イリヤ(儀装束) 第2話
旅先で相次ぐトラブルは、魔族に贈られた香水が原因だと突き止めたイリヤと{player}。身を潜めた森で二人は子どもと魔物に鉢合わせ、苦闘の末に子どもたちを死守し、村まで送り届けたのだった。


-------------- situation:
沈みゆく太陽より速く
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 とあるのどかな観光地へと小旅行にやってきた、
イリヤと{player}。しかし二人の旅路は、
不自然なほど連日トラブルに見舞われていた。

voice: vo_adv_1262002_000
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 いくらなんでもおかしいじゃろっ!!

voice: vo_adv_1262002_001
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 なにゆえこうも厄介ごとが次から次へとやってくるのじゃ!
もはや何者かが陰謀を企てているとしか思えぬ……!

Choice: (1) 落ち着いて……
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1262002_002
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 数日前までは十二分に落ち着いておったわ!
じゃが、もう辛抱ならぬ! いくら思慮深さを絵に描いたがごとき
わらわとて、物には限度というものがある!

voice: vo_adv_1262002_003
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 お主も奇妙だとは思わぬか?
初日だけならいざ知らず、連日のように厄介ごとが降っては湧いて……

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イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 偶然で片付けるには出来過ぎておる。特に昨日なぞは──

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1262002_005
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ふぅっ……やっと腰を落ち着けることができたのう。
【chara 126212 face 1 (normal)】 牧歌的な景色を眺めながらの朝食、実に優雅なひとときじゃ。

voice: vo_adv_1262002_006
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 今朝がたもなんのかんのと頼られてしまったが……
【chara 126212 face 2 (joy)】 この望外に美しい風景の対価じゃったと思えば、
得心が行くというもの。

voice: vo_adv_1262002_007
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 まあ、そのせいで子どもの姿から戻れておらぬゆえ、
風情に浸ろうにもいまいち格好がつかぬが……
【chara 126212 face 4 (sad)】 もうこの際、落ち着けるならなんでもよいわ。

voice: vo_adv_1262002_008
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 ふふ、空気も胸が洗われんばかりに澄み切っておる。
このような閑静な土地では、子どもらもさぞ健やかに育つのじゃろうな。

voice: vo_adv_1262002_009
イリヤ:
【chara 126212 face 5 (shy)】 そ、そこで……どうじゃ、お主。
わらわがランドソルを統べる支配者となった暁には、
この地にわらわとお主だけの……あ、愛の巣を構えるというのは──

voice: vo_adv_1262002_010
男性:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 【chara 1 face 1 (normal)】 待て、待つんだ、タケシィィィー!!
お前がいなくなったら、いったい誰がうちの畑を耕すんだ!
ハナコも説得してく……タケシィィィーーーッ!!

voice: vo_adv_1262002_011
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ……今度はいったいなんだというのじゃ。

Choice: (2) 牛が逃げてる!
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1262002_012
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 はぁぁぁ~~~、【chara 126212 face 4 (sad)】 ほんっとに手のかかるやつらじゃの。
やい、そこの……牧場の牛飼いだったかの?

voice: vo_adv_1262002_013
男性:
【chara 1411 face 6 (surprised)】 あっ! あんたたちはこの前魔物を倒してくれた……うん?
一緒にいた姉さん、こんなにちっこかったっけか……
【chara 1411 face 4 (sad)】 ああいや、今はそれどころじゃねんだったぁ!

voice: vo_adv_1262002_014
男性:
【chara 1411 face 4 (sad)】 お二人さん、悪いがまた手を貸してくれねえか!
【chara 1411 face 6 (surprised)】 向こうで暴れてる雄牛、タケシっつーんだけどよ……
【chara 1411 face 4 (sad)】 あいつはこっちのハナコと、いわゆるつがいでな。

voice: vo_adv_1262002_015
男性:
【chara 1411 face 4 (sad)】 今朝、牛舎の掃除をしようと思って、
ハナコを別の雄牛の隣に繋いでおいたら……
それを見たタケシが、怒り狂って暴れちまってな!

voice: vo_adv_1262002_016
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ……つ、つまりなんじゃ。牛の痴話げんかということかの。
夫婦げんかは犬も食わぬというが、牛のけんかなぞ鼠も食わぬじゃろ……

Choice: (3) 助けになれないかな。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1262002_017
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 そうは言っても、この姿ではのう。
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ……いや、待つがよい。【chara 126212 face 2 (joy)】 ふふ、冴えた手を思いついたぞ。
わらわの魅了の力で、あの雄牛を飼いならしてくれよう。

voice: vo_adv_1262002_018
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 子どもの姿であっても、たかが動物相手であれば、
指先一つで懐柔するぐらいわけはないじゃろうて。
見ておれ──【chara 126212 face 1 (normal)】 そらっ。

Choice: (4) 大人しくなった……
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1262002_019
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 うむうむ。それでよい。
【chara 126212 face 1 (normal)】 わらわたちは今、優雅な朝食の最中じゃからのう。
しばしよい子にしておるんじゃぞ?

voice: vo_adv_1262002_020
男性:
【chara 1411 face 6 (surprised)】 なんてこった、あの気難しいタケシを一瞬で手懐けちまうなんて……
【chara 1411 face 2 (joy)】 いやあ、助かったぜ! ありがとな、ちっこい姉さん!

牛:
【chara 3 face 1 (normal)】 ブルルルル……!!

voice: vo_adv_1262002_021
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ……うん? なんじゃ、あのハナコとかいう牛、
急に鼻息を荒くしおって。心なしかわらわを睨んでおらぬか?

voice: vo_adv_1262002_022
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 って、こここ、こっちに突っ込んできおったぞ!?
【chara 126212 face 6 (surprised)】 よもや魅了の力を使ったせいで……【chara 126212 face 4 (sad)】 あやつ、わらわに嫉妬しとるのか!?

牛:
【chara 3 face 1 (normal)】 ンモォォォーーー!!

voice: vo_adv_1262002_023
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 わ、わらわはお主らの痴話げんかを仲裁してやっただけじゃ!
【chara 126212 face 4 (sad)】 妬まれる筋合いなどな──んぎゃあぁぁぁーーーっ!?

voice: vo_adv_1262002_024
男性:
【chara 1411 face 4 (sad)】 ハナコォォォーーーッ!!

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1262002_025
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ──牛にはねられたんじゃぞ!
悠久の時を生きるわらわでも、あんな経験は初めてじゃ!

voice: vo_adv_1262002_026
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 あげく、突き刺さった屋根から脱出できた矢先に、
土砂降りの雨に降られてずぶ濡れになるなぞ……
泣きっ面に蜂どころの話ではないわ!

Choice: (5) 確かに嘘みたいな話だね……
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1262002_027
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 いかにも。ようやく得心したであろう?
して、本題はここからじゃ。

voice: vo_adv_1262002_028
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 お主は普段こそぽけっとしておるが、【chara 126212 face 1 (normal)】 そこはやはり我が眷属。
わらわですら気付きえぬ物事の兆しにも、鼻が利くであろう。

voice: vo_adv_1262002_029
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 どのような些細なことでも構わぬ。
【chara 126212 face 6 (surprised)】 お主、なにか気付いたことはないか?

Choice: (6) ……いつものイリヤと違う香りがする。
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1262002_030
イリヤ:
【chara 126212 face 5 (shy)】 ほう、よくぞ気付いたではないか~!
そうなのじゃ、実は香水を変えてみたんじゃが──【chara 126212 face 4 (sad)】 って違う!
そういう女心の機微に気付けという意味ではないわ!

voice: vo_adv_1262002_031
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ……い、いやしかし、言われてみれば香水をつけ始めた時期と、
厄介ごとに見舞われ始めた時期は、奇妙に一致しておるな……

Choice: (7) その香水はどこで手に入れたの?
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1262002_032
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 それはじゃな……
以前に魔族の街で、わらわを崇拝する連中が
次から次へと謁見に来ておったじゃろう?

voice: vo_adv_1262002_033
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 そのとき差し出された献上品の中に、この香水があってのう。
【chara 126212 face 1 (normal)】 わらわ好みの香りであったから、一つ持ってきたのじゃが……

voice: vo_adv_1262002_034
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 確か荷物の中に、香水瓶の入ってた化粧箱があったはず。
【chara 126212 face 1 (normal)】 ……おお、これじゃこれじゃ。この箱じゃ。

voice: vo_adv_1262002_035
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 む? なにやら紙切れが入っておる。取扱説明書のようじゃな。
【chara 126212 face 2 (joy)】 しかしたかが化粧品、まさかこの香水が原因であるわけが──

voice: vo_adv_1262002_036
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 ──『この香水は、魔族以外には効果がありません。
あなたが魔族でない場合、芳醇な薔薇の香りをお楽しみいただけます。
しかしひとたび、魔族がその芳香を身にまとえば……』

voice: vo_adv_1262002_037
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 『ありとあらゆる危難が呼び寄せられ、降りかかる災厄が、
さながら薔薇の棘のように魔族であるあなたと、
あなたの眷属の力を試すことでしょう。お楽しみください』……?

voice: vo_adv_1262002_038
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ──この香水が原因ではないかっ!!!!

voice: vo_adv_1262002_039
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 なにをお楽しめというんじゃ、なにを!
まったくお楽しめておらぬわっ! ──ふんっ!!

Choice: (8) 飛んでっちゃった……
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1262002_040
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 はーっ、はーっ……まあよい。
とにもかくにも、あの香水がすべての元凶だったわけじゃな。

voice: vo_adv_1262002_041
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 しかし、事はまだ解決しておらぬ。
【chara 126212 face 6 (surprised)】 たったひと吹きしただけであの効果じゃ。【chara 126212 face 4 (sad)】 残留する魔力だけでも、
しばらくは危難を呼び寄せ続けるじゃろう。

voice: vo_adv_1262002_042
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 幸い、その矛先はわらわだけに向いておったようじゃが、
【chara 126212 face 4 (sad)】 かといって無辜の民を、これ以上巻き込むわけにもいかぬ。

Choice: (9) 僕の力で真の姿に戻れないかな?
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1262002_043
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 そうしたいところじゃが……
【chara 126212 face 4 (sad)】 連日の厄介ごとで魔力が完全に底をついておるからのう。

voice: vo_adv_1262002_044
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 どう対処をするにせよ、ひとまずは人気のない場所へ
身を移してからじゃ。【chara 126212 face 6 (surprised)】 差し当たり、【chara 126212 face 1 (normal)】 村の近くにあった森がよいじゃろう。
……急ぐのじゃ、我が眷属よ!

voice: vo_adv_1262002_045
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 ……うむ。これだけ村から離れれば十分じゃろ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 お主、わらわに力を注いでみよ。

Choice: (10) どう?
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1262002_046
イリヤ:
【chara 126212 face 5 (shy)】 んっ、んん……
なにやら身長が伸びそうなムズムズとした心地はするのじゃが……
【chara 126212 face 6 (surprised)】 やはりそう易々とは戻れそうにないのう。

voice: vo_adv_1262002_047
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 とはいえ、ここにおれば民草が巻き込まれることもないじゃろう。
真の姿に戻るまで、気長に森林浴を楽しむとするかの──

voice: vo_adv_1262002_048
女の子:
【chara 415 face 1 (normal)】 あーっ! 騎士のお兄さんだー!
【chara 415 face 2 (joy)】 えへへ、こんにちはー!
【chara 415 face 1 (normal)】 森に遊びに来たの? あたしたちとおんなじだね!

voice: vo_adv_1262002_049
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 なっ……こ、子どもじゃと!?
お主らこそ、なぜこのような場所にいるのじゃ!?

voice: vo_adv_1262002_050
男の子:
【chara 5311 face 6 (surprised)】 えっ? なんでって……
【chara 5311 face 1 (normal)】 お兄さんたちが魔物をやっつけてくれたからですよ。

voice: vo_adv_1262002_051
女の子:
【chara 415 face 2 (joy)】 うんうん、あたしのお姉ちゃんが言ってた!
とってもつよーいお客さんが魔物をやっつけてくれたから、
もう遊びに行っても大丈夫だよって!

voice: vo_adv_1262002_052
女の子:
【chara 415 face 1 (normal)】 ねね、あなた、牧場で見たつよーいお客さんの妹さん?
【chara 415 face 2 (joy)】 あたしたちといっしょにあそぼーよ!

voice: vo_adv_1262002_053
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ま、待て、待たぬか! 【chara 126212 face 4 (sad)】 今はそれどころではないのじゃ!
わらわとともにいては、お主らにまで危難が降りかかりかねん!

voice: vo_adv_1262002_054
女の子:
【chara 415 face 6 (surprised)】 わらわ? おぬし……ら?
【chara 415 face 2 (joy)】 えへへ、あなたってば、まるでお姫さまみたいね!【chara 415 face 1 (normal)】
じゃあじゃあ、最初はお姫さまごっこにする~?

voice: vo_adv_1262002_055
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ええい、ままごとで言っているのではないわ!
早くこの森から逃げるのじゃ! さもなくば──

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ──グオオオオオッ!

voice: vo_adv_1262002_056
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ! 【chara 126212 face 4 (sad)】 ──お主ら、伏せよっ!

voice: vo_adv_1262002_057
女の子:
【chara 415 face 6 (surprised)】 えっ? 【chara 415 face 4 (sad)】 ……きゃあぁっ!?

Choice: (11) 危ない!
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1262002_058
男の子:
【chara 5311 face 4 (sad)】 ひぃっ……あ、ありがとう、お兄さん……!
【chara 5311 face 6 (surprised)】 でも、どうしてまだ魔物が……!?

voice: vo_adv_1262002_059
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 くっ、なんという間の悪さじゃ……!
あの魔物ども……牧場で見逃してやった連中のようじゃな。
それが示し合わせたかのごとく、このようなときに……

voice: vo_adv_1262002_060
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 どうやらあの香水の魔性は……
形ばかりの危難を呼び寄せるものに留まらぬようじゃの。

voice: vo_adv_1262002_061
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 しかしこの状況……存外に深刻じゃぞ。
【chara 126212 face 6 (surprised)】 子どもらを守っていては、あやつはわらわに力を注げぬし、
【chara 126212 face 4 (sad)】 この姿ではわらわも魔物に太刀打ちできぬ……! 

voice: vo_adv_1262002_062
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 我が眷属よっ! この場は子どもを抱えて一時退却じゃ!
──そこのおなご、お主はわらわと手を繋いでおれ!
よいか、決して離すでないぞ!

voice: vo_adv_1262002_063
女の子:
【chara 415 face 4 (sad)】 う、うんっ!

voice: vo_adv_1262002_064
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 やれ、どうにか魔物は撒いたようじゃが……
【chara 126212 face 4 (sad)】 あの香水が呼び寄せる危難は、いわば不運そのもの。
こんな洞穴に隠れておったとて、見つかるのは時間の問題じゃの。

voice: vo_adv_1262002_065
女の子:
【chara 415 face 4 (sad)】 うぇ、うえぇっ……ぐすっ、こわいよぉ……!
お姉ちゃん、たすけて……

voice: vo_adv_1262002_066
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 ……これこれ、お姉ちゃんならここにもおるじゃろ。
【chara 126212 face 2 (joy)】 わらわはあの牧場にいた、お主らの言うつよーいお客さんじゃ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 今はちと縮んでしまっておるがの。

voice: vo_adv_1262002_067
男の子:
【chara 5311 face 6 (surprised)】 そ、そうなんですか……?
たしかに声も、着てる服も、そっくりですけど……

voice: vo_adv_1262002_068
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 うむ。それにわらわはのう、そこのおなごのお姉ちゃんよりも、
すこしばかり長生きしておる。【chara 126212 face 2 (joy)】 要するに、とても強いということじゃ。

voice: vo_adv_1262002_069
女の子:
【chara 415 face 6 (surprised)】 ほ、ほんとうに……?
【chara 415 face 4 (sad)】 ひっく……フライパンを持ってるときのお姉ちゃんよりも?

voice: vo_adv_1262002_070
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 ふふ、無論よ。
わらわならフライパンで竜を倒すことさえ造作ないわ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 然るに、わらわの言うことはしかと聞いて、よい子にするのじゃぞ。

voice: vo_adv_1262002_071
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 さて、子どもらを宥めたはよいが……
【chara 126212 face 4 (sad)】 このまま逃げ回っておっても始まらぬ。どうしたものかのう。

voice: vo_adv_1262002_072
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 まったくあの忌々しい香水さえなければ……
このように魔力が底をつくこともなかったというに──

voice: vo_adv_1262002_073
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ! そ、そうじゃ……香水……魔力……
【chara 126212 face 1 (normal)】 その手があったのじゃ! 【chara 126212 face 2 (joy)】 我ながら冴えておるのう!

Choice: (12) なにか思いついたの?
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1262002_074
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 うむ。我が眷属──いや、【chara 126212 face 2 (joy)】 わらわ一番の眷属よ。
イリヤ・オーンスタインの名において命ずる。

voice: vo_adv_1262002_075
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 あの村まで、お主一人でひた走るのじゃ。
そしてあの香水瓶を捜し出し、わらわのもとへ持ち帰るがよい!

voice: vo_adv_1262002_076
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 あのような馬鹿げた代物でも、
【chara 126212 face 1 (normal)】 マジックアイテムには違いないじゃろう。そこに込められた魔力を、
余さずわらわの身に取り込めば……【chara 126212 face 2 (joy)】 形勢逆転じゃ。

voice: vo_adv_1262002_077
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 その間、子どもらはわらわが死守する。決して振り返ることなく、
お主はお主の使命を果たすのじゃ。口答えは許さぬ。

voice: vo_adv_1262002_078
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 ……ふふ、そのような顔をするでない。わらわを信じるのじゃ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 もし心配じゃというのなら、沈みゆく太陽の10倍速く走ってみせよ!

Choice: (13) すぐ戻る、必ず戻るよ!
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1262002_079
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 ……さて、魔物どもよ。そのように草陰に隠れずともよい。
【chara 126212 face 2 (joy)】 わらわの身から匂い立つ魔性に、いてもたってもいられぬであろう?
さっさと姿を現さぬか。

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ──グオオオオオッ!

voice: vo_adv_1262002_080
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 ……よいか、子どもらよ。
わらわがよいというまで、洞穴に隠れて耳を塞いでおれ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 ここから先は──幼子にはちと刺激が強過ぎるからのう!

voice: vo_adv_1262002_081
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 ──ぐっ、くく……
魔物風情が……なかなかにやるではないか。

voice: vo_adv_1262002_082
イリヤ:
【chara 126212 face 6 (surprised)】 しかし存外、【chara 126212 face 1 (normal)】 この姿でも戦えるものじゃな。
【chara 126212 face 4 (sad)】 わらわの真の姿を、披露するまでも、ない──ぐぅっ!?

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ──グオオオオオッ!

voice: vo_adv_1262002_083
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 お、おのれ……わらわはまだ、戦える……
我が眷属が、わらわのもとへ走る、限り──

voice: vo_adv_1262002_084
男の子:
【chara 5311 face 3 (anger)】 ……やっ、やめろぉーっ!
どっか行けっ! お、お姉さんに近寄るなぁっ!

voice: vo_adv_1262002_085
女の子:
【chara 415 face 3 (anger)】 お姉さん、しっかりしてっ! 【chara 415 face 4 (sad)】 こ、こんなに傷が……
お願い、あたしたちのことはいいから! もうやめてっ!

voice: vo_adv_1262002_086
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 これ……隠れておれと、言ったじゃろ。【chara 126212 face 1 (normal)】 この程度、かすり傷じゃ。

voice: vo_adv_1262002_087
女の子:
【chara 415 face 4 (sad)】 そんな……そんなのうそっ!
お姉さん、あたしたちといっしょに逃げよう!?

voice: vo_adv_1262002_088
男の子:
【chara 5311 face 4 (sad)】 ぼ、ぼくが魔物をやっつける、から……!
【chara 5311 face 3 (anger)】 二人はその間に逃げてっ!

voice: vo_adv_1262002_089
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 なにを言うかと思えば……【chara 126212 face 1 (normal)】 お主らには見えておらぬのか?
【chara 126212 face 3 (anger)】 魔物どもがわらわに気圧され、無様に後じさりするさまがのう。

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ………………

voice: vo_adv_1262002_090
イリヤ:
【chara 126212 face 3 (anger)】 ふふ、なにゆえこの魔族は倒れぬのか、
想像すらもできぬ……という顔じゃな。
魔物ごときには理解しえぬことじゃろうが……

voice: vo_adv_1262002_091
イリヤ:
【chara 126212 face 3 (anger)】 我が眷属、ここにおる子どもら……わらわはこの者たちを信じておる。
そしてこの者たちも、このわらわを信じておる。

voice: vo_adv_1262002_092
イリヤ:
【chara 126212 face 3 (anger)】 眷属、民草、仲間……
その者らの信ある限り、支配者は決して倒れぬっ!

voice: vo_adv_1262002_093
イリヤ:
【chara 126212 face 3 (anger)】 この言葉が嘘かまことか、試してみるがよい。
いま一歩この子どもらに近寄らば──

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ──グオオオオオッ!

Choice: (14) ──イリヤッ!!
----- Tag 14 -----
voice: vo_adv_1262002_094
女の子&男の子:
【chara 1 face 1 (normal)】 ……っ! 【chara 5311 face 1 (normal)】 【chara 415 face 1 (normal)】 お兄さんっ!!

voice: vo_adv_1262002_095
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 ……ふふ。お主、遅刻じゃぞ。
【chara 126212 face 1 (normal)】 とうに日が落ちてしまっておるではないか。

voice: vo_adv_1262002_096
イリヤ:
【chara 126212 face 1 (normal)】 いいや、「日が落ちた」のではないのう。
──「月が間に合った」のじゃっ!!

voice: vo_adv_1262002_097
イリヤ:
【chara 126212 face 2 (joy)】 我が眷属よっ!
その忌々しい香水瓶、わらわに投げて寄こすがよいっ!

Choice: (15) いくよっ!
----- Tag 15 -----
voice: vo_adv_1262002_098
イリヤ:
【chara 126212 face 4 (sad)】 今じゃっ! 砕け散れぇぇぇーーーぃっ!!!!

voice: vo_adv_1262002_099
イリヤ:
【chara 126211 face 3 (anger)】 ククク……ハーッハッハッハッハ!!
面白い余興じゃったのう。牧場での小競り合いなぞより、
よほど楽しませてくれたではないか。

voice: vo_adv_1262002_100
イリヤ:
【chara 126211 face 3 (anger)】 貴様らには相応の褒美をくれてやらねばなるまい。
このわらわに、手ずから花を手向けられる栄誉に酔いしれながら──

voice: vo_adv_1262002_101
イリヤ:
【chara 126211 face 3 (anger)】 ──十万億土を、踏むがよいわっ!!

魔物:
【chara 1614 face 1 (normal)】 ──ギャオオオオオッ!

voice: vo_adv_1262002_102
女性:
【chara 413 face 4 (sad)】 本当に、本当にありがとうございますっ!
お二人にはなんとお礼を言ったらいいか……

voice: vo_adv_1262002_103
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 分かった分かった。
先ほどから何度頭を下げたか知れぬじゃろうに。【chara 126211 face 1 (normal)】 もう十分じゃろ。

voice: vo_adv_1262002_104
女性:
【chara 413 face 4 (sad)】 で、でも……
私たち、本当に助けてもらってばかりで……

voice: vo_adv_1262002_105
イリヤ:
【chara 126211 face 2 (joy)】 そうじゃのう。どうしても特別な礼がしたいと言うなら……
明日の朝食には、トマトジュースを出してくれぬか?

voice: vo_adv_1262002_106
女性:
【chara 413 face 6 (surprised)】 えっ、トマトジュース……ですか? 本当にそれだけで?

voice: vo_adv_1262002_107
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 ふむ。確かにそれだけでは足りぬな。
【chara 126211 face 1 (normal)】 付け合わせの塩とレモンと……無論、ジュースは搾りたてで頼むぞ。
【chara 126211 face 2 (joy)】 楽しみにしておるからのう♪

voice: vo_adv_1262002_108
女性:
【chara 413 face 1 (normal)】 は、はい……っ!
わかりました! 採れたて、搾りたてでご用意します!

voice: vo_adv_1262002_109
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 ──やれやれ。もとはといえばわらわが撒いた種じゃというに。
【chara 126211 face 4 (sad)】 あのようにかしこまられては気が咎めるのじゃ。

voice: vo_adv_1262002_110
イリヤ:
【chara 126211 face 4 (sad)】 そもそも、最初から香水瓶を叩き割っておればよかったわ。
魔力として取り込んだことで、香水の効力も消え失せたようじゃし──

Choice: (16) ケガは大丈夫!?
----- Tag 16 -----
voice: vo_adv_1262002_111
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 おっ、とと。【chara 126211 face 1 (normal)】 急にどうしたのじゃ。
【chara 126211 face 4 (sad)】 ……こ、これ! べたべたと触るでな──【chara 126211 face 6 (surprised)】 ひょわぁっ!
どどど、どこを触っておる! 【chara 126211 face 4 (sad)】 ええい、やめぬかっ!

Choice: (17) ほっぺに傷が……
----- Tag 17 -----
voice: vo_adv_1262002_112
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 うん? おっと、気付かなんだ。
【chara 126211 face 1 (normal)】 こんなもの、指先一つでついと撫でてやれば……
……ほら、これでよいか?

voice: vo_adv_1262002_113
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 真の姿であればこのような傷、あってないも同然じゃというのに……
【chara 126211 face 1 (normal)】 わらわのためにそこまで青ざめるのは、【chara 126211 face 2 (joy)】 お主くらいじゃぞ。

voice: vo_adv_1262002_114
イリヤ:
【chara 126211 face 1 (normal)】 ……ほれ、そんなことより! ほどよく夜も更けてきたことじゃ。
【chara 126211 face 5 (shy)】 夜は吸血鬼の時間……お主には主人の粉骨砕身を、
とっくりと労ってもらわねばのう♪

Choice: (18) でももう寝ないと……
----- Tag 18 -----
voice: vo_adv_1262002_115
イリヤ:
【chara 126211 face 5 (shy)】 なにを行儀のよいことを。忙しなくて忘れたのかもしれぬが、
わらわたちは、特別な、旅行の最中なのじゃぞ?

voice: vo_adv_1262002_116
イリヤ:
【chara 126211 face 5 (shy)】 それ相応に、特別な夜の過ごし方というものが……あ、あるじゃろう?
お主にだって、思い当たることの一つや二つ……いやいや!
一つ二つと言わず、あれやこれやがあるはずで──

Choice: (19) だって明日には帰るんでしょ?
----- Tag 19 -----
voice: vo_adv_1262002_117
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 ……は? そ……そそ、そんなはずはなかろう!
【chara 126211 face 4 (sad)】 だってまだなんっっっにもしておらぬではないか!

voice: vo_adv_1262002_118
イリヤ:
【chara 126211 face 6 (surprised)】 お主との……睦み合いも? 【chara 126211 face 4 (sad)】 あああ、あれやこれやもっ!
ちゃんと予定表だって用意してきたのじゃぞ!?
こうして枕元に置いて……毎晩、指折り数え、て……

voice: vo_adv_1262002_119
イリヤ:
【chara 126211 face 4 (sad)】 ……そんな、ばかな……きょ、きょっ──

voice: vo_adv_1262002_120
イリヤ:
【chara 126211 face 4 (sad)】 今日が最終日ではないか~~~っ!!!!

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 イリヤの渾身の叫びは{player}の鼓膜を震わせ、
宿屋の屋根を貫き、澄み渡る夜空を突き抜けて──
湖面に浮かぶ月の輪郭さえも、かすかに揺らしたのだった。