シオリ(レンジャー) 第4話
病弱ゆえ、希望を抱けずにいた栞は野良猫を拾う。ニャットちゃんと呼んで世話をするが、飼い主が決まってしまう。別れの間際、栞はこの小さな命に救われたことを実感し、前向きな気持ちを取り戻すのだった。
-------------- situation:
明日への希望と小さな約束
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
任務を終え、ハンターズギルドの敷地内で
訓練を行っていたシオリとニャットちゃんは、
木陰でつかの間の休息を満喫していた。
voice: vo_adv_1254004_000
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
かゆいところはないでちゅか~?
ニャット:
【chara 2312 face 2 (joy)】
グルルッ♪
Choice: (1) なにやってるの?
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1254004_001
シオリ:
【chara 125414 face 6 (surprised)】
あっ……【chara 125414 face 4 (sad)】
今の聞いて……
ええと、ニャットちゃんのブラッシングを……
voice: vo_adv_1254004_002
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
ニャットちゃんの毛は長いので
絡まないように毎日梳いてあげてるんです。
voice: vo_adv_1254004_003
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
見てください。
おかげでつやつやな毛並みになりました。
こうやって顔をうずめると太陽の香りもして……ふふ♪
voice: vo_adv_1254004_004
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
今日は本当にいい天気ですね──
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1254004_005
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
…………
voice: vo_adv_1254004_006
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
数値が下がったらまた入院になる……
この間、退院したばかりなのに……
voice: vo_adv_1254004_007
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
学校、卒業できるのかな。
【chara 103831 face 4 (sad)】
そもそも、治るのかな。私……
voice: vo_adv_1254004_008
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
こんな状態で進路とか、将来の夢なんて……
なにを思い描けばいいんだろう。
voice: vo_adv_1254004_009
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
今日を乗り切るのに精一杯で、
『明日の私』も『その先の私』も想像できないのに。
voice: vo_adv_1254004_010
栞:
【chara 103831 face 3 (anger)】
……ううん、違う。
【chara 103831 face 4 (sad)】
本当は考えないようにしてるだけなのかも。
voice: vo_adv_1254004_011
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
私は明日が……その先の未来が、怖いから……
voice: vo_adv_1254004_012
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
……はぁ。
???:
【chara 3 face 1 (normal)】
にゃー
voice: vo_adv_1254004_013
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
え? 猫の鳴き声……?
一体どこから──
voice: vo_adv_1254004_014
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
……あっ!
もしかして、この排水溝から?
猫:
【chara 1711 face 1 (normal)】
にゃー
voice: vo_adv_1254004_015
栞:
【chara 103831 face 1 (normal)】
やっぱりそうだ。
一体どうやって入ったんだろう。
【chara 103831 face 4 (sad)】
ここの蓋を開けたら、助けられそうだけど……
voice: vo_adv_1254004_016
栞:
【chara 103831 face 3 (anger)】
んっ……
voice: vo_adv_1254004_017
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
……はぁはぁ。蓋が重すぎて息が……
心臓もバクバクいってるし、これ以上は無理かも……
voice: vo_adv_1254004_018
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
誰かの助けを借りないと……
voice: vo_adv_1254004_019
通行人1:
【chara 1031 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_1254004_020
通行人2:
【chara 1231 face 1 (normal)】
…………
voice: vo_adv_1254004_021
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
……誰にも声、掛けられない。
どうしよう。
猫:
【chara 1711 face 1 (normal)】
にゃー
voice: vo_adv_1254004_022
栞:
【chara 103831 face 3 (anger)】
やっぱり、自分の力で頑張るしかない。
もう一度──
Choice: (2) そこに猫がいるの?
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1254004_023
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
っ!
【chara 103831 face 3 (anger)】
そうなんです。あの……っ!
Choice: (3) 僕がやってみるよ。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1254004_024
栞:
【chara 103831 face 3 (anger)】
お願いします!
猫:
【chara 1711 face 1 (normal)】
にゃー
voice: vo_adv_1254004_025
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
あの、この子を助けてくれてありがとうございました。
voice: vo_adv_1254004_026
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
わわ、私の足にスリスリしてきます……!
【chara 103831 face 4 (sad)】
撫でたら、噛みつかれちゃいますかね……
それとも引っかかれるとか……
voice: vo_adv_1254004_027
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
…………
voice: vo_adv_1254004_028
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
や、柔らかいです……! それに温かい……!
いい子いい子♪
voice: vo_adv_1254004_029
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
この子、首輪はしてないですね。
【chara 103831 face 4 (sad)】
すごく汚れてるし、痩せてるし……飼い猫じゃないのかも。
【chara 103831 face 6 (surprised)】
耳に跡がないので、地域猫でもないようですし。
voice: vo_adv_1254004_030
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
それなら野良の猫ちゃんとか。
【chara 103831 face 4 (sad)】
誰かに捨てられちゃったのでしょうか……?
voice: vo_adv_1254004_031
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
くしゃみをしてるし、
病気なのかもしれません。
voice: vo_adv_1254004_032
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
……これからどうすればいいのかまだわかりませんが、
いったん、動物病院へ連れていこうと思います。
それで、その……
Choice: (4) 僕も一緒に行くよ。
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1254004_033
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
巻き込んでしまってすみません。
【chara 103831 face 2 (joy)】
でも、あなたが一緒なら……安心です。
voice: vo_adv_1254004_034
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
猫ちゃん、軽い風邪で済んで良かったです。
水をたっぷり与えて、ご飯を食べさせて、薬を飲ませてあげれば
すぐ健康な体になるって……
voice: vo_adv_1254004_035
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
問題は……この後ですね。
【chara 103831 face 1 (normal)】
……飼うことはできなくても、飼い主が見つかるまで。
私、お母さんに頼んで、我が家でお世話しようと思います。
voice: vo_adv_1254004_036
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
もちろん、反対されると思います。
【chara 103831 face 3 (anger)】
でもお姉ちゃんに協力してもらって、
納得してもらえるまで話してみます。
voice: vo_adv_1254004_037
栞:
【chara 103831 face 1 (normal)】
それから、掲示板やSNSを使って
家族になってくれる人を探してみます。
……【chara 103831 face 4 (sad)】
今の私にできるのは、それぐらいだから。
Choice: (5) 僕も力になる。
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1254004_038
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
本当に、すごく助かります。
ここは素直に、お言葉に甘えたいと思います♪
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
それから一か月が経ったある日──
voice: vo_adv_1254004_039
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
あっ!
来てくれたんですね!
voice: vo_adv_1254004_040
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
ニャットちゃんのことで、ちょっとお話があって。
あれからずいぶん元気になったんですよ。
Choice: (6) 『ニャットちゃん』ってもしかして……
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1254004_041
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
はい。名前を付けるつもりはなかったんですけど、
お姉ちゃんがそう名付けちゃって……
【chara 103831 face 2 (joy)】
今じゃ家族みんな、そう呼んでるんです。
voice: vo_adv_1254004_042
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
そのせいでかなり愛着が湧いちゃって……
写真も動画もニャットちゃんばかりになっちゃいました。
voice: vo_adv_1254004_043
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
ほら。この動画を見てください。
ニャットちゃんを抱っこした時なんですけど……
猫ってこんなに伸びるんですね。
voice: vo_adv_1254004_044
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
それに「骨はあるのかな?」って思うぐらい、
体がぐにゃぐにゃで……【chara 103831 face 2 (joy)】
『猫は液体』って本当でした。
voice: vo_adv_1254004_045
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
こっちの動画もかわいいんですよ。
お昼寝中のニャットちゃんなんですけど、お腹丸出しで寝ちゃって……
思わず顔をうずめちゃいました。
voice: vo_adv_1254004_046
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
ご飯をあげる時だけ声のトーンが甘くなったり、
撫でている時に鳴らすゴロゴロだったり……
家族みんな、メロメロです。
voice: vo_adv_1254004_047
栞:
【chara 103831 face 1 (normal)】
でもそれは私たちだけじゃありません。
……実は。
voice: vo_adv_1254004_048
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
実は、この子の飼い主が決まったんです。
一週間後、公園で会うことになりました。
ニャットちゃんとはそこでお別れです。
voice: vo_adv_1254004_049
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
立ち会いは、私に任せてもらいました。
それで、なんですが……
Choice: (7) 僕も一緒に行くよ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1254004_050
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
……良かった。
やっぱりあなたには私の気持ち、伝わっちゃいますね♪
voice: vo_adv_1254004_051
女性:
【chara 1 face 1 (normal)】
あなたが栞さんね。
それで、この子が……!
voice: vo_adv_1254004_052
女性:
【chara 1 face 1 (normal)】
我が家でも昔、猫を飼っていて……この子と同じ柄をしていました。
かならず、大切に育てますから。
voice: vo_adv_1254004_053
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
はい。どうかよろしくお願いします。
【chara 103831 face 4 (sad)】
それであの……最後に抱きしめさせてもらってもいいですか?
voice: vo_adv_1254004_054
女性:
【chara 1 face 1 (normal)】
もちろんです。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1254004_055
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
温かい……
voice: vo_adv_1254004_056
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
たったの一か月……
なのに、ずいぶん大きくなったね。
voice: vo_adv_1254004_057
栞:
【chara 103831 face 1 (normal)】
目ヤニを拭いて、ご飯をあげて、抱っこして……
【chara 103831 face 2 (joy)】
初めてのことばかりだったから、必死で……
毎日があっという間だったな。
voice: vo_adv_1254004_058
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
あなたの体調が急に悪くなった時は覚悟したけれど、
【chara 103831 face 2 (joy)】
この小さな体でそれを克服したね。
voice: vo_adv_1254004_059
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
助けたつもりが、救われたのは自分の方な気がした。
【chara 103831 face 2 (joy)】
だから私も負けずに、頑張っていくね。
voice: vo_adv_1254004_060
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
ニャットちゃん……その名前で呼ぶことはもうないけど
あなたのことを忘れないよ。
voice: vo_adv_1254004_061
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
短い間だったけど……
私のところへ来てくれてありがとう。
--- Switch scene ---
still display end
voice: vo_adv_1254004_062
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
あの、ありがとうございました。
もう大丈夫です。
voice: vo_adv_1254004_063
女性:
【chara 1 face 1 (normal)】
……そう。
それじゃ、我が家へ連れて帰るわね。
それと──
voice: vo_adv_1254004_064
女性:
【chara 1 face 1 (normal)】
良かったら、この子に会いに来てね。
待ってるから。
voice: vo_adv_1254004_065
栞:
【chara 103831 face 6 (surprised)】
……っ!
【chara 103831 face 2 (joy)】
はい! きっと行きます!
voice: vo_adv_1254004_066
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
……行っちゃいましたね。
【chara 103831 face 2 (joy)】
でも──
voice: vo_adv_1254004_067
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
私も元気になった時は、会いに行こう。
その時は……
voice: vo_adv_1254004_068
栞:
【chara 103831 face 4 (sad)】
あの子に会いに行く時、その……
あなたを誘っても──
Choice: (8) 一緒に会いに行こう。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1254004_069
栞:
【chara 103831 face 2 (joy)】
はい!
その日が楽しみですね♪
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1254004_070
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
『助けたつもりが、救われたのは自分の方』かぁ……
voice: vo_adv_1254004_071
アメス:
【chara 190011 face 1 (normal)】
あんたもシオリちゃんも、
自分のためより、相手のために頑張れる子だもんね。
【chara 190011 face 2 (joy)】
とにかく、シオリちゃんがまた前向きになれて良かったわ。
voice: vo_adv_1254004_072
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
シオリちゃんの明るい明日、明るい未来のためにも
その日が来たらきっと『ニャットちゃん』に会いに行くのよ。
これも、あたしとの約束だからね。
voice: vo_adv_1254004_073
アメス:
【chara 190011 face 2 (joy)】
それじゃ今日はここまで。
ばいば~い。
--- Switch scene ---
voice: vo_adv_1254004_074
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
……ん。
温かい……
ニャット:
【chara 2312 face 2 (joy)】
グルルッ♪
voice: vo_adv_1254004_075
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
私が風邪を引かないように、隣にいてくれたんだね。
ありがとう、ニャットちゃん♪
voice: vo_adv_1254004_076
シオリ:
【chara 125414 face 1 (normal)】
私たち、眠っちゃったんですね。
【chara 125414 face 2 (joy)】
訓練後ですし、この陽だまりに包まれてしまったら
仕方ない気がします。
voice: vo_adv_1254004_077
獣人の教官:
【chara 414 face 1 (normal)】
おっ、いたいた。そんなところにいたんだね。
二人に新しい依頼の話が来たんだけど、どうする?
voice: vo_adv_1254004_078
シオリ:
【chara 125414 face 6 (surprised)】
新しい依頼……
voice: vo_adv_1254004_079
シオリ:
【chara 125414 face 2 (joy)】
休憩はもう終わりみたいですね。
それじゃ、行きましょうか。次の地へ!
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
力強く一歩踏み出すシオリの横を魔猫が付き従う。
シオリたちレンジャーの戦いは、これからも続いていくのだった。