クリスティーナ 第6話
クリスティーナに恨みを持つ者の嫌がらせにより{player}にまで被害が及んでしまう。自らの傍若無人な生き方に{player}を巻き込んではいけないのではと、クリスティーナは逡巡する。
-------------- situation:
女傑のツケ
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
結婚シミュレーションを始めて数日──
珍しく仕事が休みのクリスティーナは、
なにやら眉間にしわを寄せていた。
voice: vo_adv_1071006_000
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
坊やは仕事、か。
voice: vo_adv_1071006_001
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……どうやら。
「あのパターン」のシミュレーションを試すべき時が来たらしい。
voice: vo_adv_1071006_002
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
正直、気が重い。
voice: vo_adv_1071006_003
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
なんとか「結婚」の懐には潜り込んだが、
【chara 107111 face 6 (surprised)】
おそらくこれが……砦の総本山。
voice: vo_adv_1071006_004
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
どう攻めればいいのかすら見当もつかない。
できれば避けて通りたいところだが……
voice: vo_adv_1071006_005
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
──しかし坊やとの人生には、どんな番狂わせもあり得る。
想定外と切り捨てるのは、早計だろう。
voice: vo_adv_1071006_006
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
……やはり、やらざるを得まいか。
「専業主婦」のシミュレーションを──!
voice: vo_adv_1071006_007
肉屋:
【chara 1411 face 1 (normal)】
らっしゃいらっしゃい!
voice: vo_adv_1071006_008
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
なるほど。
早めの時間に来ると、品ぞろえがいいのか……
voice: vo_adv_1071006_009
肉屋:
【chara 1411 face 2 (joy)】
よっお姉さん、髪がきれーだねぇ!
voice: vo_adv_1071006_010
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……そうか?
【chara 107111 face 2 (joy)】
ふふん。最近、手入れが行き届いているものでな♪
voice: vo_adv_1071006_011
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
実は自分でも顕著に感じている。
【chara 107111 face 1 (normal)】
坊やに乾かしてもらうようになってからというもの、
指通りが格段に違う……
voice: vo_adv_1071006_012
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
……ふふ♪
voice: vo_adv_1071006_013
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
ようし。
専業主婦らしく、凝ったものでも拵えて、坊やを労ってやるとしよう☆
voice: vo_adv_1071006_014
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
おやじ、頼む。
そこの高い方のを二人分、包んでくれ。
voice: vo_adv_1071006_015
肉屋:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
これ、煮込み用だよ。
けっこう手間かかるけど、いいのかい?
voice: vo_adv_1071006_016
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
ああ。時間はある。
voice: vo_adv_1071006_017
肉屋:
【chara 1411 face 2 (joy)】
まいどありー!
voice: vo_adv_1071006_018
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
大したものでなくても、あんなにも有難がるのだからな。
坊やの喜ぶ顔が愉しみだ……♪
voice: vo_adv_1071006_019
肉屋:
【chara 1411 face 1 (normal)】
ね、お姉さん。もし人違いだったらごめんよ。
【chara 1411 face 2 (joy)】
もしかしてアンタ、クリスティーナさんじゃねぇか?
voice: vo_adv_1071006_020
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……そうだが?
voice: vo_adv_1071006_021
肉屋:
【chara 1411 face 2 (joy)】
やっぱりそうだ!
そうじゃねぇかと思ってたんだよ。
voice: vo_adv_1071006_022
肉屋:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
カルミナの名物Pが、こんなとこで昼間っからなにしてんの。
voice: vo_adv_1071006_023
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
ちょっとな。
voice: vo_adv_1071006_024
肉屋:
【chara 1411 face 1 (normal)】
仕事の合間の息抜きってとこだな?
【chara 1411 face 2 (joy)】
まぁゆっくり見てきなよ!
voice: vo_adv_1071006_025
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
やはり、ワタシと専業主婦は結びつかない、か。
voice: vo_adv_1071006_026
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……しかし。
voice: vo_adv_1071006_027
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
相手が喜ぶ顔を想像し、工夫を凝らすのが専業主婦の本質だとしたら、
ふむ……これは、プロデュース業に共通するものがある。
voice: vo_adv_1071006_028
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
もしや専業主婦……
voice: vo_adv_1071006_029
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
ワタシに、うってつけなのか……!?
voice: vo_adv_1071006_030
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
そうなれば、喜ばせる相手は坊や一人。
【chara 107111 face 2 (joy)】
坊や専属のプロデューサーというわけだ。
voice: vo_adv_1071006_031
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
くっ……柄にもなく……面映ゆいぞ……!
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
そして{player}の帰宅後。
クリスティーナの手料理を囲む二人──
Choice: (1) 豪華! おいしい!
Choice: (2) これ、全部手作りなんですか!?
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1071006_032
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
それはよかった。
【chara 107111 face 1 (normal)】
今日は専業主婦をシミュレートしたものでな。
voice: vo_adv_1071006_033
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
時間があったから、出汁からひいてみたぞ。
疲れた体には染みるはずだ。
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----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1071006_034
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
ふふ、意外か?
voice: vo_adv_1071006_035
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
こう見えて意外に良家の出でな。
舌に叩き込まれているせいか、たいていのものは作れる。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1071006_036
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……お茶もおいしい?
【chara 107111 face 2 (joy)】
お、気付いたか!
voice: vo_adv_1071006_037
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
実は畑の草を引いていたら、ハーブがたくさん生えていてな。
もったいないから、軽く天日干しして煎じて淹れてみた。
voice: vo_adv_1071006_038
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
美味しいなら成功だな。
【chara 107111 face 1 (normal)】
次は、深めに煎じてみるのもありか……
voice: vo_adv_1071006_039
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
──そういえば!
木の実もよく熟していてな。
voice: vo_adv_1071006_040
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
見ろ、漬けてみた。
一週間くらいでいい柔らかさになる。
voice: vo_adv_1071006_041
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
これは実もいいがな、漬けたあとのシロップにも利用価値があるぞ。
麦しゅわで割るのもいいし、【chara 107111 face 2 (joy)】
そうだ肉の下処理に使うのも──
voice: vo_adv_1071006_042
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
──なんだ。
……楽しそう? ワタシがか?
voice: vo_adv_1071006_043
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……
voice: vo_adv_1071006_044
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
ふふ。
オマエにそう見えるなら、愉しいんだろう。
voice: vo_adv_1071006_045
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
【chara 107111 face 4 (sad)】
……正直に言おう。
この専業主婦シミュレーション、実は気が重かったのだ。
voice: vo_adv_1071006_046
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
この享楽主義のクリスティーナが、
家の中で一日過ごせると、誰が思う。
voice: vo_adv_1071006_047
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……しかし。
何事も、飛び込んでみなければ分からないものだな。
voice: vo_adv_1071006_048
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
一つの家事に正面から向き合えば、
芋づる式に次から次へと課題とアイデアが湧いてでる。
voice: vo_adv_1071006_049
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
大事なのは段取りと工夫。
そこに斬りこめば、成果は加速度的に出やすくなる。
voice: vo_adv_1071006_050
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
退屈とは、まるで無縁。
それになにより……
voice: vo_adv_1071006_051
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
喜ぶ相手の顔が、こんなにも間近で見られるのは……
Choice: (4) それになにより?
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1071006_052
クリスティーナ:
【chara 107111 face 5 (shy)】
……ああ、いや。
【chara 107111 face 2 (joy)】
──とにかく。専業主婦とは、驚くほど面白い仕事だ。
voice: vo_adv_1071006_053
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
どうやら我々は、この結婚シミュレーション最大の難所も、
無事に通過したと言える──
Choice: (5) ……辛っ!
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1071006_054
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……どうした。
辛い? 肉がか!
voice: vo_adv_1071006_055
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
辛い味付けなどした覚えはないが……【chara 107111 face 6 (surprised)】
どれ。
voice: vo_adv_1071006_056
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
──これは……!
voice: vo_adv_1071006_057
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
激辛化の魔法がかけられている……
【chara 107111 face 4 (sad)】
誰がこんなことを──
voice: vo_adv_1071006_058
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……ひょっとして……!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071006_059
肉屋:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
カルミナの名物Pが、こんなとこで昼間っからなにしてんの。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071006_060
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
あの肉屋の壁にかかっていたポスター……
カルミナをライバル視するアイドルのものだった……
【chara 107111 face 3 (anger)】
しかも、手書きのサイン入り……
voice: vo_adv_1071006_061
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
ただのミーハーおやじかと思っていたが……
voice: vo_adv_1071006_062
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
あいつ、やってくれたな……!
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
翌日──
voice: vo_adv_1071006_063
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
おやじ、いるか!
voice: vo_adv_1071006_064
肉屋:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
──お!?
voice: vo_adv_1071006_065
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
昨日はいい肉をありがとう。
礼を言いたくてな。
voice: vo_adv_1071006_066
肉屋:
【chara 1411 face 6 (surprised)】
お……おおお。
【chara 1411 face 4 (sad)】
う、美味かっただろう?
voice: vo_adv_1071006_067
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
ああ。
思わず剣を抜きたくなるほどにな!
voice: vo_adv_1071006_068
肉屋:
【chara 1411 face 4 (sad)】
ひ、ひぃぃ!
voice: vo_adv_1071006_069
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
カルミナのプロデューサーであるワタシを傷めつければ、
キサマの推しが売れるようになるとでも思ったか?
voice: vo_adv_1071006_070
肉屋:
【chara 1411 face 4 (sad)】
ひぃぃぃ……すんません、すんません……
voice: vo_adv_1071006_071
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
……浅はかな。
voice: vo_adv_1071006_072
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
さぁどうする! 二度とやらないと誓うか。
それとも肉塊にされ、自分の店で売られるか。
voice: vo_adv_1071006_073
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
……言っておくが。
夫にもいい肉を食わせてやれたせいで、今日はすこぶる機嫌がいい。
時間をかけて丁寧に捌いてやるぞ?
voice: vo_adv_1071006_074
肉屋:
【chara 1411 face 4 (sad)】
二度としません~~!
ごめんなさい~~~!
voice: vo_adv_1071006_075
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
……ふん。
voice: vo_adv_1071006_076
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1071006_077
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
二度と……か。
あのおやじにそれを誓わせたところでだ……
voice: vo_adv_1071006_078
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
ワタシへの嫌がらせなど、日常茶飯事。
あんなのはまだかわいいもの。
voice: vo_adv_1071006_079
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
カルミナの件に限らない。
矢面に立つのが仕事であるワタシにとって、
敵を作ることなどしょっちゅう。【chara 107111 face 6 (surprised)】
というか敵しかいない。
voice: vo_adv_1071006_080
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
妬み、敵意、悪意……
そんなものを向けられることには慣れきっている。
voice: vo_adv_1071006_081
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
それで一向に構わない。
いくらでも受けて立ち、返す刀で斬り捨ててやる。
voice: vo_adv_1071006_082
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……今まではそう思って生きてきた。
voice: vo_adv_1071006_083
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
そう、今までは……
voice: vo_adv_1071006_084
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1071006_085
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
坊やの舌の痛みは、とれただろうか……
voice: vo_adv_1071006_086
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
その日、帰路につくクリスティーナの足取りは、
これまでになく重かった──