エリス 第2話
修復が進んだエリスは、{player}と城の外へと向かう。具体的な目的もなく雪山を歩きながら時間の余裕や雪の冷たさといった、ごくありふれた事柄にエリスは戸惑いを見せるのだった。


-------------- situation:
余裕
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 エリスの修復が進み、目覚めることができるようになったある日。
{player}は彼女を城の外へと連れ出していた。

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エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 …………

voice: vo_adv_1290002_001
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ………つい、忘れていたけれど……

voice: vo_adv_1290002_002
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 城の外は、こんなふうになっていたんだね。
【chara 129011 face 1 (normal)】 とても広くて……明るい。

voice: vo_adv_1290002_003
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……騎士クン?
どうしたの、急にしゃがんで……

Choice: (1) 雪、触ってみて。
----- Tag 1 -----
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エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 雪を……?

voice: vo_adv_1290002_005
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 あ……

Choice: (2) 冷たいよね。
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1290002_006
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……うん。
冷たいね。

voice: vo_adv_1290002_007
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……考えてみれば。
『この世界』の物に触れたことは、数えるほどだったかもしれない。

voice: vo_adv_1290002_008
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ソルの塔に幽閉されていたころは言うまでもなく。
黒薔薇の城でさえ、大半を夢の中で過ごしていた。

voice: vo_adv_1290002_009
エリス:
【chara 129011 face 7 (special_a)】 外出するのは、目障りな障害を排除することが目的で……
【chara 129011 face 4 (sad)】 それ以外に意識を向ける余裕などはなかった。

voice: vo_adv_1290002_010
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 こんな──雪は冷たいもの、という常識にすら。
触れることができていなかった。

voice: vo_adv_1290002_011
エリス:
【chara 129011 face 7 (special_a)】 ……余裕、か……

voice: vo_adv_1290002_012
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 理想郷を失った代わりに得られたものと呼ぶには……
とても釣り合わないわね。

voice: vo_adv_1290002_013
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……え……?

voice: vo_adv_1290002_014
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 な、なんだか、急にゾワゾワし──

voice: vo_adv_1290002_015
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 くしゅっ。

voice: vo_adv_1290002_016
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 …………
今の、は……

Choice: (3) くしゃみ?
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1290002_017
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 くしゃみ……
わたし、が……?

voice: vo_adv_1290002_018
エリス:
【chara 129011 face 5 (shy)】 …………!

voice: vo_adv_1290002_019
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 わ、わたしの顔……見てない、よね?

voice: vo_adv_1290002_020
エリス:
【chara 129011 face 5 (shy)】 くしゃみは、したことがないから……
きっと、変になってると思うの。
【chara 129011 face 4 (sad)】 だから……騎士クンには、見られたくなくて……

Choice: (4) 見てないよ。
Choice: (5) 変じゃなかったよ。
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1290002_021
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 本当に?
【chara 129011 face 4 (sad)】 騎士クンが、そう言ってくれるなら……
信じるね。

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----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1290002_022
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……ああ……
やっぱり、見られちゃったんだね……

voice: vo_adv_1290002_023
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 でも……
変じゃなかった、なら……
よかった……かな?

----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1290002_024
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 さすがに、薄着すぎたのかも。
これまでは、魔法を使って暑さも寒さも無視していたから
気温を気にしたこともなかった……

voice: vo_adv_1290002_025
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 雪が積もっているのであれば、相応に気温は低くなっている。
【chara 129011 face 4 (sad)】 そんな常識……理解していたはずなのに。

voice: vo_adv_1290002_026
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……本当に不必要ね。
寒さに身を震わせる余裕なんてものは。

Choice: (7) 自分のマントを外す。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1290002_027
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……騎士クン?

--- Switch scene ---

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voice: vo_adv_1290002_028
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……え……

Choice: (8) これなら、少しはあったかいかな。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1290002_029
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 いいの……?

voice: vo_adv_1290002_030
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 ……ありがとう。
それじゃあ、貸してもらうね。

Choice: (9) それとも、城に戻る方がいい?
----- Tag 9 -----
--- Switch scene ---

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voice: vo_adv_1290002_031
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 ううん、大丈夫。
……もう少しだけ、こうさせてほしい。
騎士クンのおかげで、寒いのも平気だから。

voice: vo_adv_1290002_032
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 ……ふふ。あったかい。

voice: vo_adv_1290002_033
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……外の世界は、大変だね。
天候や地域に合わせた準備が必要だから。

voice: vo_adv_1290002_034
エリス:
【chara 129011 face 1 (normal)】 ……でも……
騎士クンは、そういうのに慣れてるのかな。
冒険の前はいつも買い出ししてる……よね。

Choice: (10) どうして、そのことを知ってるの?
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1290002_035
エリス:
【chara 129011 face 1 (normal)】 うん……
記録で、見ていたから。
【chara 129011 face 2 (joy)】 騎士クンが準備をしっかりしようとしてたことも、知ってるよ。

voice: vo_adv_1290002_036
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 記憶を失ったばかりのころは、そうでもなかったけれど……

Choice: (11) ……僕、変なことしてなかった?
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1290002_037
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 ……ふふっ、大丈夫だよ。
騎士クンはいつだって、騎士クンのままだったから。

voice: vo_adv_1290002_038
エリス:
【chara 129011 face 1 (normal)】 ……でも、気になるのなら……
教えてあげられるよ。
わたしが見てきた、騎士クンのことを……

voice: vo_adv_1290002_039
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 全部、覚えているから。
どんなことでも答えられると思う。
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……ええっと、知りたい?

Choice: (12) 僕の面白かったところが知りたい。
Choice: (13) 僕のかっこよかったところが知りたい。
Choice: (14) 僕のかわいかったところが知りたい。
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1290002_040
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 面白かったところ……
それなら……【chara 129011 face 2 (joy)】 ふふっ。

voice: vo_adv_1290002_041
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 あるよ。
思い出すだけで、笑っちゃうようなこと。
【chara 129011 face 1 (normal)】 それはね……

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----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1290002_042
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……?
騎士クンは、いつでもかっこいいと思うけれど……
その中でも特にかっこいいところ、ってこと?

voice: vo_adv_1290002_043
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 たくさんありすぎて悩むから……
【chara 129011 face 1 (normal)】 いくつか、思い出してみるね。
まずは……

Jump to tag 15
----- Tag 14 -----
voice: vo_adv_1290002_044
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……そんなところを……?

voice: vo_adv_1290002_045
エリス:
【chara 129011 face 5 (shy)】 なんだか、恥ずかしい気もするけれど……
【chara 129011 face 6 (surprised)】 騎士クンが望むなら。
【chara 129011 face 2 (joy)】 ……わたしが、かわいいなって思ったところはね……

----- Tag 15 -----
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 こうして……
エリスは散歩をしながら、かつて見てきた{player}の
言動について話していった。

voice: vo_adv_1290002_046
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……こんな感じ、かな。
どうだった……?

Choice: (16) 楽しかったよ。
----- Tag 16 -----
voice: vo_adv_1290002_047
エリス:
【chara 129011 face 2 (joy)】 ……よかった。
【chara 129011 face 6 (surprised)】 自分のことを勝手に知られていて、嫌かな……って。
【chara 129011 face 4 (sad)】 少し、心配になったから。

Choice: (17) 本当に色んな僕のことを知ってるんだね。
----- Tag 17 -----
--- Switch scene ---

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voice: vo_adv_1290002_048
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 うん。
……見ていることしか、できなかったから。

voice: vo_adv_1290002_049
エリス:
【chara 129011 face 7 (special_a)】 でも……
それも、もうおしまい。

voice: vo_adv_1290002_050
エリス:
【chara 129011 face 10 (special_d)】 ミネルヴァから離れてしまった今。
わたしは記録を見ることができない。

voice: vo_adv_1290002_051
エリス:
【chara 129011 face 10 (special_d)】 あなたが傷ついていくところを見せつけられなくなったことだけは……
よかったけれど。
【chara 129011 face 4 (sad)】 でもその代わり……あなたの喜びも、知ることができなくなった。

voice: vo_adv_1290002_052
エリス:
【chara 129011 face 10 (special_d)】 ……だから。
今のわたしには、騎士クンが話してくれることだけが……全てなの。
【chara 129011 face 7 (special_a)】 あなたが口にしてくれることだけが。

Choice: (18) そんなことないよ。
----- Tag 18 -----
voice: vo_adv_1290002_053
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 …………?

Choice: (19) 一緒に思い出を増やしていける。
----- Tag 19 -----
voice: vo_adv_1290002_054
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 …………

voice: vo_adv_1290002_055
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……そう、だね……
一緒にいれば……

voice: vo_adv_1290002_056
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……騎士クンの気持ちは、もちろんうれしいよ。
【chara 129011 face 4 (sad)】 でも……

voice: vo_adv_1290002_057
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……どうすれば、いいのかな。

voice: vo_adv_1290002_058
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……騎士クンは、嫌がると思うけれど……
あなたと二人だけで生きていくことだけが。
わたしの、たった一つの願いだったの。たとえ世界が滅びようとも……

voice: vo_adv_1290002_059
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……その願いも果たせなくて。
前のような力もなくなって。

voice: vo_adv_1290002_060
エリス:
【chara 129011 face 4 (sad)】 そんなわたしに何ができるのか……
自分でも、分からなくて……

Choice: (20) それなら、探しに行こう。
----- Tag 20 -----
--- Switch scene ---

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voice: vo_adv_1290002_061
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 探しに……?

voice: vo_adv_1290002_062
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 目的を、探しに行くの?
【chara 129011 face 4 (sad)】 ……いいのかな、そんなことをしても……

Choice: (21) うん!
----- Tag 21 -----
voice: vo_adv_1290002_063
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……そう、なんだ。
そっか……

voice: vo_adv_1290002_064
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……思いつきもしなかった。
目的もなく、ただ動くだなんて……

voice: vo_adv_1290002_065
エリス:
【chara 129011 face 7 (special_a)】 これまでは限られた時間の中で行動するしかなかった。
願いを叶えるには、一秒たりとも無駄なことをしている余裕はなかった。
【chara 129011 face 6 (surprised)】 今は、その余裕があるということ? 

voice: vo_adv_1290002_066
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……いえ。
余裕というよりも、むしろこれは……

voice: vo_adv_1290002_067
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 …………自由……? 

voice: vo_adv_1290002_068
エリス:
【chara 129011 face 6 (surprised)】 ……か……考えてみるね。

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 {player}からの冒険の誘いに加え、
手にしていることに気づいた自由の片鱗。

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 そのことにエリスは戸惑いながらも……
はじめての感覚にほんの少しだけ、鼓動が速くなるのだった。

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