんですねぇ……
【chara 102111 face 6 (surprised)】
…………へっ!? 私のファン!?
voice: vo_adv_1021009_068
子供1:
【chara 5411 face 2 (joy)】
私、ベルルちゃんが大好きで、これまでたくさん劇を見てきたの!
【chara 5411 face 1 (normal)】
あの日も、劇へ行く途中に貴方を見かけて……
【chara 5411 face 4 (sad)】
でもその時は正直、あんまり上手な演技とは思えなかった。でも……
voice: vo_adv_1021009_069
子供1:
【chara 5411 face 1 (normal)】
今日の舞台を見てびっくりした! 貴方のベルルちゃんは本物だった!
……いいえ、貴方こそベルルちゃんだった!
【chara 5411 face 2 (joy)】
元気をもらって、笑顔になったよ!
voice: vo_adv_1021009_070
子供1:
【chara 5411 face 1 (normal)】
だからありがとうって伝えたくて……【chara 5411 face 2 (joy)】
これからも舞台、がんばってね!
【chara 5411 face 1 (normal)】
それじゃ、お邪魔しました!!
voice: vo_adv_1021009_071
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
…………は、はぁああ……
Choice: (6) 良かったね。
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1021009_072
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】
はいっ、お兄ちゃんが私に勇気をくれたから……
だから私、これからもベルルちゃんみたいに、
一歩ずつ頑張ってみますぅ……!
voice: vo_adv_1021009_073
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】
でも私は臆病だから、今みたいに怖気づいちゃうかもしれない……
その時は、また……
voice: vo_adv_1021009_074
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
ひゃわっ!?
【chara 102111 face 1 (normal)】
だからお兄ちゃん……! 急に頭を撫でるのは駄目って何度も……
voice: vo_adv_1021009_075
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】
……で、でも最近慣れてきたというか……
【chara 102111 face 2 (joy)】
少しだけ……安心するような気が……?
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
クルミは{player}に頭を撫でられながら、
何故か落ち着いている自分に気づくのだった。