ヴァイオレット 第2話
{player}と二人きりで郊外を散策することになったヴァイオレットだが、生者の気にあてられ体調を崩してしまう。加えて幽霊たちに追われてしまい、二人は仕方なく野宿をすることになった。
-------------- situation:
生きる者と、死した者
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
ランドソル観光二日目。
{player}は今日もヴァイオレットを迎えに行く。
しかし──
voice: vo_adv_1331002_000
グレイス:
【chara 133012 face 1 (normal)】
あ、来た来た。
【chara 133012 face 6 (surprised)】
へーい、騎士氏ー
Choice: (1) ヴァイオレットさんがいないような……
----- Tag 1 -----
voice: vo_adv_1331002_001
グレイス:
【chara 133012 face 4 (sad)】
はい。
ゾンビなので、ついに土に還って……【chara 133012 face 1 (normal)】
は、いませんが。
実は──
voice: vo_adv_1331002_002
グレイス:
【chara 133012 face 1 (normal)】
ヴァイオレット姫から騎士氏に、
折り入ってお話ししたいことがあるそうでして。
voice: vo_adv_1331002_003
グレイス:
【chara 133012 face 4 (sad)】
ただ内容が内容なので、ここじゃちょっと、と。
お手数をお掛けしてしまいますが、騎士氏には
この先の貴族街に行っていただきたいのです。
voice: vo_adv_1331002_004
グレイス:
【chara 133012 face 6 (surprised)】
……なんですか、きょとんとして。
【chara 133012 face 3 (anger)】
女の子のお願いですよ。
こっちは誤魔化しとくんで、早く。
Choice: (2) 誤魔化すって……?
----- Tag 2 -----
voice: vo_adv_1331002_005
グレイス:
【chara 133012 face 6 (surprised)】
おっと失言。
【chara 133012 face 2 (joy)】
細かいことはいいんです。
とにかく頼みましたよ、騎士氏。
Choice: (3) ?????
----- Tag 3 -----
voice: vo_adv_1331002_006
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
騎士様。
いらしてくださったのですね。
Choice: (4) 折り入って話したいことって……?
----- Tag 4 -----
voice: vo_adv_1331002_007
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
えっ……?
騎士様のほうこそ、
わたくしに話したいことがあるのではないのですか?
voice: vo_adv_1331002_008
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……あ。
もしかして──
Choice: (5) グレイスさんの計画……?
----- Tag 5 -----
voice: vo_adv_1331002_009
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
そのようですわね……
【chara 133111 face 4 (sad)】
もう、グレイスったら……!
voice: vo_adv_1331002_010
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
気遣いはとてもうれしいのですが……
わたくしにも、その……
心の準備というものがあるのですからっ……!
Choice: (6) とりあえず、出かけましょうか……?
----- Tag 6 -----
voice: vo_adv_1331002_011
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
そ、【chara 133111 face 1 (normal)】
そうですわね。
こちらの世界の、一般的な馬車も用意していただていることですし……
本日もよろしくお願いいたします、騎士様。
voice: vo_adv_1331002_012
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 2 (joy)】
なんてすがすがしい空気なのでしょう……!
郊外にはこのようにのびやかで、自然豊かな場所があるのですね。
Choice: (7) ここでは牛や羊たちと触れ合えますよ。
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1331002_013
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
そうなのですか?
【chara 133111 face 2 (joy)】
きっと彼らも、昨日の猫たちのように愛らしいのでしょうね。
楽しみです……♪
voice: vo_adv_1331002_014
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
こちらの牛のお乳を搾らせていただくのですね。
【chara 133111 face 2 (joy)】
……ごきげんよう。本日はよろしくお願いいたします♪
牛:
【chara 3 face 1 (normal)】
モ~
voice: vo_adv_1331002_015
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
きゃっ……!?
【chara 133111 face 4 (sad)】
どうしてわたくしの顔をお舐めになるのでしょうか……!?
騎士様、これは一体っ……
Choice: (8) よろしく、って言ってるみたい。
----- Tag 8 -----
voice: vo_adv_1331002_016
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
そ、そうなのですね……!
【chara 133111 face 1 (normal)】
歓迎されているのでしたら、よかったです。
【chara 133111 face 2 (joy)】
ふふ、くすぐったい……♪
voice: vo_adv_1331002_017
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
10、20……【chara 133111 face 1 (normal)】
本当にすごい数の羊ですわね。
この子たちが一斉に移動するなんて、
にわかには信じられませんわ……!
voice: vo_adv_1331002_018
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 2 (joy)】
そのうえ、どの子もふわふわしていて……♪
このままここで、羊たちに埋もれていたいくらいです。
voice: vo_adv_1331002_019
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……あ、あら?
【chara 133111 face 4 (sad)】
何故でしょう、騎士様からどんどん離れて
押し流されているような……
voice: vo_adv_1331002_020
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
き、騎士様~……っ!
voice: vo_adv_1331002_021
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
なるほど……
子牛たちには、哺乳瓶を使ってミルクをあげれば良いのですね。
voice: vo_adv_1331002_022
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 2 (joy)】
さぁ、ミルクをどうぞ──……【chara 133111 face 6 (surprised)】
っ!?
【chara 133111 face 2 (joy)】
み、見てください騎士様!
子牛が、すごい勢いで飲んでいますわ!
voice: vo_adv_1331002_023
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 2 (joy)】
ふふ、なんて力強いのでしょう……!
気を抜くと、哺乳瓶だけでなく
わたくしの指まで持っていかれてしまいそうです……♪
voice: vo_adv_1331002_024
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
ふぅ……【chara 133111 face 2 (joy)】
ふふ、すっかり楽しんでしまいました……♪
牧場とは、こんなにも素敵な場所なのですね。
【chara 133111 face 1 (normal)】
もちろん、お仕事のご苦労は多いかと存じますけれど……
voice: vo_adv_1331002_025
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
乳絞りに、放牧……あとは、子牛たちにミルクをあげるのも
良い経験になりました。
【chara 133111 face 2 (joy)】
まさか、あれほどに力が強いとは思いませんでしたわ……♪
Choice: (9) すごくお腹がすいてたみたい。
----- Tag 9 -----
voice: vo_adv_1331002_026
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 2 (joy)】
ええ、本当に。
ミルクの量がどんどんなくなっていきましたもの。
voice: vo_adv_1331002_027
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
あの子牛もそうですが、
ここの動物たちからは生きる意志を感じました。
voice: vo_adv_1331002_028
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
少し……眩しいほどに。
voice: vo_adv_1331002_029
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
彼らには動き続ける鼓動があり、生きようとする本能がある。
それは、未来へ進む活力と同じ。
【chara 133111 face 4 (sad)】
なんて眩しく──わたくしたちからは、縁遠いもの。
voice: vo_adv_1331002_030
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
この世界は、生命の力強さに溢れている。
【chara 133111 face 6 (surprised)】
やはり、ジオ・ニヴルヘルとは大きく異なるのですね……
voice: vo_adv_1331002_031
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
……そろそろ、戻りましょうか。
いくらグレイスが誤魔化してくれるといっても
あまり長く離れるわけにはまいりませんから。
voice: vo_adv_1331002_032
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
騎士様……本日もエスコートをありがとうございました。
おかげで、とても実りある一日になりましたわ。
Choice: (10) 顔色が悪いような……
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1331002_033
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
い、いいえ、【chara 133111 face 1 (normal)】
大丈夫です!
【chara 133111 face 4 (sad)】
ただ、あまりにも濃密な時間でしたから
わたくしのなかで、飲み込むのに時間がかかっているというか……
voice: vo_adv_1331002_034
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
ですからその、つまり……
騎士様が悪いなどと……いうことでは、なく……
むしろ……わたくしの、ほうが──
Choice: (11) ヴァイオレットさん!?
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1331002_035
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
……んん……
……わたくし、は……
Choice: (12) 体調は大丈夫ですか?
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1331002_036
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
は、はい……なんとか……
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……えっ──騎士様?
どうしてわたくしに、膝枕をなさっているのですか……!?
voice: vo_adv_1331002_037
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
あっ、いえ、嫌なわけではないのです!
ただその……ご迷惑をおかけするのが、申し訳なく……!
わたくしはなんとはしたないことを……!
Choice: (13) どこか、落ち着ける場所を探しましょう。
----- Tag 13 -----
voice: vo_adv_1331002_038
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
お、落ち着ける場所……
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……でしたら……
voice: vo_adv_1331002_039
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
もし、ご迷惑でなければ。
人気の少ない場所へ、連れていってはいただけませんか?
【chara 133111 face 4 (sad)】
なるべく暗くて、静かな場所へ……
voice: vo_adv_1331002_040
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
ふぅ……
【chara 133111 face 1 (normal)】
ありがとうございます、騎士様。
Choice: (14) ここなら大丈夫そう……?
----- Tag 14 -----
voice: vo_adv_1331002_041
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
ええ。
ここはジオ・ニヴルヘルによく似た雰囲気ですから。
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……ただ……
Choice: (15) ……? 空気がざわざわしてる……
----- Tag 15 -----
幽霊たち:
【chara 3 face 1 (normal)】
「シビトノ オヒメサマダ……!」
「アノヨカラ キタッテ ウワサノ……!」
voice: vo_adv_1331002_042
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
……どうやらわたくしのせいで、
幽霊たちが興奮してしまっておりますわ。
悪意はないようですが……
voice: vo_adv_1331002_043
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
この地に暮らす皆様、急に訪問してしまい申し訳ございません。
少しだけ休んだら、すぐにこの場を離れます。
【chara 133111 face 4 (sad)】
ですから、どうか少しだけご容赦を──
幽霊たち:
【chara 3 face 1 (normal)】
「イヤダ……イヤダ……」
「モットイテ……ズットイテ……」
幽霊たち:
【chara 3 face 1 (normal)】
「ヤサシイヒメサマ ニエノ ヒメサマ……」
「エイエンニ ワレラノ ヒメサマニ……」
voice: vo_adv_1331002_044
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
っ……!?
Choice: (16) すぐにここを出よう!
----- Tag 16 -----
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
幽霊たちの様子に危機感を覚えた
{player}とヴァイオレット。
二人は墓地を抜けるべく歩き出したのだが──
Choice: (17) さっきから同じ所を歩いてるような……
----- Tag 17 -----
voice: vo_adv_1331002_045
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
これは……【chara 133111 face 4 (sad)】
先ほどの幽霊たちが
迷うように仕向けているようですわね。
……これも元を辿れば、わたくしの──
Choice: (18) ごめんね、ヴァイオレットさん。
----- Tag 18 -----
voice: vo_adv_1331002_046
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
……!
Choice: (19) いつもは静かなのに、変なことになって。
----- Tag 19 -----
voice: vo_adv_1331002_047
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
っ……騎士様……
voice: vo_adv_1331002_048
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
どうか……どうか謝らないでください。
あなた様が申し訳なく思う必要など、何一つありません。
voice: vo_adv_1331002_049
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
まずは、一刻も早く出口を探しましょう。
力を合わせれば、きっと大丈夫ですわ。
【chara 133111 face 4 (sad)】
……そう、きっと……
voice: vo_adv_1331002_050
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
こちらは……?
Choice: (20) 遺跡の近くに出たみたい。
----- Tag 20 -----
voice: vo_adv_1331002_051
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
であれば、墓地からは出られた、ということでしょうか。
よかった……
Choice: (21) 今日はここで野宿しましょう。
----- Tag 21 -----
voice: vo_adv_1331002_052
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
……それしか、ありませんね。
騎士様にも、休息が必要ですわ。
voice: vo_adv_1331002_053
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
騎士様は、野宿も手馴れていらっしゃるご様子。
【chara 133111 face 1 (normal)】
なんと頼もしい方なのでしょう……
【chara 133111 face 6 (surprised)】
わたくしが手伝おうとしてもかえって邪魔になってしまいますわね……
Choice: (22) 寒くないですか?
----- Tag 22 -----
voice: vo_adv_1331002_054
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 6 (surprised)】
え、【chara 133111 face 1 (normal)】
ええ。この体は、寒さには強いのです。
お気遣いいただき、ありがとうございます。
voice: vo_adv_1331002_055
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 1 (normal)】
……こんなときまで、わたくしを気遣ってくださるなんて。
【chara 133111 face 4 (sad)】
騎士様も、お疲れのはずなのに……
voice: vo_adv_1331002_056
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
それに引き換え、わたくしは。
己の体調も管理できず、こうして迷惑をかけてしまっている……
voice: vo_adv_1331002_057
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
……それでも。
今はただ、彼の優しさに甘えてしまいたい。
姫としての立場も、何も考えず。
voice: vo_adv_1331002_058
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
いいえ、今だけではありません。
【chara 133111 face 6 (surprised)】
この方といると、わたくしはいつも気が緩んでしまう。
プリンセスではなく、ただの一人の人間になってしまう。
voice: vo_adv_1331002_059
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
──あぁ……
わたくしは……やはり、騎士様を──……
voice: vo_adv_1331002_060
ヴァイオレット:
【chara 133111 face 4 (sad)】
…………
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
己の中に芽生えつつある想いを自覚したヴァイオレット。
彼女は{player}の優しさを感じながら、
一人静かに眠りにつくのだった。