クルミ 第10話
舞台の再演が決まった矢先、クルミは劇団の出資者に主役を譲るよう頼まれる。彼女は身を引こうとするが、主役への想いを胸に一歩踏み出す。クルミの想いのこもった演技は、出資者たちの心を動かすのだった。


-------------- situation:
胸に抱えた本当の気持ち
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 魔法少女ベルルちゃんの公演が終わってから数日──
{player}とクルミは、
団長から呼ばれ、再び稽古場を訪れていた。

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団長:
【chara 4911 face 2 (joy)】 みんな、聞いて驚け!
なんと俺たちの劇団に、再演のオファーが来たんだ!
この間の公演を気に入ってくれたらしい!!

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 えっ……!
本当ですか……それじゃ、解散の話も……

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劇団員1:
【chara 811 face 1 (normal)】 解散までちょっと延びたってだけの話だよ。
【chara 811 face 2 (joy)】 でも、みんなとまた劇ができるってのはうれしいねぇ……!

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劇団員2:
【chara 411 face 4 (sad)】 あれで最後なんて、本当はちょっと寂しかったのよね。
【chara 411 face 1 (normal)】 それで団長。スポンサーになってくれた救世主さんは誰なの?

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団長:
【chara 4911 face 2 (joy)】 慈善活動を手広くやってる男爵様だよ。
チャリティー公演をしてほしいそうだ。
そこに支援者だけじゃなくて、孤児院の子供たちも招待されるらしい。

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 孤児院……私みたいな子がたくさん見に来るんだ……
【chara 102111 face 2 (joy)】 それなら、みんなが笑顔になってくれるように頑張りたいな……!

Choice: (1) 一緒に成功させよう。
----- Tag 1 -----
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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 う、うん……♪
私、またお稽古がんばりますぅ……!
お兄ちゃん、お芝居の練習に付き合ってくださいね……!

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団長:
【chara 4911 face 2 (joy)】 よしっ! それじゃ明日から活動再開だ!
【chara 4911 face 6 (surprised)】 ああ……それと集合場所はランドソル中央広場だからね!

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 翌日──

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 ふえっ……!?
【chara 102111 face 4 (sad)】 わ、私たち……こんな大きなところでお芝居やるんですか……!

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劇団員1:
【chara 811 face 2 (joy)】 まさに夢の舞台だねぇ……!

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劇団員2:
【chara 411 face 6 (surprised)】 今から緊張してきた……【chara 411 face 1 (normal)】 でもそれ以上にワクワクするわ!
【chara 411 face 2 (joy)】 クルミちゃん! 一緒に成功させましょうね!

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 は、はいっ……!

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クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 こ、こんな大きな舞台で主役なんて……私、できるのかな……? 

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クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】 ううん! 昨日だってお兄ちゃんと練習したし、
脚本も何度も読み返して、みなさんのセリフも覚えて……
【chara 102111 face 2 (joy)】 準備はできてるもん。あとは小さな一歩だよね……! 

voice: vo_adv_1021010_014
団長:
【chara 4911 face 2 (joy)】 よし! それじゃみんな、練習を開始……

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男爵:
【chara 2511 face 1 (normal)】 団長さん、そして団員のみなさん、おはようございます。

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団長:
【chara 4911 face 1 (normal)】 男爵様!
【chara 4911 face 2 (joy)】 この度は当劇団を選んでいただき、感謝しております!
【chara 4911 face 1 (normal)】 今日は稽古の見学ですか?

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男爵:
【chara 2511 face 2 (joy)】 こちらこそ、引き受けてくださって感謝しています。
【chara 2511 face 4 (sad)】 その……今日は見学ではなく……

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男爵:
【chara 2511 face 6 (surprised)】 実は、とある筋から無茶な『お願い』をされてしまいまして……
今日はご相談に……【chara 2511 face 4 (sad)】 いいえ、謝罪に伺った次第です。

voice: vo_adv_1021010_019
団長:
【chara 4911 face 6 (surprised)】 へっ? 謝罪と言うのは……?

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男爵:
【chara 2511 face 4 (sad)】 クルミさん……本当に、本当に申し訳ありません。
主役の座を、別の子役に譲っていただけないでしょうか?

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 …………え?

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みんな:
【chara 1 face 1 (normal)】 えぇええっ!?

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劇団員1:
【chara 811 face 3 (anger)】 団長、俺は反対だからな!
お偉いさんの顔を立てるために、主役を交代だって!?

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劇団員2:
【chara 411 face 3 (anger)】 そうよ!
彼女がこれまで、どれだけ努力してきたと思ってるの!!

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団長:
【chara 4911 face 6 (surprised)】 分かってる、分かってるよ……【chara 4911 face 4 (sad)】 俺だって同じ気持ちだ……
とにかくもう少し時間をくれ。角を立てずに断る方法を探すから。

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 あの、みなさん……ありがとうございます。
【chara 102111 face 6 (surprised)】 でも私の代役になる子は、
これまでたくさん舞台に上がってきたプロだって言ってましたよね……?

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団長:
【chara 4911 face 4 (sad)】 そ、それはまぁ……

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 それなら私、主役を降ります……

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団員たち:
【chara 1 face 1 (normal)】 えぇえっ!?

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 だって……断ったら、援助がなくなっちゃうかもしれない。
【chara 102111 face 4 (sad)】 そうしたら、劇団が解散になっちゃう……

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 また一緒にお芝居ができるねって喜んでたのに、
そんなことになってほしくないよぅ……

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クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 私が、一歩引けば……全部、うまくいく……
だから……

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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 私、みなさんとお芝居できれば、それだけでいいんです……
だから、他の役をもらえたらうれしいなぁって……

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劇団員1:
【chara 811 face 4 (sad)】 クルミちゃん……

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劇団員2:
【chara 411 face 6 (surprised)】 団長。
せめて、主役の次に活躍できるような役をクルミちゃんにあげてよね。

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団長:
【chara 4911 face 1 (normal)】 ……分かった。
全力で脚本を調整するよ!

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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 はい、ありがとうございます……!

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 ……え、ええと、お兄ちゃん……
そんな心配そうな顔しないで……?
【chara 102111 face 2 (joy)】 私は、大丈夫だから……

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 クルミの笑顔の演技を、
{player}は見守ることしかできなかった。
そして翌朝──

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少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 今日からお世話になります!
主役を演じさせていただきます!
【chara 211 face 2 (joy)】 どうぞよろしくおねがいいたします!!

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団長:
【chara 4911 face 6 (surprised)】 うおっ!? ずいぶん早い到着だね!?
予定は昼からだけど……

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少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 はいっ! ちょっと気合を入れようと思って!
あとみなさんにもご挨拶したかったし……

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団長:
【chara 4911 face 1 (normal)】 そ、そっか……真面目な子なんだね。
【chara 4911 face 2 (joy)】 それじゃ、みんなと練習しようか。

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少女:
【chara 211 face 2 (joy)】 はいっ!

voice: vo_adv_1021010_044
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 ……

voice: vo_adv_1021010_045
少女:
【chara 211 face 6 (surprised)】 あれ、私の他にも女の子がいる!?
【chara 211 face 1 (normal)】 こんにちは! あなたのお名前は!? なんの役で参加するの!?

voice: vo_adv_1021010_046
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 へっ……!?
【chara 102111 face 1 (normal)】 ク、クルミです……その、ベルルちゃんの友人役として出ます……!
【chara 102111 face 5 (shy)】 よ、よろしくおねがいします……!

voice: vo_adv_1021010_047
少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 こちらこそ! 【chara 211 face 2 (joy)】 いつも大人の人とばかりだからうれしい♪
【chara 211 face 1 (normal)】 敬語はなしじゃダメかな?

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 わ、分かりました……【chara 102111 face 1 (normal)】 じゃなくて、分かった、よぅ……?

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少女:
【chara 211 face 2 (joy)】 えへへ♪ ありがとう、クルミ!
【chara 211 face 1 (normal)】 それじゃ、舞台の上で会いましょう!!

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少女:
【chara 211 face 3 (anger)】 『まずは小さな勇気……小さな一歩から。
そうやってこの旅が始まって、ようやくここまでたどり着いたの……
【chara 211 face 1 (normal)】 わたしはまた一歩踏み出すわ。あの魔法のベルに、手が届くように!』

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 …………

Choice: (2) 大丈夫?
----- Tag 2 -----
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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 お兄ちゃん……! 【chara 102111 face 1 (normal)】 う、うん……!
【chara 102111 face 2 (joy)】 あの子、お芝居上手だから、目が離せなくなっちゃった……!

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 私、こんな大きな舞台で本番をやったら、
やっぱり緊張して、ガタガタ震えちゃうと思うの……
【chara 102111 face 6 (surprised)】 だから、主役を譲って良かったのかも、なんて……

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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 それじゃ私、次出番だから……
お兄ちゃんも裏方のお仕事頑張ってね……!

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劇団員1:
【chara 811 face 4 (sad)】 クルミちゃん、本当に一人でいいの?

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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 はい……っ! 今日の掃除当番は私なので……
それに、お兄ちゃんも用事がすんだら迎えにきてくれるし……
【chara 102111 face 6 (surprised)】 その、色々ありがとうございます……

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劇団員1:
【chara 811 face 1 (normal)】 これぐらいどってことないよ。
それじゃ、無理しないようにな。また明日!

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 はぅ……気を遣わせちゃってるよぅ……
でも、みんな分かってるんだよね……
私が『気にしてないフリ』をしてるって……

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クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 団長さんがくれた『ベルルちゃんの友人役』も好き。
【chara 102111 face 1 (normal)】 でもこの舞台の真ん中で、私が本当にやりたかった役は……! 

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クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】 『小さな勇気……小さな一歩から。そうやってたどり着いた先は闇の中。
魔法少女の力を奪われた今、これからどうすればいいの?
【chara 102111 face 6 (surprised)】 わたしには無理だって、諦めて道を引き返すしかないの?』

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 『……ううん。そんなこと、今までさんざんやってきた。
【chara 102111 face 3 (anger)】 諦めたくせに、もしあの時進んでいればって、後悔してきた』

voice: vo_adv_1021010_062
クルミ:
【chara 102111 face 3 (anger)】 『魔法のベルはもう鳴らない……でも、胸に手を当てれば聞こえるの。
わたしの希望の音色が……だからわたしは諦めない!
魔法少女じゃなくても……わたしは前へ進むわ!』

voice: vo_adv_1021010_063
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 ……そう、私が本当にやりたかったのは……! 

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 【chara 102111 face 4 (sad)】 ひゃうっ!?
拍手してくれたの、お兄ちゃんだったんですねぇ……!
【chara 102111 face 6 (surprised)】 び、びっくりしちゃいましたぁ……!

voice: vo_adv_1021010_065
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 も、戻ってきたのなら、声かけてくれれば良かったのに……
【chara 102111 face 6 (surprised)】 ええと……今のはお芝居の練習とかじゃなくて、
掃除中のおふざけというか……

voice: vo_adv_1021010_066
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 だから、あのね……
主役に未練があるとか、そういうわけじゃないんですよぅ……
【chara 102111 face 2 (joy)】 前言った通り、私はみなさんとお芝居できればそれだけで……

Choice: (3) 後悔しない?
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1021010_067
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 …………っ!

voice: vo_adv_1021010_068
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 うう……っ!
お兄ちゃん……っ!

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クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 みなさんとお芝居できれば、それだけでいいなんて……
そんなの嘘です……!
私、本当は主役をやりたかったよぅ……!

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クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 毎朝発声練習して……苦手な運動も頑張って……
遅くまで練習に付き合ってもらって……それは全部、
ここに立つため……! そのために、頑張ったんですよぅ……!

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クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 でも、もう駄目なんですぅ……!
勇気がなかったから……一歩踏み出せなかったから、
私はベルルちゃんになれないんです……!!

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 泣きじゃくるクルミを見守る{player}。
その舞台袖には、小さな人影があった。

voice: vo_adv_1021010_072
少女:
【chara 211 face 4 (sad)】 クルミがそんなふうに苦しんでたなんて気づかなかった……
私も、自分のことで必死だったから……

voice: vo_adv_1021010_073
少女:
【chara 211 face 6 (surprised)】 リハーサル中、主役の私よりも輝いてみえたクルミの演技……
あの子よりもっと練習しないとって引き返してきたけど、
【chara 211 face 3 (anger)】 でも私がやるべきことはきっと……

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 翌日──

voice: vo_adv_1021010_074
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 お兄ちゃんに『お昼までおうちで休んでて』って言われたけど、
本番までもうすぐだもん……目のはれも落ち着いたし……
【chara 102111 face 3 (anger)】 ベルルちゃんの友人役、ちょっとでも練習しておかないと……! 

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劇団員1:
【chara 811 face 4 (sad)】 あれ、クルミちゃん!? もう出てきて平気なのかい!?
【chara 811 face 1 (normal)】 クルミちゃんはお昼ごろに来るって聞いたからさ、
どこか具合が悪いんじゃないかってみんなで心配してたんだ……

voice: vo_adv_1021010_076
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 もう大丈夫です……!
【chara 102111 face 1 (normal)】 心配かけちゃって、本当にごめんなさい……!

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劇団員2:
【chara 411 face 1 (normal)】 心配するのは仲間として当然だもの。
【chara 411 face 2 (joy)】 でもちょうどいいところに来たわね!
すぐ舞台裏へ回って! こっそり、隠れながらよ!

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クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 えっ……? わ、わかりました……!

voice: vo_adv_1021010_079
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 舞台裏へ来たけど、もしかして言い合いをしてるの……?
【chara 102111 face 4 (sad)】 ふぇ……怖いよぅ……! 【chara 102111 face 6 (surprised)】 でもこの声って、もしかして……

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団長:
【chara 4911 face 1 (normal)】 ──というわけで、友人役の見せ場を増やしました。
【chara 4911 face 2 (joy)】 ダブルヒロインとまではいきませんが、十分な活躍ですよ!

voice: vo_adv_1021010_081
男爵:
【chara 2511 face 4 (sad)】 いや……しかしですねぇ……

voice: vo_adv_1021010_082
少女:
【chara 211 face 6 (surprised)】 問題なのはその『公爵様からのお願い』なんですよね?
【chara 211 face 1 (normal)】 なら、私が『友人役がいい』って言えば、大丈夫です!
クルミを主役に戻しましょう!

voice: vo_adv_1021010_083
男爵:
【chara 2511 face 4 (sad)】 う、う~ん……

Choice: (4) お願いします!!
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1021010_084
男爵:
【chara 2511 face 6 (surprised)】 ああっ、君までそんな……!
ど、土下座はやめてください……!
【chara 2511 face 4 (sad)】 僕が弱い者いじめをしてるみたいじゃないですか……!

voice: vo_adv_1021010_085
男爵:
【chara 2511 face 1 (normal)】 僕としても、とても良い案だと思ってるんですよ……
それは本当です。【chara 2511 face 4 (sad)】 ただ、あの方がなんと仰るか……

voice: vo_adv_1021010_086
少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 それは安心してください!
実際に見てもらった方が早いと思うので、本人を呼び出しました!
【chara 211 face 2 (joy)】 ……パパ!!

voice: vo_adv_1021010_087
公爵:
【chara 2512 face 1 (normal)】 …………

voice: vo_adv_1021010_088
男爵:
【chara 2511 face 6 (surprised)】 こ、公爵様!?
何故こちらに!?

voice: vo_adv_1021010_089
公爵:
【chara 2512 face 1 (normal)】 うちの娘が『ぜひ、見てほしいお芝居がある』と言うのでね。
次の予定があるんだ。手短に頼むよ。

voice: vo_adv_1021010_090
少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 今すぐ準備するわ!
……クルミ! もう隠れなくて大丈夫よ!

voice: vo_adv_1021010_091
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 うっひゃあ……!?
【chara 102111 face 4 (sad)】 ……き、気づいてたんですか……!?
【chara 102111 face 6 (surprised)】 それに準備って、一体……!

voice: vo_adv_1021010_092
少女:
【chara 211 face 1 (normal)】 決まってるでしょ?
クルミの『ベルルちゃん』を見せるのよ!

voice: vo_adv_1021010_093
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 で、でも……!

Choice: (5) 本当に、後悔しない?
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1021010_094
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 そうでした……
昨日の夜も同じこと聞かれて、後悔して泣いちゃって……
【chara 102111 face 3 (anger)】 だから私、今度こそ後悔しないように、頑張ってみますぅ……!

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 クルミが主役の舞台が始まった。
終始、気難しい顔をしていた公爵だったが、
舞台が終わると笑顔になり、クルミに大きな拍手を送るのだった。

voice: vo_adv_1021010_095
クルミ:
【chara 102111 face 4 (sad)】 うぅ……安心したとたん、腰を抜かしちゃうなんて……
お兄ちゃんも疲れてるのに、おんぶさせちゃってごめんなさい……

voice: vo_adv_1021010_096
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 でも、なんだか信じられない気持ちです……
私が本当にベルルちゃんを演じられるなんて……
【chara 102111 face 2 (joy)】 それも全部……みなさんが助けてくれたおかげなんですよね……

voice: vo_adv_1021010_097
クルミ:
【chara 102111 face 1 (normal)】 あの子から聞きました。
お兄ちゃんがいろんなところへ頭を下げにいってくれたんだって……
【chara 102111 face 2 (joy)】 『いいお兄さんだね。うらやましい!』って言われちゃいました……!

voice: vo_adv_1021010_098
クルミ:
【chara 102111 face 2 (joy)】 だから私も、自慢しちゃいました♪
【chara 102111 face 6 (surprised)】 そしたら『相思相愛だね!』ってからかわれちゃって……

Choice: (6) 大好きだよ。
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1021010_099
クルミ:
【chara 102111 face 5 (shy)】 ……っ!?

voice: vo_adv_1021010_100
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 お兄ちゃんに大好きって言われちゃったぁ……!
家族みたいな大好きだって分かってるけど……
【chara 102111 face 5 (shy)】 でも、胸がドキドキするし、顔も熱いし──

voice: vo_adv_1021010_101
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 うっひゃあ……!? お兄ちゃん、今は振り向かないでぇ……!
【chara 102111 face 4 (sad)】 無言になっちゃったのは、別になんでもないんですぅ……!

voice: vo_adv_1021010_102
クルミ:
【chara 102111 face 6 (surprised)】 暴れないでって言われても、お兄ちゃんが見ようとするからぁ……!
【chara 102111 face 4 (sad)】 あっ、そこは触っちゃ駄目ぇ……!!

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 {player}とクルミの賑やかな声が、
ランドソル郊外の夜道に響き渡るのだった。