ルカ 第10話
{player}への気持ちになお線を引くルカ。だが舎弟達に釣りを教えようと訪れた海辺で、{player}との間に運命とも呼べる偶然が重なり、二人の間の特別な縁をも認めざるを得なくなる。
-------------- situation:
仕掛けのない釣り糸
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}を一人の男として慕う気持ちを認め、
未だ困惑の中にあるルカ。
しかし『会』の方も放っておくわけにはいかず──
voice: vo_adv_1056010_000
舎弟1:
【chara 911 face 4 (sad)】
シノギを……?
voice: vo_adv_1056010_001
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
ああそうだよ。【chara 105611 face 4 (sad)】
姉御会なんて発足させたところで、
シノギがなきゃただの社会不適合者の吹き溜まりじゃないか。
voice: vo_adv_1056010_002
ルカ:
【chara 105611 face 2 (joy)】
だからアンタらに、釣りを教えることにした。
職業訓練だよ。
【chara 105611 face 1 (normal)】
しっかり技能を身に付けて、自分たちの手で稼ぎな!
voice: vo_adv_1056010_003
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
お、押ーーーー忍っ!!
voice: vo_adv_1056010_004
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
………………で。だ。
なんでお前さんが今日もここにいる。
Choice: (1) みんなが誘ってくれたんだ。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1056010_005
舎弟2:
【chara 811 face 2 (joy)】
へへ……いやね。
聞けばアニキも久々に釣りがしたいなーなんて言うもんで……
voice: vo_adv_1056010_006
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
アンタら……
voice: vo_adv_1056010_007
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
ことあるごとにこの子を呼びつけて……
【chara 105611 face 5 (shy)】
あれ以来、すっかりアタシの「いい人」だと思い込んでるね……
voice: vo_adv_1056010_008
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
ったく、揃いも揃って単細胞なくせに、妙な目端だけは利くんだよ。
voice: vo_adv_1056010_009
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1056010_010
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
……確かに。アタシはこの子を一人の男として慕ってる。
【chara 105611 face 1 (normal)】
認める。【chara 105611 face 2 (joy)】
認めたよ。
voice: vo_adv_1056010_011
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
だけどそれはアタシの一方的な、アレで……
アタシとこの子の間に特別な縁があるかは、また別問題なんだ。
voice: vo_adv_1056010_012
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
というかそもそも。
こんな物騒な女との間に縁なんてあっちゃ……
Choice: (2) ルカ、怒ってる……?
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1056010_013
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
あ……いや! 怒ってなんかないよ。
【chara 105611 face 4 (sad)】
お前さんも……参加したけりゃすりゃいいさ。
【chara 105611 face 1 (normal)】
──さぁ、アンタたち、釣りを始めるよ!
voice: vo_adv_1056010_014
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
……そうさ。アタシの気持ちは、それはそれ。
特別な縁なんてあっちゃ、困るんだ。
【chara 105611 face 1 (normal)】
だからこの子とは、なるべくフラットに接する。
voice: vo_adv_1056010_015
ルカ:
【chara 105611 face 2 (joy)】
……それでいいんだ。うん。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
この話は、これまで。
voice: vo_adv_1056010_016
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
人数分釣り竿を借りてきたから。
各自、ここから釣り竿を選んで。
voice: vo_adv_1056010_017
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
押忍!
voice: vo_adv_1056010_018
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
よし。【chara 105611 face 6 (surprised)】
じゃあ、【chara 105611 face 1 (normal)】
アタシはこの竿で……
Choice: (3) あ……
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1056010_019
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……え?
【chara 105611 face 5 (shy)】
──はっ! お前さんも!?
Choice: (4) 同じ竿を選んじゃったね。
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1056010_020
舎弟1:
【chara 911 face 2 (joy)】
おいおい……
こんなに数ある中から、お二人さん、同じ竿を選んだってのか?
voice: vo_adv_1056010_021
舎弟2:
【chara 811 face 1 (normal)】
すげぇ偶然じゃねぇか?
【chara 811 face 2 (joy)】
やっぱりアニキは、姉御のいい人──
voice: vo_adv_1056010_022
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
いい人でもなんでもないって言ってんだろ!
ただの偶然だよ。いちいち騒ぎ立てるんじゃない。始めるよ!
voice: vo_adv_1056010_023
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
お……押忍っ!!
voice: vo_adv_1056010_024
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
ったく。人が気持ちを整理したそばから……
voice: vo_adv_1056010_025
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
いいかい? 仕掛けの垂らしはこのくらい。
長ければいいってもんじゃないからね。
voice: vo_adv_1056010_026
舎弟1:
【chara 911 face 4 (sad)】
ええと……こうか?
Choice: (5) うん。それくらいだね。
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1056010_027
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
各自構えたね?
【chara 105611 face 1 (normal)】
じゃあ次は、ボールを遠くへ投げるように……
竿で、放物線を……描く!
voice: vo_adv_1056010_028
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
……描く!
Choice: (6) 描く!
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1056010_029
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
よーし、みんなうまく投げられたね。
voice: vo_adv_1056010_030
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……て、あ、あれ?
アタシの糸が……【chara 105611 face 4 (sad)】
何かと絡んでる?
Choice: (7) ごめん、僕の釣り糸だ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1056010_031
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
え、ええ!?
糸同士が、空中で絡んだってのかい!?
voice: vo_adv_1056010_032
舎弟2:
【chara 811 face 1 (normal)】
こんだけ広い浜で、こんだけ釣り人がいて。
これまた、恐ろしい偶然じゃねぇか……【chara 811 face 2 (joy)】
お二人さん……
voice: vo_adv_1056010_033
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
お二人さんって言うな。騒ぐなっ!
voice: vo_adv_1056010_034
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
お、お前さんちょいと待ってな。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
今、解くから……【chara 105611 face 4 (sad)】
くっ、完全に絡み合っちまってるね。
Choice: (8) ここ、押さえとくね。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1056010_035
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
ああ、助かるよ。
【chara 105611 face 5 (shy)】
……だ、だけど、ええと……
voice: vo_adv_1056010_036
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
お前さん……悪いが、【chara 105611 face 5 (shy)】
もうちょいと、
体を……離してくれないかい。
Choice: (9) あ、ごめん。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1056010_037
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
ああもうっ。
こういう時に限って、なんでこんな偶然が重なる──
voice: vo_adv_1056010_038
舎弟3:
【chara 6311 face 2 (joy)】
見たかよ今の偶然。
姉御はああ言うが、やっぱり二人の間にはただならぬ縁が──
voice: vo_adv_1056010_039
舎弟2:
【chara 811 face 6 (surprised)】
しっ!
姉御が怒る。
voice: vo_adv_1056010_040
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
こいつら……
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……うん? 待ちなよ。【chara 105611 face 4 (sad)】
これ、ひょっとして──
voice: vo_adv_1056010_041
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……ああ、そうか。そういうことかい。
【chara 105611 face 2 (joy)】
ふっ、合点がいったよ。
【chara 105611 face 4 (sad)】
アンタたち、ここに直りな!
voice: vo_adv_1056010_042
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
あ、姉御? いったいどうしたんで?
voice: vo_adv_1056010_043
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
しらばっくれやがって。
どれもこれも、アンタたちの仕業だろうが!
voice: vo_adv_1056010_044
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
え!?
voice: vo_adv_1056010_045
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
アタシとこの子が同じ竿を選んだのも、釣り糸が絡んだのも。
偶然を装ってこの子をアタシの「いい人」に仕立て上げたい、
【chara 105611 face 4 (sad)】
アンタたちの膳立てだろうって言ってんだよ!
voice: vo_adv_1056010_046
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
ったく、シノギもないくせに、
余計な知恵ばかり回しやがって。
voice: vo_adv_1056010_047
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
い、いやいや!
ワシら、なんも──
voice: vo_adv_1056010_048
ルカ:
【chara 105611 face 3 (anger)】
あーそうかい。
【chara 105611 face 1 (normal)】
じゃあ金輪際余計なことができないよう、アンタらの手を塞いでやる。
【chara 105611 face 3 (anger)】
全員、今から竿の素振り、1万回だ!
voice: vo_adv_1056010_049
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
え……い、1万!?
voice: vo_adv_1056010_050
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
お、押忍!!
voice: vo_adv_1056010_051
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
……ったく。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
お前さん、巻き込んじまって悪かったね。
voice: vo_adv_1056010_052
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
普通に釣りがしたくて、参加してくれたんだろう?
【chara 105611 face 4 (sad)】
ここはなんだかんだでゴチャついてるから。
向こうの離れた場所で、【chara 105611 face 1 (normal)】
ゆっくり糸、垂らしときなよ。
Choice: (10) でも。
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1056010_053
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
お前さんにはもう釣りのイロハは教えてあるだろう。
【chara 105611 face 4 (sad)】
アタシから伝授することなんて、ひとつもないよ。
voice: vo_adv_1056010_054
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
正直、邪魔なんだ。
……離れてておくれよ。
Choice: (11) ……うん。分かった。
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1056010_055
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1056010_056
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
──さぁ。
voice: vo_adv_1056010_057
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
アンタたち! 釣り上げるまでの手本を見せるよ。
まずは浮きの泳がせ方から。
【chara 105611 face 2 (joy)】
素振りの手を休めず、その節穴かっぴらいて見てな!
voice: vo_adv_1056010_058
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
お、押ーーーー忍!
voice: vo_adv_1056010_059
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
あの子……ちゃんと離れた場所に移動したね。
voice: vo_adv_1056010_060
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
これでよかったんだよ。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
膳立てしてもらわなきゃいけない縁なんて、縁でもなんでもないからね。
voice: vo_adv_1056010_061
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
こうして作為を封じちまえば、偶然なんて起こる道理がない。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
アイツらの余計な膳立てのお陰で、むしろ白黒がはっきりしたよ。
voice: vo_adv_1056010_062
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……逆に、よかったんだ。
【chara 105611 face 2 (joy)】
すっきりしたってもんさ。
voice: vo_adv_1056010_063
ルカ:
【chara 105611 face 2 (joy)】
…………
voice: vo_adv_1056010_064
舎弟2:
【chara 811 face 6 (surprised)】
姉御、姉御!
浮きが動いてますぜ!
アタリがきてるんじゃ!?
voice: vo_adv_1056010_065
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……はっ! ほんとだね。
【chara 105611 face 1 (normal)】
これは大物だよ!
【chara 105611 face 2 (joy)】
アンタたち、よーく見ときな!
voice: vo_adv_1056010_066
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
押忍!
voice: vo_adv_1056010_067
ルカ:
【chara 105611 face 1 (normal)】
まずは……アワセる。
【chara 105611 face 6 (surprised)】
そして……ズリ上げて……【chara 105611 face 3 (anger)】
取り込む!
voice: vo_adv_1056010_068
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……ん? あれ?
【chara 105611 face 4 (sad)】
取り込──
Choice: (12) ルカー! その魚、待って!
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1056010_069
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
……え?
Choice: (13) 僕と同じ魚を釣っちゃってる!
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1056010_070
ルカ・舎弟ども:
【chara 1 face 6 (surprised)】
えええ!?
voice: vo_adv_1056010_071
舎弟2:
【chara 811 face 6 (surprised)】
信じられんが……ほんとだ。
この魚、姉御のとアニキのと、
いっぺんに二つの釣り針を飲みこんでる!
voice: vo_adv_1056010_072
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
こんなことが……あるのか……
voice: vo_adv_1056010_073
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
ア、アンタら【chara 105611 face 3 (anger)】
また性懲りもなく──
voice: vo_adv_1056010_074
舎弟2:
【chara 811 face 6 (surprised)】
いやいや!
ワシら全員、姉御の指示通り素振り1万回中でしたから!
【chara 811 face 4 (sad)】
なんにもしてない、つーかできないですよ!
voice: vo_adv_1056010_075
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
この通り、全員、ほーるどあっぷです!
voice: vo_adv_1056010_076
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
じゃあ、最初から、何も……?
voice: vo_adv_1056010_077
舎弟ども:
【chara 1 face 6 (surprised)】
してません!
voice: vo_adv_1056010_078
舎弟1:
【chara 911 face 4 (sad)】
釣りにアニキは誘いました。それは、すんません、気遣いです。
【chara 911 face 6 (surprised)】
でも本当にそれだけなんです。
ワシらのこのハラワタにかけて、信じてくだせぇ!
voice: vo_adv_1056010_079
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
て、ことは……
釣り竿の件も、釣り糸の件も……本当の、偶然だってのかい?
voice: vo_adv_1056010_080
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
です、ですです!
voice: vo_adv_1056010_081
ルカ:
【chara 105611 face 6 (surprised)】
一匹の魚が二つの針を飲むなんて……【chara 105611 face 4 (sad)】
いくらなんでも……
voice: vo_adv_1056010_082
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
そんな偶然あるわけが……
voice: vo_adv_1056010_083
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
ああ……姉御の言う通りですわ……
こんな偶然、あるわけがねぇ……
voice: vo_adv_1056010_084
舎弟2:
【chara 811 face 6 (surprised)】
こんなの偶然じゃねぇ……
どっからどう見ても……
voice: vo_adv_1056010_085
舎弟ども:
【chara 1 face 1 (normal)】
……運命っすよ……
voice: vo_adv_1056010_086
ルカ:
【chara 105611 face 5 (shy)】
…………っ!
voice: vo_adv_1056010_087
舎弟1:
【chara 911 face 6 (surprised)】
アニキと姉御の間に……
なんの……特別な縁もねぇなんて……そんなこと……
【chara 911 face 4 (sad)】
どーやってこのハラに落としゃいいんですか……
voice: vo_adv_1056010_088
舎弟1:
【chara 911 face 4 (sad)】
本当に二人の間に何もないというなら……姉御。
ワシらに、教えてくだせぇよ……
voice: vo_adv_1056010_089
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
……………………
そんなもの──
voice: vo_adv_1056010_090
ルカ:
【chara 105611 face 4 (sad)】
アタシだって知りたいよ……
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}との間の
ただならぬ縁までもを認めざるを得ないルカ。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
一匹の魚でつながってしまった二本の釣り竿を前に、
今度こそ高まる思いを、抑えきれないのであった。