ユニ 第4話
アメスの見せる夢の中で、自称「喋るコミュ障」の由仁は、祖父の著書を読んでいた{player}に親近感を覚える。夢から覚めたあと、{player}はユニを友だと断じて彼女の歓心を買った。


-------------- situation:
高次元との暫時的接続演習
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 最近の{player}は、
ユニからしばしば『象牙の塔』に呼び出されるようになっていた。

voice: vo_adv_1110004_000
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】 やあ、同志。
またの足労に感謝する。ぺこり。

voice: vo_adv_1110004_001
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 今日来てもらったのはほかでもない。
【chara 111011 face 6 (surprised)】 いよいよぼくらの研究論文が重要な転機を迎えそうなのだ。

Choice: (1) ぼくらの?
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1110004_002
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 さよう。
この地域に伝わる民話や伝承について、
数々の文献を紐解きながら考察・検証を進めてきた我々だが──

Choice: (2) 我々?
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1110004_003
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 しかし我々の研究は、
もはや「この地域」などというご近所考古学に留まらず、
【chara 111011 face 1 (normal)】 よりマクロな視座に立つ必要性が浮上してきたのだ。

voice: vo_adv_1110004_004
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 分類は歴史学・人類学、ないし哲学にまで亘ると思われるが、
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ふむ、頭の固い保守派には宗教学と呼ばれるかもしれないな。

voice: vo_adv_1110004_005
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 えー、その新しいテーマとは、ハイこちらどーん。

voice: vo_adv_1110004_006
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 『世界にわだかまる根源的な虚構』!

Choice: (3) それ前にも聞いた気がする。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1110004_007
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ほわ? 何を言っとるんだ君は。
このテーマは本日、本邦初公開の──

voice: vo_adv_1110004_008
ロゼッタ:
【chara 1 face 1 (normal)】 ぽーん! ドクター・ユニに通告!
由来不明の発光現象を確認しました!

voice: vo_adv_1110004_009
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 えっ、何この光、謎。

voice: vo_adv_1110004_010
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 え、え、何これどういう……
【chara 111011 face 4 (sad)】 あ! あば、ぎゃァーッ! ほ、ほわあッ、ほああ興味深ぁー!

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1110004_011
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、その本──

voice: vo_adv_1110004_012
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 わわ、ごめんなさい突然!
【chara 111031 face 4 (sad)】 それ私も読んだことある本だったから、つい……

voice: vo_adv_1110004_013
???:
【chara 111031 face 1 (normal)】 あ、あのう、ちなみになんだけど……
もしかして君、好きなのかな、それ書いた教授とか……

voice: vo_adv_1110004_014
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 え、学校の課題で? 仕方なく……?
【chara 111031 face 2 (joy)】 あー、だよねえ、あはは……

voice: vo_adv_1110004_015
???:
【chara 111031 face 1 (normal)】 失礼しました。続けて続けて。

voice: vo_adv_1110004_016
???:
【chara 111031 face 1 (normal)】 それじゃ。

Choice: (4) 読書を続ける。
----- Tag 4 -----
--- Switch scene ---

story_still_111000401
voice: vo_adv_1110004_017
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 はー……

voice: vo_adv_1110004_018
???:
【chara 111031 face 1 (normal)】 んー……

voice: vo_adv_1110004_019
???:
【chara 111031 face 4 (sad)】 むむむ……

Choice: (5) 何か?
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1110004_020
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 ほわっ、ごめんなさい!
いや、なかなかページが進まないみたいだから、
ちょっと気になっちゃって……

voice: vo_adv_1110004_021
???:
【chara 111031 face 4 (sad)】 その本、慣れてないひとには難しいっていうか、
取っ付きにくいんじゃないかなーとか思って……

voice: vo_adv_1110004_022
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、やっぱり? だよね?

voice: vo_adv_1110004_023
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、でも!
でもね、ちょっと待とう?
ちょっとコツがあるの、ほんと。

voice: vo_adv_1110004_024
???:
【chara 111031 face 1 (normal)】 まず最初の章ね、いきなりここが一番の難所なんだけど。
コレ実は大したこと言ってないんで、飛ばしちゃって平気です。
ジジイなに言ってんだって感じの内容なんで。

voice: vo_adv_1110004_025
???:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 や、いい人なんだけどね?
孫と遊んでる分には陽気なおじーちゃんなんだけど、
【chara 111031 face 4 (sad)】 どうにも学者としては致命的に語りたがりで……

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voice: vo_adv_1110004_026
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、私?
ごめん、えーと私、真行寺由仁って言って……
【chara 111031 face 4 (sad)】 はい、ソレ書いた真行寺せんせーの孫です。すいません。

Choice: (6) お返しに名乗る。
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1110004_027
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 ほー、{player}君。ご丁寧にどうも。
歳は……【chara 111031 face 1 (normal)】 ふむ、私の方が上だね。

voice: vo_adv_1110004_028
由仁:
【chara 111031 face 1 (normal)】 で……話の続きいい?

voice: vo_adv_1110004_029
由仁:
【chara 111031 face 1 (normal)】 そう、だからね、一章は飛ばして二章目から入ってもらって。
三章四章は、【chara 111031 face 6 (surprised)】 まあ、ざっくり斜め読みでもたぶん大丈夫、うん。
【chara 111031 face 1 (normal)】 で、そっから先は……

voice: vo_adv_1110004_030
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、授業で使うってことは、レポートだよね?
【chara 111031 face 2 (joy)】 そしたら、外せない要点に付箋貼っとこうか。
ちょっとここ座っていい? カバンどかすね?

--- Switch scene ---

still display end
voice: vo_adv_1110004_031
由仁:
【chara 111031 face 1 (normal)】 …………

voice: vo_adv_1110004_032
由仁:
【chara 111031 face 1 (normal)】 ……と、まあ、大体そんな感じかな。

voice: vo_adv_1110004_033
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 あー……
なんか、ごめんね? 結局、付箋だらけにしちゃって。

voice: vo_adv_1110004_034
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 いきなり現れて一方的に喋り倒しちゃったよね。
【chara 111031 face 5 (shy)】 あー恥ずかし……急に顔熱くなってきた……

voice: vo_adv_1110004_035
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 私、根が基本ヒッキーで、友達とかも全然いないから、
たまに人と話す機会が到来するとヘンなスイッチ入っちゃって。
好きな分野だと余計に……

voice: vo_adv_1110004_036
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 今日も昼休みに星野さん【chara 111031 face 6 (surprised)】 ──あ、クラスのめっちゃ美人の子ね、
【chara 111031 face 4 (sad)】 ──に話しかけてもらったのに、私、自分の好きな本の話ばっか
しちゃって……【chara 111031 face 6 (surprised)】 たしか、なんか、弟さんの話だったはずなのに……

voice: vo_adv_1110004_037
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 そう、だから{player}君も、ごめんね?
おじーちゃんの本読んでる人なんてリアルに遇ったの初めてだから、
【chara 111031 face 6 (surprised)】 感激っていうか、ほわァーってなっちゃって……

voice: vo_adv_1110004_038
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 もーほんとごめんね?
引いたよね? ワケわかんなかったでしょ?

Choice: (7) 楽しかった。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1110004_039
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 あ、ほんと!?
【chara 111031 face 2 (joy)】 良かったあ、じゃあ他の本もついでに──

voice: vo_adv_1110004_040
由仁:
【chara 111031 face 3 (anger)】 ──いや待て私。
そういう社交辞令をいちいち真に受けちゃうのがよくない私。

voice: vo_adv_1110004_041
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 はー、だめだなー……
社会って難しいよね、オンでもオフでも。

voice: vo_adv_1110004_042
由仁:
【chara 111031 face 4 (sad)】 いや……私、昨日もオンラインゲームで下手やっちゃって。
フレンドの人たち、気にすんなって言ってくれたけど、
はー、なんか申し訳なくてログインし辛いなぁ……

voice: vo_adv_1110004_043
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 え? ユーザーID? って私の?

voice: vo_adv_1110004_044
由仁:
【chara 111031 face 1 (normal)】 うん……べつに、教えるのはいいけど……

voice: vo_adv_1110004_045
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 え、それってもしかして……
端的に換言すると、フレンドになろうってこと?

voice: vo_adv_1110004_046
由仁:
【chara 111031 face 6 (surprised)】 はー……

voice: vo_adv_1110004_047
由仁:
【chara 111031 face 2 (joy)】 ……ふへへ。

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1110004_048
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 はい、お疲れさま。

voice: vo_adv_1110004_049
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 今あんたが見てたのは夢みたいなものよ。
と言っても、どうせ起きたら忘れちゃうし、
とりあえずは気にしなくていいわ。

voice: vo_adv_1110004_050
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 間もなく、あんたとユニは、
『象牙の塔』の元いた場所で目を覚ます。

voice: vo_adv_1110004_051
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 ユニは学者肌だから、
他の子みたいに「なんだ夢か」で納得しないかもしれない。
【chara 190011 face 2 (joy)】 理解不能すぎて、逆に探究心が疼いちゃったりしてね?

voice: vo_adv_1110004_052
アメス:
【chara 190011 face 4 (sad)】 だけど残念ながら、この「夢」は記憶に留まらない。
記録にも残せないし、考察も検証もままならない。

voice: vo_adv_1110004_053
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 世界の虚構……だっけ?
ユニの言う研究テーマ。
【chara 190011 face 4 (sad)】 気の毒だけど、あれも徒労に終わるわ。

voice: vo_adv_1110004_054
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 彼女も、他のあらゆる賢者も、
世界に対する疑いを持ち続けることは出来ないのよ。

voice: vo_adv_1110004_055
アメス:
【chara 190011 face 6 (surprised)】 何故って、【chara 190011 face 1 (normal)】 今この世界はそういう風に出来てるから。
どれだけ賢くても到達できない真理が、この世界にはあるの。

voice: vo_adv_1110004_056
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】 だけど……

voice: vo_adv_1110004_057
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】 ユニ、前に言ってたわよね。
結果より過程が大事だって。
知ろうとすること自体が目的なんだって。

voice: vo_adv_1110004_058
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】 だったら、それは彼女にとって有意義な時間。
徒労だなんて軽率に決めつけるものじゃないわね……

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1110004_059
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 ふぁ~あふ……

voice: vo_adv_1110004_060
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 おはよう世界、今日も欺いているね。

voice: vo_adv_1110004_061
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 やあ、後輩も。
目覚めたようだな、いい夢は見られたかい?

voice: vo_adv_1110004_062
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ふむ、覚えていない。
【chara 111011 face 1 (normal)】 だろうな。ぼくもだよ。

voice: vo_adv_1110004_063
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 なにやら大いなる真実の一片に触れたような……
些細にして壮大な幕間を垣間見たような……

voice: vo_adv_1110004_064
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 ううむ、メモの取りようもない……
得も言われぬ気付きの余韻だけが残って、実に妙な心地だ。

voice: vo_adv_1110004_065
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 しかし「覚えていないということ」を覚えているのは幸いだ。
【chara 111011 face 1 (normal)】 この不自然な体験は、折からの仮説に少なからぬ強度を加えた。
【chara 111011 face 2 (joy)】 今ぼくは大変に高揚している。ひゃほう。

voice: vo_adv_1110004_066
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 では同志よ、ここで改めて、中断された話の続きをしよう。
新たな題目は『世界にわだかまる──』
【chara 111011 face 6 (surprised)】 あれ? なんだっけ? また度忘れした……

voice: vo_adv_1110004_067
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 ええと、どうしよう。
【chara 111011 face 6 (surprised)】 そうだ、とりあえずメモを……

voice: vo_adv_1110004_068
ユニ:
【chara 111011 face 2 (joy)】 うん、そうだ、『世界にわだかまる根源的な虚構』、これだ。

voice: vo_adv_1110004_069
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 そう、これなのだよ。
まさにこの忌まわしい忘却現象。

voice: vo_adv_1110004_070
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 認識阻害という形で、常に世界はぼくらに作用している。
【chara 111011 face 6 (surprised)】 今まさに、世界は我々に何か大きな嘘をついている──

voice: vo_adv_1110004_071
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 ──というのが、ぼくの提唱する大胆かつ革新的な仮説だ。
どうかね同志。ぼくの論文を手伝ってくれまいか。

Choice: (8) よくわからない。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1110004_072
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 だろうな。

voice: vo_adv_1110004_073
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 真実は必ずしも幸福を担保しない。
知らないままでいるのも選択の一つだろう。

voice: vo_adv_1110004_074
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 いや、君が研究に無関心でも一向に構わない。
【chara 111011 face 1 (normal)】 元より、ぼくが君に求めるのは、実利的な助勢ではないのさ。

voice: vo_adv_1110004_075
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ただ、ときおり、こうして与太話に付き合ってくれればいい。
【chara 111011 face 1 (normal)】 思えば、ぼくが『山』を下りて『街』へ来たのは、
話に聞く学園生活とやらに興味があったからなんだ。

voice: vo_adv_1110004_076
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 あー、つまりだね。

voice: vo_adv_1110004_077
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 端的に換言すれば、ぼくは友達が欲しいんだ。

voice: vo_adv_1110004_078
ユニ:
【chara 111011 face 4 (sad)】 むろん無理強いはしないが、うむ……どうだろうか。

Choice: (9) とっくに友達だと思ってるけど。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1110004_079
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 えっ、そうなの。

voice: vo_adv_1110004_080
ユニ:
【chara 111011 face 1 (normal)】 なるほど、そうだったのか……
これが友情……さほど特別なことでもないのだね。

voice: vo_adv_1110004_081
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ん? ということは?
ぼくはすでに青春を始めている……?

voice: vo_adv_1110004_082
ユニ:
【chara 111011 face 6 (surprised)】 ……なんだ、
【chara 111011 face 2 (joy)】 だから最近のぼくは毎日に充実を感じていたのか。

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 初めての気付きにしみじみと感じ入るユニ。
それに対して笑顔で頷く{player}であった。