シノブ(サマー) 第1話
呪物コレクターから蒐集物を手放させてほしいという依頼を受けたシノブは、怪談会を開き一芝居うって霊と呪物の恐ろしさを伝える。狙い通り彼らは蒐集物を手放したが、代わりに怪談マニアになってしまった。
-------------- situation:
夏霊怪異録 呪物語り
--------------
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シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
夏。この厳しくも明るい季節は、私たち霊媒師にとって
一番忙しい季節になります。
voice: vo_adv_1271001_001
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
あのビーチリゾートでの事件後も、多くの依頼がよせられてきました。
【chara 127111 face 1 (normal)】
これは、そうした依頼の中の呪物についてのお話です。
voice: vo_adv_1271001_002
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
この依頼に対処すべく、
私はあの人に手伝いをお願いすることにしました──
voice: vo_adv_1271001_003
シノブ:
【chara 103113 face 2 (joy)】
ご無沙汰してます。
急な呼び出しに応じていただきありがとうございます。
voice: vo_adv_1271001_004
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
実は……【chara 103113 face 1 (normal)】
また心霊絡みのお仕事の手伝いを頼みたいのです。
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ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
なあシノブよぉ、小僧なんかに頼らなくても
オレがパパッと片付けるって言ってるじゃないか。
voice: vo_adv_1271001_006
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
ダメ。そんな大雑把なことしたら問題になるよ。
Choice: (1) そんなに難しい依頼なの?
Choice: (2) 強い悪霊が相手だったりするの……?
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1271001_007
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
そうですね、ただ除霊すればいいというものではないので、
【chara 103113 face 6 (surprised)】
ある意味難しい依頼かもしれません。
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----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1271001_008
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
いえ、そういう命の危険はありません。
【chara 103113 face 4 (sad)】
ただ、扱いが難しいという話です。
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1271001_009
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
まずは今回の依頼についてお話しします。
【chara 103113 face 6 (surprised)】
昨日、私の元を二人の女性が訪ねてきました。
voice: vo_adv_1271001_010
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
お二人の旦那さんは、いわゆる呪物コレクターです。
voice: vo_adv_1271001_011
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
呪物とは簡単にいうと超自然的な力が宿った、
儀式などに用いられる人工物や自然物のことです。
voice: vo_adv_1271001_012
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
ただ、今回のお二人が集めている物は邪悪な念を宿した
「呪いのアイテム」、因縁物なんて呼ばれ方もしてますね。
Choice: (4) なんでそんな物を集めてるんだろ……?
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1271001_013
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
良きにつけ悪しきにつけ、【chara 103113 face 6 (surprised)】
そういう強烈な存在は
人々を魅了してしまうものですから。
voice: vo_adv_1271001_014
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
ただ、所持する本人のみならず、周囲にも影響を及ぼしてしまうのが
呪物の厄介なところです。
voice: vo_adv_1271001_015
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
実際、依頼人の方はご主人の呪物の影響で
体に不調をきたしてしまっていました。
voice: vo_adv_1271001_016
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
しかし呪物を手放すように頼んでも、
「集めている自分には何もないから気のせいだ」と
聞く耳を持ってもらえなかったようです。
Choice: (5) コレクターはどうしてなんともないの?
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1271001_017
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
それは彼らに霊感がないからでしょう。
【chara 103113 face 6 (surprised)】
実際恐怖体験も依頼人が知る限りではないようですね。
voice: vo_adv_1271001_018
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
幸い今回はご家族の軽微な霊障で済みましたが、
【chara 103113 face 4 (sad)】
この先もし本当に危険な呪物を手に入れてしまったら、
たとえ霊感がなくても身の安全はとても保証できません。
voice: vo_adv_1271001_019
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
依頼者ご本人の、【chara 103113 face 6 (surprised)】
そしてコレクター自身のためにも、
【chara 103113 face 1 (normal)】
蒐集した呪物を手放させてほしいというのが今回の依頼になります。
Choice: (6) でもどうやって手放させるの?
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1271001_020
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
コレクターのお二人は心霊現象の恐ろしさを知りません。
【chara 103113 face 6 (surprised)】
ですので、今回彼らには初の恐怖体験をしていただきます。
voice: vo_adv_1271001_021
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
自発的に呪物を手放すよう仕向ける、毒を以て毒を制す作戦です。
すみませんが、どうかお力を貸してください。
voice: vo_adv_1271001_022
ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
小僧の手を借りるなんてしゃくだがな。
せいぜいシノブの役に立てよ。
voice: vo_adv_1271001_023
シノブ:
【chara 1 face 1 (normal)】
それから準備を整えた私は、依頼者を通じて二人のコレクターに
招待状を渡しました。海辺の怪談会への招待状を──
voice: vo_adv_1271001_024
コレクター1:
【chara 2512 face 2 (joy)】
いやあ、夜風と潮騒が何とも心地いい。
まさに怪談日和ですな。
voice: vo_adv_1271001_025
コレクター2:
【chara 2511 face 1 (normal)】
まったくですね。このような所で怪談会とは、
【chara 2511 face 2 (joy)】
さすが有名な霊媒師、実に分かってらっしゃる。
voice: vo_adv_1271001_026
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
お待たせいたしました。急な申し出にもかかわらず、
お越しいただきありがとうございます。
voice: vo_adv_1271001_027
コレクター1:
【chara 2512 face 2 (joy)】
いえいえ、あの凄腕の霊媒師シノブさんからのご招待、
断る理由などあろうはずがありませんな。
voice: vo_adv_1271001_028
コレクター2:
【chara 2511 face 1 (normal)】
現役の霊媒師が語る怪談なんて、
そうそう聞けるものではないですからね。
voice: vo_adv_1271001_029
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
私の方こそ高名な呪物コレクターのお二方とお会いできて光栄です。
前々から呪物についてお話しできればと思っていましたので。
voice: vo_adv_1271001_030
コレクター1:
【chara 2512 face 2 (joy)】
おお、やはりわかってらっしゃる!
【chara 2512 face 1 (normal)】
さっそくですがこちらいかがでしょう! 先日手に入れた
呪いの人形です。【chara 2512 face 2 (joy)】
もう表情からして禍々しさが伝わってきますでしょう!
voice: vo_adv_1271001_031
コレクター2:
【chara 2511 face 2 (joy)】
いい物見つけてきますね。【chara 2511 face 1 (normal)】
でも私のこの写真もなかなかですよ。
【chara 2511 face 6 (surprised)】
ほら、ここに女の顔が写ってますでしょう?
voice: vo_adv_1271001_032
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
ふふ、やはりいいコレクターの元にはいい品が集まるものですね。
あとでゆっくりと拝見させてください。
voice: vo_adv_1271001_033
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
ところでシノブさん、
そちらのドクロはもしかして呪物、でしょうか……?
voice: vo_adv_1271001_034
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
お目が高いですね。【chara 127111 face 1 (normal)】
はい、このドクロは強欲で傲慢、
狂暴かつ凶悪な霊媒師の魂が宿る恐ろしい呪物です。
voice: vo_adv_1271001_035
ドクロ親父:
【chara 2414 face 1 (normal)】
……
voice: vo_adv_1271001_036
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
さ、さすがシノブさん、見事な品をお持ちだ……
【chara 2512 face 1 (normal)】
ち、ちなみにそちらを譲っていただくことは……
voice: vo_adv_1271001_037
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
申し訳ありません。このようなものでも私にとっては大事な存在。
いくら積まれてもこれだけは手放せないのです。
voice: vo_adv_1271001_038
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
そ、そうですね……【chara 2512 face 4 (sad)】
いやあ、レアな呪物を前にすると
ついコレクターの血が騒いでしまい、申し訳ない……
voice: vo_adv_1271001_039
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
好きな物に熱くなるのは仕方ありませんよ。
【chara 127111 face 6 (surprised)】
丁度場も温まったことですし【chara 127111 face 2 (joy)】
そろそろはじめましょうか。
voice: vo_adv_1271001_040
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
せっかく貴重な品をお持ちいただいたことですし、
まずは人形にまつわる話を一つ、お聞かせしましょうか。
voice: vo_adv_1271001_041
コレクター1:
【chara 2512 face 2 (joy)】
おお、それは楽しみですな!
voice: vo_adv_1271001_042
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
これはAさんという男性の身に起こったお話……
AさんにはBさんという恋人がいました。
voice: vo_adv_1271001_043
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
二人は深く愛し合い、将来を約束しあっていました。
【chara 127111 face 4 (sad)】
ですが、そんな二人を悲劇が襲います。
Bさんが不慮の事故で命を落としてしまいました……
voice: vo_adv_1271001_044
コレクター2:
【chara 2511 face 4 (sad)】
なんと、それは悲しい……
voice: vo_adv_1271001_045
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
深い悲しみと絶望に陥るAさんですが、
【chara 127111 face 6 (surprised)】
このまま悲しみ続けても彼女は浮かばれないと思い、
ある考えを実行に移します。
voice: vo_adv_1271001_046
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
彼は形見分けとしてもらったBさんの遺髪と服を使って、
人形を作ることにしたのです。
voice: vo_adv_1271001_047
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
彼女は戻ってこない、【chara 127111 face 6 (surprised)】
それでも彼女の面影を感じられるものを
そばに置くことで【chara 127111 face 1 (normal)】
悲しみを和らげ、前へ進もうと考えたのです。
voice: vo_adv_1271001_048
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
Aさんはある有名な人形師に製作を依頼、
出来上がった人形は彼女そっくりの素晴らしいものでした。
voice: vo_adv_1271001_049
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
人形の出来に大いに満足したAさん。
自室に人形を置き、新たな生活が始まりました。
voice: vo_adv_1271001_050
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
彼女との日々が戻ってきたようだとよろこぶAさん。
【chara 127111 face 1 (normal)】
しかし、異変はすぐに訪れました。
voice: vo_adv_1271001_051
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
異変?
voice: vo_adv_1271001_052
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
部屋にいると背中に視線を感じるようになったのです。
【chara 127111 face 6 (surprised)】
振り返るとそこにはBさんの人形が……
voice: vo_adv_1271001_053
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
もしかしたらBさんが戻ってきたのでは?
【chara 127111 face 1 (normal)】
最初こそうれしく思ったAさんでしたが、視線は日に日に強くなり……
【chara 127111 face 6 (surprised)】
次第によろこびは気味の悪さに変わっていきました。
voice: vo_adv_1271001_054
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
さらに怪現象はそれで終わりはしません。
Aさんは人形の髪の毛が不揃いなことに気付きました。
【chara 127111 face 6 (surprised)】
そうです、明らかに人形の髪が伸びていたのです。
voice: vo_adv_1271001_055
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
さすがに恐怖を禁じ得ないAさんですが、人形は手元に残しました。
【chara 127111 face 4 (sad)】
人形とはいえ二度も彼女と別れることは躊躇われたのです。
voice: vo_adv_1271001_056
コレクター2:
【chara 2511 face 1 (normal)】
なんと優しい……【chara 2511 face 4 (sad)】
でもAさんの身が心配ですね……
voice: vo_adv_1271001_057
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
しかしやはり怖さはあったのでしょう、
【chara 127111 face 1 (normal)】
人形は棚には飾らず箱の中にしまっておきました。
voice: vo_adv_1271001_058
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
人形と顔を合わせないことで心に落ち着きを取り戻したAさん。
その生活にも変化が生まれます。
【chara 127111 face 2 (joy)】
新たな女性と出会い、仲を深めていったのです。
voice: vo_adv_1271001_059
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
Bさんに対する後ろめたさはありましたが、
彼女の誠実な人柄や一人身の寂しさ、
【chara 127111 face 6 (surprised)】
そしてなにより人形が醸す恐怖がそれに勝りました。
voice: vo_adv_1271001_060
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
そしてある時Aさんは女性を自宅に招待しました。
女性と一緒に自宅へ入ろうと鍵を開けノブに手をかけた瞬間──
voice: vo_adv_1271001_061
シノブ:
【chara 127111 face 3 (anger)】
ドン! ドンドン!
voice: vo_adv_1271001_062
コレクター2:
【chara 2511 face 6 (surprised)】
うおぅ! ビ、ビックリした……
voice: vo_adv_1271001_063
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
家の中から激しくドアが叩かれたのです。
Aさんは一人暮らし、それに玄関には鍵がかかっていました。
誰かがいるなんてことはありえませんでした。
voice: vo_adv_1271001_064
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
予想外の事態に女性は軽くパニックを起こしてしまいました。
【chara 127111 face 1 (normal)】
Aさんはあれは何かの偶然だと彼女をなだめます。
voice: vo_adv_1271001_065
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
脳裏にあの人形がドアに何度も体当たりをしている画が
浮かんでいることは黙ったままで……
voice: vo_adv_1271001_066
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
結局女性はそのまま帰ってしまい、一人残されたAさんは
恐る恐るドアを開け、悲鳴を飲み込みました。
voice: vo_adv_1271001_067
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
玄関に、あの人形がうつぶせで落ちていました。
ひとりでに動きでもしない限り、箱にしまわれた人形が
玄関にあるわけがありません。
voice: vo_adv_1271001_068
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
間違いない、この人形にはBさんがとり憑いている。
これ以上こんな物をそばに置きたくない。
【chara 127111 face 1 (normal)】
Aさんは人形を捨てようと触れた瞬間、思わず悲鳴を上げました。
voice: vo_adv_1271001_069
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
……温かい。無機質の人形からまるで人の体温のような
ぬくもりが手に伝わりました。
voice: vo_adv_1271001_070
シノブ:
【chara 127111 face 3 (anger)】
それでも意を決して持ち上げようとした瞬間、
【chara 127111 face 6 (surprised)】
今度は異常な重さを感じました。
voice: vo_adv_1271001_071
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
大人一人分はありそうなその重さが
Bさんのそれと同じくらいだと気付き、
思わず人形を落としてしまいました。
voice: vo_adv_1271001_072
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
落とした衝撃で人形の顔がAさんの方を向き直った瞬間、
彼は絶叫しました。
voice: vo_adv_1271001_073
シノブ:
【chara 127111 face 3 (anger)】
人形は、歯をむき出しにして邪悪な笑顔を浮かべていた──
still display end
voice: vo_adv_1271001_074
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
以上、人形にまつわるお話でした。
voice: vo_adv_1271001_075
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
……い、いやぁ、さすがですな。
【chara 2512 face 1 (normal)】
恐ろしい話でしたが引き込まれてしまいましたよ……
voice: vo_adv_1271001_076
コレクター2:
【chara 2511 face 6 (surprised)】
シノブさん、その人形というのはやはり……
voice: vo_adv_1271001_077
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
はい、Bさんの思念が宿った呪物でしょう。
愛情、寂寥、嫉妬、宿った思念がなんなのかは分かりませんが、
【chara 127111 face 1 (normal)】
いずれにせよ人の念はこれほどの呪物を生み出しえるということです。
voice: vo_adv_1271001_078
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
そして呪物の蒐集を続けるということは、
このような物にも行き当たる可能性があるということを、
お二方ともゆめゆめ忘れぬようお願いします。
voice: vo_adv_1271001_079
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
そ、そうですな……覚悟しておきます。
voice: vo_adv_1271001_080
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
それではお次は……【chara 127111 face 2 (joy)】
そうですね、せっかくなので
写真にまつわるお話はどうでしょう?
voice: vo_adv_1271001_081
コレクター2:
【chara 2511 face 6 (surprised)】
え? そ、そう、ですね。【chara 2511 face 4 (sad)】
よろしくお願いします……
voice: vo_adv_1271001_082
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
ある日S君は古い友人のT君に呼び出されました。
【chara 127111 face 4 (sad)】
久しぶりに会ったT君はひどくやつれ、顔色もよくありません。
【chara 127111 face 1 (normal)】
体を壊したのかと尋ねると、T君は力なく首を横に振りこう言いました。
voice: vo_adv_1271001_083
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
……心霊写真のせいだ、と。
voice: vo_adv_1271001_084
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
事態が呑み込めないS君に、T君は一枚の写真を差し出しました。
【chara 127111 face 1 (normal)】
写真にはどこかの廃墟の前でにこやかに笑うT君が写っていました。
voice: vo_adv_1271001_085
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
廃墟はいかにもな雰囲気で不気味でしたが、
別段霊などの怪しいものは写っていません。
【chara 127111 face 6 (surprised)】
写ってはいませんが、写真としてはどこかおかしなものでした。
voice: vo_adv_1271001_086
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
被写体のT君は画面の左端に寄り、
左腕を肩の高さまで上げた変なポーズをしていました。
voice: vo_adv_1271001_087
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
「この写真さ、ある心霊スポットに行ったとき、
俺を入れて5人で撮影したんだ。」
【chara 127111 face 6 (surprised)】
T君はそう言いますが、どう見ても写っているのはT君一人です。
voice: vo_adv_1271001_088
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
「一人、一人……写真から消えていくんだ。
写真から消えたヤツはそのまま行方不明になっちまう。
これに写ってたヤツで残ってるのはもう俺だけだ……」
voice: vo_adv_1271001_089
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
S君は全て合点がいきました。
一人で写るには明らかにおかしい立ち位置やポーズも、
隣に人が並び肩を組んでいたのなら説明がつきます。
voice: vo_adv_1271001_090
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
T君以外の人間が消えたことで、
違和感のあるおかしな写真になってしまったのです。
voice: vo_adv_1271001_091
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
「なあ、俺もこのまま消えちまうのかな?」
【chara 127111 face 1 (normal)】
震える声で尋ねるT君。それが彼を見た最後の姿になりました──
still display end
voice: vo_adv_1271001_092
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
こ、これはまた強烈なお話ですな……
【chara 2512 face 4 (sad)】
やはりT君の友人はその写真のせいで……
voice: vo_adv_1271001_093
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
はい、呪物と化した写真の仕業と思われます。
【chara 127111 face 1 (normal)】
本人たちになんの落ち度がなくとも、ときに怪異は理不尽に現れ、
厄災を形として残します。
voice: vo_adv_1271001_094
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
呪物とは、それほどに恐ろしいものなのです。
voice: vo_adv_1271001_095
コレクター2:
【chara 2511 face 4 (sad)】
そう言われると、我々は危険なものを集めているのかもしれませんね。
あぁ、なんだか背筋が冷たくなってきましたよ……
voice: vo_adv_1271001_096
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
……いや、それにしてもちょっと寒すぎますな。
【chara 2512 face 4 (sad)】
な、何だこれは……こ、凍えてしまいそうだ……
voice: vo_adv_1271001_097
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
あ、あぁ……【chara 127111 face 4 (sad)】
何という事でしょう、呪物の発する邪気と怪談が、
悪霊を呼び寄せてしまったみたいです……
voice: vo_adv_1271001_098
コレクター2:
【chara 2511 face 7 (special_a)】
あ、悪霊ですって……! 【chara 2511 face 4 (sad)】
そんな……ど、どうにかなりませんか!
voice: vo_adv_1271001_099
シノブ:
【chara 127111 face 3 (anger)】
もちろんお二人のことは必ず守ります。【chara 127111 face 4 (sad)】
ですが……
voice: vo_adv_1271001_100
コレクター2:
【chara 2511 face 4 (sad)】
な、何か問題でも……?
voice: vo_adv_1271001_101
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
お二人の呪物と悪霊に因縁ができてしまいました。
【chara 127111 face 4 (sad)】
この場で呪物を破棄しても、他の呪物にひかれ
悪霊は何度でも現れます。呪物を持つ限り、何度でも……
voice: vo_adv_1271001_102
コレクター1:
【chara 2512 face 6 (surprised)】
じゅ、呪物を……? 【chara 2512 face 4 (sad)】
そんな……
voice: vo_adv_1271001_103
ドクロ親父:
【chara 2414 face 1 (normal)】
ガガガガガガガガ!
voice: vo_adv_1271001_104
コレクター1:
【chara 2512 face 4 (sad)】
ひえぇ! こ、今度は何ですか!
voice: vo_adv_1271001_105
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
私の呪物が反応しています……【chara 127111 face 3 (anger)】
来る、海から悪霊が……!
voice: vo_adv_1271001_106
コレクター2:
【chara 2511 face 7 (special_a)】
あ、あれは……!?
Choice: (7) あ、ああ、あああああああ……
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1271001_107
コレクターたち:
【chara 1 face 1 (normal)】
ぎゃああー!? で、出たー!
voice: vo_adv_1271001_108
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
くっ……なんて強烈な霊気……【chara 127111 face 3 (anger)】
お二人とも、ここは非常に危険です。
私に任せて逃げてください!
voice: vo_adv_1271001_109
コレクター1:
【chara 2512 face 4 (sad)】
う、うわあああ! お、お助けぇー!
voice: vo_adv_1271001_110
コレクター2:
【chara 2511 face 7 (special_a)】
ひいいぃー! マ、ママァー!
voice: vo_adv_1271001_111
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
……【chara 127111 face 2 (joy)】
もう、大丈夫そうですね。
お疲れさまです。
Choice: (8) 上手くできたかな?
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1271001_112
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
ええ、渾身の悪霊ぶり、お見事でした。
海藻を巻き付けたおかげで見た目も雰囲気も完璧ですね。
voice: vo_adv_1271001_113
シノブ:
【chara 127111 face 2 (joy)】
お手伝いしてくれた霊のみなさんもありがとうございました。
霊気のタイミング、素晴らしかったです。
voice: vo_adv_1271001_114
ドクロ親父:
【chara 2414 face 1 (normal)】
しかしあいつら、脅されたとはいえあんなに自慢してた呪物を
あっさりおいて逃げやがったな。薄情なもんだぜ。
voice: vo_adv_1271001_115
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
仕方ないよお父さん。いくら呪物を集めるほどの怖いもの好きでも、
実際に怖い思いをしたい人なんてまずいないもの。
voice: vo_adv_1271001_116
シノブ:
【chara 127111 face 6 (surprised)】
【chara 127111 face 1 (normal)】
特にあの二人は霊感もなく霊体験もなかった。
そんなところにあんな強烈な体験をしたら、ああなるのも当然だよ。
voice: vo_adv_1271001_117
シノブ:
【chara 127111 face 4 (sad)】
それが狙いだったとはいえ、ちょっとやりすぎたかな……
voice: vo_adv_1271001_118
ドクロ親父:
【chara 2414 face 1 (normal)】
ケッ、家族に迷惑かけてたんだ、これでも優しい方だぜ。
シノブが気に病むことじゃないし作戦が上手くいったことをよろこびな。
voice: vo_adv_1271001_119
シノブ:
【chara 127111 face 1 (normal)】
……うん、そうだね。【chara 127111 face 6 (surprised)】
あとは二人とも
ちゃんと手放してくれればいいんだけど……
voice: vo_adv_1271001_120
シノブ:
【chara 1 face 1 (normal)】
それから数日の後、私はお礼と事後報告のため
あの人と会うことになりました。
voice: vo_adv_1271001_121
シノブ:
【chara 103113 face 2 (joy)】
先日はお手伝いありがとうございました。
【chara 103113 face 1 (normal)】
あの後依頼者から連絡があり、お二人とも呪物を手放して
しっかりと謝罪されたようです。
voice: vo_adv_1271001_122
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
海での作戦は上手くいきましたけど、重要なのはその後だったので
【chara 103113 face 2 (joy)】
これで一安心です。
voice: vo_adv_1271001_123
ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
まあ、上手くいったけどよ、余計な手間と時間はかかっちまったよな。
オレに任せりゃ一瞬で片がついたのによ。
voice: vo_adv_1271001_124
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
言ったでしょ? 危険な呪物といえど、大事なものを勝手に処分したら
家族の仲が悪くなるから、自発的に手放すようにしたいって。
voice: vo_adv_1271001_125
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
ただでさえ心霊関係は暗くなりがちな仕事だから、
【chara 103113 face 4 (sad)】
後味の悪いまねはしたくないんだよ。
voice: vo_adv_1271001_126
ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
やれやれ、こっちは依頼を遂行すればいいだけ、
後のことなんかどうでもいいのにさ。本当にシノブはお優しいよなぁ。
voice: vo_adv_1271001_127
シノブ:
【chara 103113 face 4 (sad)】
またそんな言い方……
【chara 103113 face 3 (anger)】
お父さんも私が手放したくならないように気を付けてね。
voice: vo_adv_1271001_128
ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
ん? ということはオレはまだシノブに愛されてるってことか?
そういえばこの前も大事な存在だから手放さないって言ってたもんな!
voice: vo_adv_1271001_129
ドクロ親父:
【chara 2411 face 1 (normal)】
ヒュー! お父さん感激! 愛してるぜ、シノブ!
まあ、シノブが手放してもオレは戻ってくるけどな! ガハハハ!
voice: vo_adv_1271001_130
シノブ:
【chara 103113 face 3 (anger)】
……お父さん、そういうところだよ。
Choice: (9) なんにせよ上手くいってよかったね。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1271001_131
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
はい。あのまま蒐集を続ければ、悪気はなくとも彼らの周囲の人たちを
苦しめてしまうことになっていたでしょう。
【chara 103113 face 4 (sad)】
それは彼らにとっても不幸の種にしかなりません。
voice: vo_adv_1271001_132
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
いくら霊感がないといっても、本当に危険な呪物を手に入れた場合、
【chara 103113 face 1 (normal)】
容赦なく本人や家族に危害が及んでしまうから、
早めに対処したかったのです。
voice: vo_adv_1271001_133
コレクター1:
【chara 2512 face 1 (normal)】
やや、シノブさんではありませんか!
【chara 2512 face 6 (surprised)】
いやー、先日は逃げてしまい申し訳ありませんでしたな!
voice: vo_adv_1271001_134
コレクター2:
【chara 2511 face 4 (sad)】
まさか本当にあんな恐ろしい目に遭うとは……
もう呪物はこりごりですよ。
voice: vo_adv_1271001_135
シノブ:
【chara 103113 face 1 (normal)】
いえ、お二人ともご無事でなによりです。
【chara 103113 face 6 (surprised)】
ということは、もう呪物は集めないのですね?
voice: vo_adv_1271001_136
コレクター2:
【chara 2511 face 4 (sad)】
ええ、あのような恐ろしいものを集めていたのかと思うと、
自分が恐ろしいですよ……
voice: vo_adv_1271001_137
コレクター1:
【chara 2512 face 4 (sad)】
家族を辛い目に遭わせてしまいましたからね……
【chara 2512 face 1 (normal)】
なので今度は迷惑のかからないコレクションをはじめました!
voice: vo_adv_1271001_138
シノブ:
【chara 103113 face 6 (surprised)】
……え?
voice: vo_adv_1271001_139
コレクター1:
【chara 2512 face 2 (joy)】
あの夜以来、私たちはすっかり怪談の魅力にはまってしまいましてな!
【chara 2512 face 1 (normal)】
本を買いあさったり体験談を持つ人に聴きに行ったりしているのですよ。
voice: vo_adv_1271001_140
コレクター2:
【chara 2511 face 2 (joy)】
ここで会ったのも何かの縁、ぜひ我々に怪談をお聞かせください!
さあ、さあ!
voice: vo_adv_1271001_141
シノブ:
【chara 1 face 1 (normal)】
やはり人間そう簡単には変われない。
業の深さを思い知る、そんな体験でした。