クルミ(ステージ) 第4話
くるみは出演した演劇コンクールで最優秀賞を受賞した。{player}に花束を贈られ、嬉しさを語るくるみ。夢から覚めた後、眠る彼に芝居のセリフになぞらえて「だいすきです」と伝えるのだった。
-------------- situation:
いつか、私の言葉で
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
{player}はクルミと二人、牧場で牛の世話をしていた。
voice: vo_adv_1213004_000
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
よいしょ、よいしょっと。
【chara 121311 face 1 (normal)】
見ててくれましたか、お兄ちゃん!
干し草運びもだいぶ板についてきました。
voice: vo_adv_1213004_001
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
もう転んだりしませんよ、私。
牛:
【chara 0 face 1 (normal)】
モォー
voice: vo_adv_1213004_002
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
それにしても、いいお天気……♪
牧場は空気もいいし、空も高くて、
【chara 121311 face 1 (normal)】
いつまでもいたくなっちゃいますぅ。
voice: vo_adv_1213004_003
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
今日のお仕事はこれでだいたい終わりかな。
夕方になったら牛さんを牛舎に連れて……
voice: vo_adv_1213004_004
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
あれ?
1、2、3……
voice: vo_adv_1213004_005
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
お、お兄ちゃん。
牛さんが一頭足りません!
【chara 121311 face 4 (sad)】
さっきまでいたはずなんですけど、一番小さい子……
Choice: (1) 一緒に捜そう。
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1213004_006
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
牛さん、牛さーん!
どこに行っちゃったのかな……
voice: vo_adv_1213004_007
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
見える範囲にはいないし……
voice: vo_adv_1213004_008
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
もしかして、あの柵のところ……壊れてるのかな?
【chara 121311 face 3 (anger)】
行きましょう。お兄ちゃん!
voice: vo_adv_1213004_009
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
……ここ、日当たりが良くて牧草がたくさん生えてますぅ。
草を食べに来て、もっと欲しくなって移動しちゃったみたいですね。
voice: vo_adv_1213004_010
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
草を食べてたとすると……こっちかな。
【chara 121311 face 1 (normal)】
ちょっと足跡が残ってますよ、ほら。
【chara 121311 face 2 (joy)】
あ! 牛さん見つけた!
voice: vo_adv_1213004_011
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
よかったぁ……どこに行っちゃったのかと思いましたよぅ。
ダメでしょう、いきなりいなくなっちゃったら。
牛:
【chara 0 face 1 (normal)】
ンモー
voice: vo_adv_1213004_012
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
ここの草が食べたかったの?
【chara 121311 face 2 (joy)】
ふふっ、そうですねぇ。菜の花にクローバーにタンポポに。
春のお花が満開で、柔らかい牧草もたくさん。
voice: vo_adv_1213004_013
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
ご馳走たくさんだったんですねぇ♪
【chara 121311 face 1 (normal)】
それじゃあもう少し食べていきますか?
遠くに行かないようにロープは繋がせてね。
voice: vo_adv_1213004_014
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
私たちも少し休憩しましょうか、【chara 121311 face 6 (surprised)】
って。
お兄ちゃん? どこを見て……
Choice: (2) あっちの方に劇場がある。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1213004_015
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
あっ! 本当!
ここ、舞台に向かう近道だったんだ。
【chara 121311 face 1 (normal)】
秘密の通路みたいでうれしくなっちゃいますね。
voice: vo_adv_1213004_016
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
最初に牧場のステージをやったのが、
ずいぶん前のことみたいな、不思議な感じ。
それほど時間は経ってないはずなのに。
voice: vo_adv_1213004_017
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
そういえば、ステージには立ったけど。
客席に座るのは、初めてかも。
voice: vo_adv_1213004_018
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
舞台の上、こんなふうに見えてたんだ……
【chara 121311 face 6 (surprised)】
舞台の上から見下ろすよりも、ずいぶん高く見えるなぁ。
voice: vo_adv_1213004_019
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
それに、ちょっと眩しい……
【chara 121311 face 6 (surprised)】
え……!?
--- Switch scene ---
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
くるみは繁華街の市民ホールで行われた、
演劇コンクールに出演していた。
voice: vo_adv_1213004_020
アナウンスの声:
【chara 1 face 1 (normal)】
最優秀賞は……栗林くるみさん!
voice: vo_adv_1213004_021
部員:
【chara 1 face 1 (normal)】
おめでとう、栗林さん!
voice: vo_adv_1213004_022
くるみ:
【chara 102131 face 6 (surprised)】
わ、私……!?
Choice: (3) おめでとう、くるみちゃん。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1213004_023
くるみ:
【chara 102131 face 6 (surprised)】
お、お兄ちゃん!?
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1213004_024
くるみ:
【chara 102131 face 6 (surprised)】
大きな花束……! これ、私に?
【chara 102131 face 2 (joy)】
どうしよう、夢みたい……!
voice: vo_adv_1213004_025
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
私、ちゃんと演じられてた……?
voice: vo_adv_1213004_026
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
小学生でこの役は難しいよって、
何度も役を変えた方がいいって言われたけど
【chara 102131 face 2 (joy)】
挑戦して、よかった!
voice: vo_adv_1213004_027
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
本当は、やっぱり難しくて。
何度も何度も台本を読みなおしたり、
不安になって一人で残って稽古をしたり……
voice: vo_adv_1213004_028
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
私が失敗して、部員のみんなに迷惑を掛けたらって
考えたら【chara 102131 face 4 (sad)】
こわくて逃げ出したくなったりもしたの。
voice: vo_adv_1213004_029
くるみ:
【chara 102131 face 3 (anger)】
でもどうしても、挑戦したい役だったから。
【chara 102131 face 2 (joy)】
頑張って、よかったですぅ。
voice: vo_adv_1213004_030
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
それにね、部員の子が台詞を間違えちゃったけど
助けてあげられたんですよ♪
voice: vo_adv_1213004_031
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
私、いつもはみんなに助けてもらってばっかりだから
今日はそのお礼ができたかな……♪
voice: vo_adv_1213004_032
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
それに……やっぱり、みんなで何かを作り上げるのって
とっても楽しい!
voice: vo_adv_1213004_033
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
お兄ちゃん、今日は観に来てくれてありがとう。
【chara 102131 face 1 (normal)】
誰にも言ってないけど……
voice: vo_adv_1213004_034
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
今日私が、こんなふうに表彰してもらえたのは
【chara 102131 face 2 (joy)】
お兄ちゃんが応援しに来てくれたおかげですぅ。
voice: vo_adv_1213004_035
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
お兄ちゃんが来てくれると、
何もかもうまくいく気がするから。
ちょっと不思議な、私の心のお守り、みたい……
Choice: (4) いつでも、応援してるよ。
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1213004_036
くるみ:
【chara 102131 face 6 (surprised)】
ひゃわっ!?
急に頭を撫でるのは、ダメですぅ……
【chara 102131 face 2 (joy)】
なんて……ふふ、もう慣れちゃいました♪
voice: vo_adv_1213004_037
くるみ:
【chara 102131 face 1 (normal)】
お兄ちゃん、また公演を観に来てくれますか?
Choice: (5) もちろん。
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1213004_038
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
ふふっ。
約束ですよ♪
voice: vo_adv_1213004_039
くるみ:
【chara 102131 face 2 (joy)】
私、もっともっと練習して、
素敵な演技ができるようになりますから!
voice: vo_adv_1213004_040
くるみ:
【chara 102131 face 5 (shy)】
お兄ちゃんには、私の一番いい舞台を、観てほしいから……
voice: vo_adv_1213004_041
くるみ:
【chara 102131 face 6 (surprised)】
あれ……? スポットライトが……眩し……
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1213004_042
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
はーい、お疲れさま。
【chara 190011 face 2 (joy)】
素敵なステージだったのね?
voice: vo_adv_1213004_043
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
それにしても大きな花束! やるじゃない!
クルミちゃんにもよく似合ってたわ。
voice: vo_adv_1213004_044
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
やっぱりあんたが見守っててあげると、
リラックスできるのかしら?
voice: vo_adv_1213004_045
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
いい演技ができるってことが、
【chara 190011 face 2 (joy)】
彼女の自信にもなってるみたいだし。
voice: vo_adv_1213004_046
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
この調子で、あんたはずっと
彼女の一番のファンでいてあげなさいね。
それじゃあ、またね~!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1213004_047
クルミ:
【chara 121311 face 4 (sad)】
ん……ここは……
【chara 121311 face 6 (surprised)】
牧場の、舞台……?
voice: vo_adv_1213004_048
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
あ。お兄ちゃんも眠っちゃってる。
【chara 121311 face 1 (normal)】
今日は牧場のお手伝い、ずっとやってくれてたし。
疲れてるよね。
voice: vo_adv_1213004_049
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
もう少しだけ、寝かしておいてあげようかな。
voice: vo_adv_1213004_050
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
お兄ちゃんの、寝顔……
ちょっとだけ、子供っぽく見えるかも……
voice: vo_adv_1213004_051
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
お兄ちゃん……私、お兄ちゃんのことが……
【chara 121311 face 5 (shy)】
なんて。絶対に伝えられないって、わかってるの……
まだ言えない、って。
voice: vo_adv_1213004_052
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
だけど……【chara 121311 face 3 (anger)】
だけど!
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1213004_053
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
『ああ、あのかたの面影を想うたびに』
voice: vo_adv_1213004_054
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
ふっと思い浮かんだ……この台詞。
そうだ、片思いするお姫様のお話。
昔何度も読んで憧れたお芝居。
voice: vo_adv_1213004_055
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
嵐で流れ着いた異国の王子様に、
【chara 121311 face 4 (sad)】
好きですって伝えられなくて切ない思いをするお話。
voice: vo_adv_1213004_056
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
……なんだか、私と……似てる?
私はお姫様じゃないけど、【chara 121311 face 1 (normal)】
この気持ち……
昔より、よくわかるような気がします。
voice: vo_adv_1213004_057
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
『私の心は、いつも揺れるのです。
どこか遠い国から来たあなた。
【chara 121311 face 3 (anger)】
思いを決して告げてはならぬと、知ってはいるけれど……』
voice: vo_adv_1213004_058
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
『けれどあなたを想うたび私の胸は高鳴るの。
頬は熱くなってしまうのです。
【chara 121311 face 1 (normal)】
寝ても覚めても、浮かぶのはあなたのことばかり』
voice: vo_adv_1213004_059
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
『この胸の内を伝えることができるならば、
私はきっとあなたに花を差し出して
ただ一言告げるでしょう』
voice: vo_adv_1213004_060
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
『私のわがままだと、わかっていても、
お互いの立場が許さないとしても。
【chara 121311 face 1 (normal)】
私はあなたにいつか、聞いてほしいの』
voice: vo_adv_1213004_061
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
『だいすきです、と……
ただ、それだけを』
Choice: (6) …………
----- Tag 6 -----
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1213004_062
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
お……
お兄ちゃん!?
まさか、起きて……!?
voice: vo_adv_1213004_063
クルミ:
【chara 121311 face 4 (sad)】
いいい、い、今の、聞いてましたか!?
聞いちゃいました……か!?
Choice: (7) 今さっき起きたところだよ。
Choice: (8) 何が大好きなの?
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1213004_064
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
よかった……
【chara 121311 face 6 (surprised)】
ううん、全然よくないけど!
【chara 121311 face 4 (sad)】
あぁ、聞かれちゃいましたぁ……
voice: vo_adv_1213004_065
クルミ:
【chara 121311 face 5 (shy)】
えっと、あの……
今のはなかったことにしてください!
Jump to tag 9
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1213004_066
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
そそそ、それはっ!
【chara 121311 face 4 (sad)】
秘密ですぅ! 絶対の秘密、なので!
内緒ですからぁ……!
voice: vo_adv_1213004_067
クルミ:
【chara 121311 face 5 (shy)】
わ、忘れてくださいね。お願いですぅ!
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1213004_068
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
いつか……
いつか、言えるようになったら、ちゃんと言いますから。
voice: vo_adv_1213004_069
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
まだお兄ちゃんに言うには、準備ができてないから。
【chara 121311 face 1 (normal)】
でも、ちゃんと伝えるつもりです。
Choice: (10) 待ってるよ。
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1213004_070
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
……!
【chara 121311 face 2 (joy)】
はい。お願いしますぅ。
voice: vo_adv_1213004_071
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
お兄ちゃん、最後以外は聞いてなかったみたい。
ほっとしたような、残念なような……
【chara 121311 face 6 (surprised)】
ううん、残念じゃないけど! ほっとした、けど……!
voice: vo_adv_1213004_072
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
いつか、お兄ちゃんには伝えたいな。
【chara 121311 face 1 (normal)】
ちゃんと、私の……気持ちを。
voice: vo_adv_1213004_073
クルミ:
【chara 121311 face 2 (joy)】
あ! せっかくだからお兄ちゃんも、役者さんになりませんか?
そうしたら……
Choice: (11) そうしたら?
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1213004_074
クルミ:
【chara 121311 face 1 (normal)】
さっきのセリフも、お兄ちゃんが相手なら、
自然に伝えられるのにな、なんて。
voice: vo_adv_1213004_075
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1213004_076
クルミ:
【chara 121311 face 4 (sad)】
…………私今何かすごく
大それたことを考えたような!?
voice: vo_adv_1213004_077
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
落ち着いて落ち着いて……っ
【chara 121311 face 5 (shy)】
だめ、頬っぺたが熱くなってきちゃう。
voice: vo_adv_1213004_078
クルミ:
【chara 121311 face 6 (surprised)】
あ、あの、牛さんもそろそろお腹いっぱいみたいだし
牛舎に戻りましょう!
【chara 121311 face 1 (normal)】
ね!
牛:
【chara 0 face 1 (normal)】
ンモーォ。
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
赤くなった頬を隠すように急ぎ足で歩き出すクルミ。
その理由を知らないまま、{player}は後を追うのだった。