クレジッタ 第8話
クレジッタは夢の中で、敵と称した少女とゲーム対決に耽る。目が覚めたクレジッタは財政に苦しむ国のために、所有する財宝を還元することを決意し、財宝が無くても信頼できる人々がいるから大丈夫だと語る。
-------------- situation:
海外から来た商人(死闘)
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
クレジッタに屋台でラーメンを奢ってもらった帰り道。
{player}は、
酔っぱらったクレジッタを引きずって歩いていた。
voice: vo_adv_1180008_000
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
ぅ、う~ん……飲みすぎましたわ……
あのクソ貴族どもと飲んだ後なのに……
ラーメン屋のおやじが、勧めるものだから……ヒック。
Choice: (1) しっかりして。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1180008_001
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
ぅぅ……バ、バランスが……
貴方、ちょっと肩貸しなさいな……
voice: vo_adv_1180008_002
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
まったく……我ながら、情けないですわね。
けれど……
voice: vo_adv_1180008_003
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
わたくし……これでも、一生懸命やっておりますのよ?
【chara 118011 face 6 (surprised)】
特に最近は……
陛下のため……ひいては、この国の人々のため……
voice: vo_adv_1180008_004
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
安月給で、朝から晩まで……身を粉にして働いて……
帳簿を改ざんしたい誘惑にも、必死に抗って……
voice: vo_adv_1180008_005
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
でもでも、文官たちはポッと出のわたくしの言うことを
なかなか聞いてくれませんし……?
【chara 118011 face 4 (sad)】
おまけに国庫は火の車で……税収もなかなか回復しませんし……
Choice: (2) あ……
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1180008_006
クレジッタ:
【chara 118011 face 3 (anger)】
ちょっとぉ……貴方、聞いてますのっ?
Choice: (3) 光が……!
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1180008_007
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
ひかりぃ?
ん~、もう朝ですの……?
voice: vo_adv_1180008_008
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
それなら、仕事を始めませんと……
今日も、バリバリ…………ん~~~…………
--- Switch scene ---
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}は、
偶然出会ったクレアという女性を道案内がてら
なぜか彼女の身の上話を聞かされていた。
voice: vo_adv_1180008_009
クレア:
【chara 118031 face 1 (normal)】
『先程も言いましたけれど。
わたくし、投資家を生業にしておりますの』
voice: vo_adv_1180008_010
クレア:
【chara 118031 face 2 (joy)】
『今のご時世は便利ですわね。
【chara 118031 face 1 (normal)】
先を読む目、そして一握りの幸運さえあれば
部屋から一歩も出ることなく巨万の富を築くことが可能なのですから』
voice: vo_adv_1180008_011
クレア:
【chara 118031 face 2 (joy)】
『ええ、そうです。
わたくし、投資によってほぼ一文無しから
億万長者まで成り上がりましたのよ。【chara 118031 face 4 (sad)】
……ですけど……』
voice: vo_adv_1180008_012
クレア:
【chara 118031 face 4 (sad)】
『きっと調子に乗り過ぎたのでしょうね。
顔も見たこともない、ネット上の繋がりだけの相手を……
つい信用してしまって。稼ぎの大半を、奪い去られてしまいましたわ』
voice: vo_adv_1180008_013
クレア:
【chara 118031 face 4 (sad)】
『おかげでわたくしそれ以来、完っ璧に人間不信なのです。
現地のガイドを雇うこともせず、自分の目で見て
お人よしそうだと判断した少年に道案内させるほどにね』
voice: vo_adv_1180008_014
クレア:
【chara 118031 face 4 (sad)】
『結局、その詐欺師の行方は杳として知れず。
【chara 118031 face 3 (anger)】
今日会う予定の相手はまた別の……憐れなわたくしを
回線越しに罵り、嘲笑った、許しがたい人物なのですわ』
voice: vo_adv_1180008_015
クレア:
【chara 118031 face 1 (normal)】
『さてさて!
ようやく到着しましたわね椿ヶ丘グランドホテル!』
voice: vo_adv_1180008_016
クレア:
【chara 118031 face 2 (joy)】
『ここまで来たら一蓮托生。
貴方も一緒に、乗り込みますわよ!
【chara 118031 face 3 (anger)】
わたくしが憎い“あの女”を倒す瞬間を、見届けさせて差し上げるわ!』
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
そして{player}は、
クレアにとっての“敵”が待つというホテルに乗り込むが……
voice: vo_adv_1180008_017
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『くっ……!
奇襲ですって!?
貴女、よくも……!』
voice: vo_adv_1180008_018
クレア:
【chara 118031 face 5 (shy)】
『ああっ!? は、離しなさい! 【chara 118031 face 3 (anger)】
それは……反則でしょうっ!?』
voice: vo_adv_1180008_019
クレア:
【chara 118031 face 5 (shy)】
『っ! 少年まで罠にかけるなんてっ……!』
voice: vo_adv_1180008_020
クレア:
【chara 118031 face 4 (sad)】
『イ、イヤっ!
そんな、そんなことって!
いやああああ~~~っ!!!』
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1180008_021
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
はい。
私の勝利です。
voice: vo_adv_1180008_022
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『っきぃいいいっ!!
どうしてっ!?
どぉぉぉして勝てませんのぉ~~っ!?』
voice: vo_adv_1180008_023
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
もちろん、私の方が『上』だからです。
そしてこれで、これまでの対戦成績が
回線速度の問題ではないことが証明されましたね。
voice: vo_adv_1180008_024
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
そもそもこんなレトロな対戦格闘ゲームで、遅延を言い訳に負けを
認めないほうがありえないんです。今西暦何年だと思ってるんですか
そちらの地元はダイヤルアップしかない未開の地とかだったんですか?
voice: vo_adv_1180008_025
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『んもおおぉっ!
ボイチャでも対面でも変わりませんわね貴女の煽り口はぁぁっ!』
Choice: (4) ええと……
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1180008_026
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
初めまして。
挨拶が遅れて申し訳ありません。
私は、クレアさんの……ゲーム仲間、とでも言いますか。
voice: vo_adv_1180008_027
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『仲間などではありませんわっ!
怨敵ですわよ、怨敵っ!』
voice: vo_adv_1180008_028
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
はいはい。
その怨敵のいる国にまでわざわざやって来て、
オフ会をしようと言ったのはクレアさんですけどね。
voice: vo_adv_1180008_029
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
……まさか、地元の男子学生を引っかけてくるとは
さすがに予想外でしたが。
voice: vo_adv_1180008_030
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『フン!
第三者の、公平な審判役が必要だと思いましたのよ!』
voice: vo_adv_1180008_031
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
審判役も、ふつうに参戦してましたけどね……
しかもあわよくば、挟み撃ちを狙っていたようですし。
voice: vo_adv_1180008_032
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『なんですのなんですのっ!
ひと様を卑怯者みたいに言って!
多人数戦の乱闘ゲームなのですから、当然の戦略ですわ!』
voice: vo_adv_1180008_033
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『コンテニュー! コンテニューしますわよわたくし!
一度や二度の敗北では、引き下がって差し上げませんからね!?』
voice: vo_adv_1180008_034
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
いいでしょう。
そちらお得意の体力勝負になる前に、心をへし折って差し上げます。
Choice: (5) …………
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1180008_035
クレア:
【chara 118031 face 6 (surprised)】
『……?
何ですの少年。そんなにじっとこちらを見て。』
Choice: (6) 仲が良いな、って思って……
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1180008_036
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『はあぁっ!?
貴方の目は節穴でいらっしゃって!?
それともおたふく豆でも詰まってらっしゃるのかしら!?』
Choice: (7) ええと……
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1180008_037
少女:
【chara 1 face 1 (normal)】
……どうです。
面白い人でしょう。
Choice: (8) はい。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1180008_038
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『ちょっとちょっと!
何をコソコソ話しておりますの!?
審判役と馴れ合わないでくださいましね苺さん!』
voice: vo_adv_1180008_039
苺:
【chara 1 face 1 (normal)】
おっと──隙アリ、です。
voice: vo_adv_1180008_040
クレア:
【chara 118031 face 5 (shy)】
『ああああああっ!?!?
アイテム連続からの即死ハメは卑怯にもほどがありますわよ
貴女ああぁぁっ!!?』
voice: vo_adv_1180008_041
苺:
【chara 1 face 1 (normal)】
──フ。
voice: vo_adv_1180008_042
クレア:
【chara 118031 face 5 (shy)】
『鼻で嗤いましたわね!?
今わたくしのこと鼻で嗤いましたわね!?
【chara 118031 face 3 (anger)】
きぃぃぃ~~~っ!!!!』
voice: vo_adv_1180008_043
クレア:
【chara 118031 face 3 (anger)】
『も~~~怒りましたわ!! 堪忍袋の緒がブチ切れですわ!!
mimiを起動なさい貴方たち!!
次はレジェンドオブアストルムで決着をつけますわよ~~っ!!』
still display end
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
──こうして{player}は、
その日遅くまで彼女たちのゲーム対決に巻き込まれたのだった。
voice: vo_adv_1180008_044
クレア:
【chara 118031 face 6 (surprised)】
『ところで……貴女がプレゼントしてくれたこのシャツ。
何て書いてありますの?
わたくし、漢字は苦手なのですけれど……』
voice: vo_adv_1180008_045
苺:
【chara 1 face 1 (normal)】
ああ、それ。
わざわざ赤道を越えて来日したクレアさんに、
ピッタリのフレーズですよ。
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1180008_046
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
ん、んん……
voice: vo_adv_1180008_047
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
おや。
お目覚めですか、クレジッタさま。
voice: vo_adv_1180008_048
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
んんん……もう朝ですの……?
【chara 118011 face 6 (surprised)】
って、わたくしどうして王宮に……
voice: vo_adv_1180008_049
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
昨夜、へべれけになっていたクレジッタさまを
あの少年が運んできてくれたそうですよ。
あとでお礼の一つでもしたほうが良いでしょう。
voice: vo_adv_1180008_050
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
そうでしたか……
【chara 118011 face 4 (sad)】
……そうですわね。
voice: vo_adv_1180008_051
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
……にしても……何か、おかしな夢を見ていたような……
voice: vo_adv_1180008_052
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
クレジッタさま?
そろそろ始業の時間ですが。
voice: vo_adv_1180008_053
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
……秘書1号。
現在の優先業務は?
voice: vo_adv_1180008_054
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
課題は諸々ありますが。
差し当たっては、当面の国費の捻出ですね。
【メルクリウス財団】に頭を下げて、公債でも買ってもらいますか?
voice: vo_adv_1180008_055
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
それは、いずれは必要になるでしょうけれど……
voice: vo_adv_1180008_056
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
……まず先に。
ちょっと付き合いなさいな、秘書1号。
voice: vo_adv_1180008_057
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
構いませんが。
どちらへ?
voice: vo_adv_1180008_058
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
──【リッチモンド商工会】です。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1180008_059
クレジッタ:
【chara 118011 face 2 (joy)】
フフッ……
フフフッ……♪
voice: vo_adv_1180008_060
クレジッタ:
【chara 118011 face 2 (joy)】
ホーッホッホッホ♪
ご覧あそばせ秘書1号っ♪
我が【リッチモンド商工会】の宝物庫をっ!!
voice: vo_adv_1180008_061
秘書:
【chara 6111 face 4 (sad)】
しばらく留守にしていたせいで、もう埃が……
あぁ、掃除したい……
voice: vo_adv_1180008_062
クレジッタ:
【chara 118011 face 7 (special_a)】
輝ける金銀財宝ッ! 最高級の芸術品の数々ッ!
ここにこうしていると、心が満たされていくようですわ~っ♪
voice: vo_adv_1180008_063
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
……ゴウシン議長に使い込まれる前に反乱が失敗して、幸いでしたね。
おかげで、この宝物庫の資産は私たちが公務員になる前のままです。
voice: vo_adv_1180008_064
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
わたくしも無事、【リッチモンド商工会】のギルドマスターに
再任させていただいて。【chara 118011 face 2 (joy)】
おかげで、この宝物庫を取り返せました♪
さすが陛下、甘っちょ……寛大なお方ですこと♪
voice: vo_adv_1180008_065
クレジッタ:
【chara 118011 face 4 (sad)】
ですが……隆盛を誇った【リッチモンド商工会】も。
以前のようなギルド活動は、
わたくしの身体が分裂しない限りできませんわね……
voice: vo_adv_1180008_066
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
まあ、これまでクレジッタさまの手足となっていた人材は
残っていますから。
今でも政府の下請け組織として、大いに役立っていますが……
voice: vo_adv_1180008_067
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
あのお排泄物議長が居なくなって。やろうと思えば、
前よりも利益の誘導や帳簿の改ざんはしやすくなりましたわ。
ですけれど……
voice: vo_adv_1180008_068
クレジッタ:
【chara 118011 face 3 (anger)】
秘書1号。
今朝の仕事は──この宝物庫の、清算ですわよ。
これらすべて、国庫へと還元いたします。
voice: vo_adv_1180008_069
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
……
かしこまりました。
voice: vo_adv_1180008_070
秘書:
【chara 6111 face 4 (sad)】
ですが……宜しいのですか、クレジッタ・タワーは?
voice: vo_adv_1180008_071
クレジッタ:
【chara 118011 face 6 (surprised)】
……宜しくはありません。
宜しくはありませんけれど、でも……
voice: vo_adv_1180008_072
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
金銀財宝を、拠り所にしなくても。
自らの成功の証を、形にしなくても。
【chara 118011 face 2 (joy)】
今のわたくしは、きっと……やっていけますわ。
voice: vo_adv_1180008_073
クレジッタ:
【chara 118011 face 1 (normal)】
だって、わたくしには陛下や貴女がいて。
あの少年も、力になってくれますもの。
それに……
voice: vo_adv_1180008_074
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
……それに?
voice: vo_adv_1180008_075
クレジッタ:
【chara 118011 face 2 (joy)】
それに、考えてもみれば?
今やわたくし、陛下より国庫の管理を任されている身ですからして?
voice: vo_adv_1180008_076
クレジッタ:
【chara 118011 face 2 (joy)】
これらを国庫に還元したとしても!
わたくしの管理下であることには変わりありませんでしてよっ!?
【chara 118011 face 7 (special_a)】
いえ! この国の資産、すべてがわたくしのものと言っても過言では──
voice: vo_adv_1180008_077
秘書:
【chara 6111 face 6 (surprised)】
なるほど、そうですか。
メモメモ……
voice: vo_adv_1180008_078
クレジッタ:
【chara 118011 face 5 (shy)】
ちょっとちょっと!
陛下へのチクりメモを書くんじゃありませんっ!
今のは冗談に決まってますわよ~っ!!
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
──元商人、クレジッタ・キャッシュ。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
かつては金銭以外なにも信じられなかった彼女も、
ペコリーヌや{player}らと触れ合うことにより
徐々にその心境が変化しているようだった。