クリスティーナ 第7話
幼少期の自分とそっくりな家出少女に出会うクリスティーナ。{player}が少女にかけた「家族と離れてはダメ」という言葉に励まされ、何があっても大切な人の側を離れるまいと、思い直す。
-------------- situation:
ある家出少女の翻意
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
クリスティーナが肉屋をねじ伏せた、その夜──
voice: vo_adv_1071007_000
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……髪か?
【chara 107111 face 4 (sad)】
……ああ、今日はいい。自分で乾かす。
voice: vo_adv_1071007_001
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……これはあくまでもシミュレーション、仮の生活だ。
慣れてしまっても、互いに困るだろう。
Choice: (1) そっか……
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1071007_002
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
……鉄火場に次ぐ鉄火場。それがワタシの人生だ。
【chara 107111 face 6 (surprised)】
よもやこの先、専業主婦になったとしても……
過去から逃れることなどできはしまい。
voice: vo_adv_1071007_003
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
ワタシの剣からこぼれた錆色のツケを、
坊やに払わせるつもりなど、毛頭ない。
voice: vo_adv_1071007_004
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
……巻き込むわけにはいかないのだ。
voice: vo_adv_1071007_005
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1071007_006
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……ふっ。
こんな簡単な結論すら想定せず、
シミュレーションなどと浮かれていたとはな。
voice: vo_adv_1071007_007
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
誓約が作った関係とはいえ、
どうやらずいぶんと度を失っていたようだ。
voice: vo_adv_1071007_008
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……ワタシとしたことが。
voice: vo_adv_1071007_009
クリスティーナ:
【chara 107111 face 3 (anger)】
──誓約は、無期限の保留。
よってこのシミュレーションもこれまで。
voice: vo_adv_1071007_010
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
そうと決まれば坊やにも伝えて──
voice: vo_adv_1071007_011
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………っ!
なんだ? 窓の外が眩しい……?
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071007_012
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
おい、こら待て。危ないぞ!
voice: vo_adv_1071007_013
クリスティーナ:
【chara 231 face 6 (surprised)】
【chara 107131 face 4 (sad)】
まったく……
道路に飛び出しては駄目だとさっき言ったばかりだろう。
voice: vo_adv_1071007_014
少女:
【chara 231 face 2 (joy)】
はぁい♪
【chara 231 face 1 (normal)】
あー、あれなにあれなにー!?
voice: vo_adv_1071007_015
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
ほう。言ったそばから早速か。
上等だ。【chara 107131 face 3 (anger)】
待て、お説教だ!
Choice: (2) 思わず笑う。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1071007_016
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
坊や、笑ってないで手伝え。
【chara 107131 face 6 (surprised)】
このままではいつまでたっても、あのお転婆娘の親は見つからんぞ。
voice: vo_adv_1071007_017
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
……まったく。
せっかく仕事に都合をつけて、
坊やと新作のゲームを買いに来たというのに。
voice: vo_adv_1071007_018
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
迷子の少女に出会ったのが運のつきだ。
警察に行くのは嫌がるし、我々が両親を捜すより他なくなった。
voice: vo_adv_1071007_019
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
子どもは苦手なんだ。
ワタシが近づくだけで、怖がって泣く。
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……別に泣かれたところで、痛くもかゆくもないが。
Choice: (3) でも、あの子は泣かないですね?
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1071007_020
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……確かにな。
【chara 107131 face 4 (sad)】
むしろワタシをからかって愉しんでいる節がある。
voice: vo_adv_1071007_021
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
……ふん。
いつまでもつか見ものだな♪
voice: vo_adv_1071007_022
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
おおい、そこのお転婆!
クリスティーナさんを怒らせると、ただではすまんぞ!
voice: vo_adv_1071007_023
少女:
【chara 231 face 2 (joy)】
きゃーっ♪
voice: vo_adv_1071007_024
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
ふっはははは☆
──待てぃ!
voice: vo_adv_1071007_025
女性:
【chara 1231 face 2 (joy)】
ねぇ見て見て、あの3人。楽しそう。
家族かな? お父さんすごく若いけど……
voice: vo_adv_1071007_026
男性:
【chara 1031 face 1 (normal)】
みたいだな。
【chara 1031 face 2 (joy)】
俺たちも結婚したら将来、あんなふうに街を歩くのかもね。
voice: vo_adv_1071007_027
女性:
【chara 1231 face 2 (joy)】
うん。楽しみー♪
Choice: (4) 僕たちのことかな……?
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1071007_028
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
ふふ、らしいな。
こんなちぐはぐな家族がどこの世界にいるかと思うが。
voice: vo_adv_1071007_029
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
こんなワタシが家庭を持つなど、
想像したこともなかったが……
voice: vo_adv_1071007_030
クリスティーナ:
【chara 107131 face 7 (special_a)】
坊やのような夫と、こういう子どもならば、あるいは……
voice: vo_adv_1071007_031
少女:
【chara 231 face 6 (surprised)】
──きゃっ!
voice: vo_adv_1071007_032
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
ああっ……だから言っただろう!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071007_033
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
ほら、手を貸せ。大丈夫か?
Choice: (5) いい子だから、手を繋ごうね?
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1071007_034
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
……
voice: vo_adv_1071007_035
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
どうした。
voice: vo_adv_1071007_036
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
……わたし、いい子じゃないよ……?
voice: vo_adv_1071007_037
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……どういうことだ。
voice: vo_adv_1071007_038
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
…………
……迷子じゃなくてね、ほんとは……家出なの。
voice: vo_adv_1071007_039
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……なに?
自分の意思で家を出てきたというのか。
Choice: (6) わけを教えてくれる?
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1071007_040
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
……わたしが、悪い子だから。
voice: vo_adv_1071007_041
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
お友達を泣かせたり……危ない場所で遊んだり……
先生を困らせるいたずらをしたり。
voice: vo_adv_1071007_042
少女:
【chara 231 face 6 (surprised)】
わたしはただ楽しいことがしたいだけなのに。
【chara 231 face 4 (sad)】
楽しいことをすると……大人の人たちは驚いて、わたしを叱る。
voice: vo_adv_1071007_043
少女:
【chara 231 face 6 (surprised)】
いつもパパとママを困らせて、悲しませちゃう。
悪い子なの。
【chara 231 face 4 (sad)】
だからね、パパとママの子どもをやめてあげたの。
voice: vo_adv_1071007_044
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1071007_045
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
…………なるほどな。
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1071007_046
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
──既視感、か。
【chara 107131 face 1 (normal)】
この子に妙な相性の良さを感じていたことに、合点がいった。
voice: vo_adv_1071007_047
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
……過剰な早熟さは、本人のコントロールすら拒む。
voice: vo_adv_1071007_048
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
優秀すぎて……
行動力がありすぎて……
誰の手にも負えない子どもは……【chara 107131 face 4 (sad)】
誰にも知られず、孤独だ。
voice: vo_adv_1071007_049
クリスティーナ:
【chara 107131 face 1 (normal)】
……………
懐古が何より嫌いなこのワタシが、いまだ覚えているとはな……
voice: vo_adv_1071007_050
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1071007_051
クリスティーナ:
【chara 107131 face 1 (normal)】
いいんじゃないか? そういうことなら。
無理に帰らなくても──
Choice: (7) ダメだよ。
Choice: (8) 家族と離れちゃダメ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1071007_052
クリスティーナ:
【chara 107131 face 4 (sad)】
坊や……
子どもだと侮るなよ? この子はこの子なりに──
Jump to tag 9
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1071007_053
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
……でも──
voice: vo_adv_1071007_054
クリスティーナ:
【chara 107131 face 3 (anger)】
気をつけろ坊や。
表面的な説教は、この子を更に追い詰めるぞ?
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1071007_055
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……なに?
自分も、周りの人に迷惑をかけたから?
voice: vo_adv_1071007_056
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
バラバラでは、絶対に乗り越えられない……
もしも乗り越えられなくても、一緒にいれば、
必ず……一緒に前に進める……
voice: vo_adv_1071007_057
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
それになにより──
voice: vo_adv_1071007_058
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
離れることは、悲しい……
みんなが、悲しい……?
voice: vo_adv_1071007_059
クリスティーナ・少女:
【chara 231 face 6 (surprised)】
【chara 1 face 1 (normal)】
…………!
voice: vo_adv_1071007_060
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
……坊や……
voice: vo_adv_1071007_061
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
……う……う……
うわーん! わーん!
Choice: (10) 悲しかったよね。
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1071007_062
少女:
【chara 231 face 4 (sad)】
うん……うん……
わたし……ひぃっく……
パパと……ママのところに……帰る。
Choice: (11) それがいいよ。
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1071007_063
少女:
【chara 231 face 6 (surprised)】
お姉さんも、そうするのがいいと思うよね……?
voice: vo_adv_1071007_064
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
…………
…………
voice: vo_adv_1071007_065
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
……ああ。
それが一番だ。
voice: vo_adv_1071007_066
少女:
【chara 231 face 2 (joy)】
うん!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071007_067
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
──あの頃。
もしもこのクリスティーナの側に、坊やがいてくれたら……
voice: vo_adv_1071007_068
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
少女だったワタシは、
孤独な闘いをせずに済んだのだろうか。
voice: vo_adv_1071007_069
クリスティーナ:
【chara 107131 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1071007_070
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
……ふふ、ワタシらしくもない。
voice: vo_adv_1071007_071
クリスティーナ:
【chara 107131 face 7 (special_a)】
今こうして坊やと一緒にいられることを、
大切にしなくてはな……
voice: vo_adv_1071007_072
クリスティーナ:
【chara 107131 face 2 (joy)】
…………
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1071007_073
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
はい、お疲れさま。
voice: vo_adv_1071007_074
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】
自分がいることで大切な人を傷つける。
それを目の当たりにするのは、確かに辛いことよ。
voice: vo_adv_1071007_075
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
良家の子女だったはずのクリスティーナが、
家族を離れ、故郷を離れ……
voice: vo_adv_1071007_076
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
流れ流れて単身ランドソルにやって来たのも、
そのへんのことと、無関係じゃないのかもしれないわね。
voice: vo_adv_1071007_077
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
あのクリスティーナも、人の子だったってこと……
【chara 190011 face 6 (surprised)】
え、まじ? 【chara 190011 face 1 (normal)】
って感じだけど。
voice: vo_adv_1071007_078
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
じゃ、またね。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1071007_079
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
う……【chara 107111 face 6 (surprised)】
夢か……?
voice: vo_adv_1071007_080
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
子どもの頃の夢……?
【chara 107111 face 6 (surprised)】
……いや、違う……坊やが一緒だった──
voice: vo_adv_1071007_081
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1071007_082
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
うん? 髪の毛が絡んでいる?
voice: vo_adv_1071007_083
クリスティーナ:
【chara 107111 face 4 (sad)】
ああ、乾かさないまま眠ってしまっていたからな。
Choice: (12) 本当に乾かさなくていいんですか?
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1071007_084
クリスティーナ:
【chara 107111 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1071007_085
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……いや。
voice: vo_adv_1071007_086
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
今更だが、やはり……頼んでもいいだろうか。
Choice: (13) もちろんです。
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1071007_087
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
……では。頼む。
…………ん。
voice: vo_adv_1071007_088
クリスティーナ:
【chara 107111 face 2 (joy)】
離れることは、悲しい……
一緒にいれば必ず……一緒に前に進める……か。
voice: vo_adv_1071007_089
クリスティーナ:
【chara 107111 face 1 (normal)】
……オマエは、
絡まったものを解くのが、上手だな。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
喉元まで出かけていた「誓約の無期限保留」を、
胸からそっと打ち消した、クリスティーナであった。