ラビリスタ(アルファ) 第1話
アストルムへのダイブ中、現実側での苦労をラジニカーントが引き受けていたと知る晶。ギブ&テイクとしてある報告書を渡すと、晶は今後もかけるだろう迷惑料の先払いとしてクレープを焼き始めるのだった。
-------------- situation:
跳躍王への報酬
--------------
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
時をしばらく遡り、晶が国際警察に追われる身になる前の事──
voice: vo_adv_1337001_000
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
んん……
ふわぁ~……【chara 106831 face 6 (surprised)】
あれ?
voice: vo_adv_1337001_001
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
おっと、いけない……【chara 106831 face 4 (sad)】
意識トバしちゃってた?
忙しさにかまけて義体のメンテ後回しにしてたからなぁ。
voice: vo_adv_1337001_002
???:
【chara 1 face 1 (normal)】
目覚めましたか?
voice: vo_adv_1337001_003
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
え?
voice: vo_adv_1337001_004
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
ふむ、目覚めましたね晶。なら死になさい。
voice: vo_adv_1337001_005
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
おわっ! いきなり何!?
voice: vo_adv_1337001_006
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
待った待った! とりあえず待った!
何があったか分かんないけど、
状況把握と弁明の機会はくれないかな!?
voice: vo_adv_1337001_007
ラジニカーント:
【chara 107331 face 3 (anger)】
……いいでしょう。
義体の耐久テストをするのは、
その後でも遅くはありませんから。
voice: vo_adv_1337001_008
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
えぇ、怖~……
アタシ何かした……?
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
晶はラジニカーントから
アストルムにダイブしていた間に現実側で起きた
様々なトラブルについて聞かされた。
voice: vo_adv_1337001_009
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
いやー、色々大変だったみたいだね~?
voice: vo_adv_1337001_010
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
何を他人事のように……
あなたが不在の間、どれほどの厄介事を引き受けさせられたか。
voice: vo_adv_1337001_011
ラジニカーント:
【chara 107331 face 3 (anger)】
あなたの元に送り込まれた刺客を撃退する事、数度。
追跡者をかわすための偽装工作、物的証拠や痕跡の丹念な消去。
voice: vo_adv_1337001_012
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
私を保護してもらっていた分と差し引きしても、
【chara 107331 face 1 (normal)】
今回は私が随分と貸しを作ったように思いますが?
voice: vo_adv_1337001_013
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
ってことは……あっちの木に括りつけられてる、
ノックアウトされて気絶中の屈っ強そ~な二人も、【chara 106831 face 4 (sad)】
もしかして?
voice: vo_adv_1337001_014
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
訓練された人間は多少殴りつけても
簡単に壊れないから良い……
voice: vo_adv_1337001_015
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
しみじみ言わないでよ。
【chara 106831 face 4 (sad)】
仮にも医学を学んだ人間の前でさぁ~……
voice: vo_adv_1337001_016
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
ま、でも?
なんだかんだアタシを助けてくれたんだ?
教授にしては随分とお優し~こと。
voice: vo_adv_1337001_017
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
いえ、あなたに居なくなられては困るので。
まだ私の分の貸しを取り立てていませんから。
【chara 107331 face 3 (anger)】
あなたを壊すなら私の手です。
voice: vo_adv_1337001_018
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
うわっ! ちっとも優しい理由じゃなかった!
voice: vo_adv_1337001_019
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
では、そろそろ支払いをお願いするとしましょう。
【chara 107331 face 6 (surprised)】
ああ金銭面での対価は不要です。
voice: vo_adv_1337001_020
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
保護されていた対価以上に払わされた負担分を、
【chara 107331 face 3 (anger)】
拳で清算させてもらうだけなので。
voice: vo_adv_1337001_021
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
だけなので、じゃ済まされないでしょ!
【chara 106831 face 4 (sad)】
拳、めちゃくちゃ握りしめてるじゃん!?
ストップ! ハイ、【chara 106831 face 1 (normal)】
その握った手を開いて楽にして~?
voice: vo_adv_1337001_022
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
ええ、そうします。【chara 107331 face 3 (anger)】
あなたを楽にした後で。
voice: vo_adv_1337001_023
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
ちょっ、本気!?
義体の耐久テストってそういう……?
【chara 106831 face 4 (sad)】
待ってって、ね?
voice: vo_adv_1337001_024
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
あーもう、分かったってば!
【chara 106831 face 4 (sad)】
ラジラジの欲しそうな物は用意してるから!
voice: vo_adv_1337001_025
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
なら早く渡しなさい。
【chara 107331 face 1 (normal)】
あなたの事です、どうせ用意しているだろうと思っていました。
voice: vo_adv_1337001_026
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
だったら、もっと心臓に優しい聞き方をしてよね。
真顔で言うから冗談か分かりにくいったらないよ。
voice: vo_adv_1337001_027
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
はぁ~、まだデータがまとめきれてないから
もう少し後で渡したかったんだけど……【chara 106831 face 1 (normal)】
ほい。
voice: vo_adv_1337001_028
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
……この報告書は?
voice: vo_adv_1337001_029
晶:
【chara 106831 face 7 (special_a)】
アストルム内のNPCの行動ログを分析した、報告書の草稿。
【chara 106831 face 1 (normal)】
ラジラジ、教授としての専門分野はこっちだったよね?
voice: vo_adv_1337001_030
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
ほう……「仮想社会における信仰の自然発生と進化」、ですか。
voice: vo_adv_1337001_031
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そ。仮想空間内で人間がどのように振る舞い、
コミュニティを形成するか……
その中で自然発生した英雄崇拝と信仰についての分析。
voice: vo_adv_1337001_032
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
今のアストルムにダイブできないラジラジには、
自分の観測できない世界がどうなってるか、興味あるんじゃない?
voice: vo_adv_1337001_033
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
確かに宗教学や神学は専門分野の一つですが……
【chara 107331 face 1 (normal)】
なるほど、あなたのレポートなら報酬としては悪くない。
voice: vo_adv_1337001_034
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
いいでしょう、ひとまずの対価として受け取ります。
……最初から素直に提示すれば、
先ほどの無駄な問答をせずに済んだものを。
voice: vo_adv_1337001_035
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
問答する時間なんて無かったじゃん……
【chara 106831 face 7 (special_a)】
それに手持ちのカードを見せるなんて
切れ者を相手にするには愚行だよ。
voice: vo_adv_1337001_036
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
それも目の前にいるのは七冠ときた。でしょ?
voice: vo_adv_1337001_037
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
否定はしません。
あなたが寝惚けていないようで安心しました。
voice: vo_adv_1337001_038
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
それはどうも。
お眼鏡にかなったようで何より。
voice: vo_adv_1337001_039
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
……ざっと拝見しました。
voice: vo_adv_1337001_040
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
アストルムのゲーム内に
我々が作成していない新たな信仰が発生した、と。
【chara 107331 face 1 (normal)】
そういう事ですね?
voice: vo_adv_1337001_041
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そ。アストライア大陸のおこりやランドソルの歴史、
トーゴク、セントールス、サラサリア……
各都市の文化や風習は確かにアタシたちが設定した。
voice: vo_adv_1337001_042
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
だけど、どーもオーエドで見覚えのない動きがあってね。
アタシの見落としかなーと思って、
設定資料ひっくり返して探したけど、該当する情報なし。
voice: vo_adv_1337001_043
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そこでエリアに居るNPCの行動ログを解析したんだ。
そしたら……なんとびっくり!
voice: vo_adv_1337001_044
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
NPCがプレイヤーの発言を独自に解釈し、発展させ、
開発者が意図しない新しい設定を作り上げた……【chara 107331 face 1 (normal)】
と。
voice: vo_adv_1337001_045
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
この、オーエドにおける英雄信仰の例……
悪政を敷くアクダイカンを倒し、
銅像を作られ祀り上げられた英雄とありますが。
voice: vo_adv_1337001_046
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
報告書ではプレイヤー名が伏せられていますが──
【chara 107331 face 6 (surprised)】
{player}の事ですよね?
voice: vo_adv_1337001_047
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そう。そんなイベント設定した覚えはないんだけど……
町のNPCが彼の銅像を建てちゃって。
変な民間信仰まで誕生しちゃったわけ。
voice: vo_adv_1337001_048
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
「銅像の足を撫でて生涯健脚!」だとか、
彼にあやかったお守りだとか、ゆかりのある温泉だとか。
典型的な英雄崇拝から神格化への移行だ。
voice: vo_adv_1337001_049
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
面白いのがさ、謳われてるご利益は何だと思う?
みーんな健康関連。そこがまた彼らしいというか。
voice: vo_adv_1337001_050
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
興味深いですね。
【chara 107331 face 1 (normal)】
高度な知能を組みこまれたNPCとはいえ、
そのような自発的行動を行うとは。
voice: vo_adv_1337001_051
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
これはプリンセスナイトという特別性……
あるいは、それに類する要因が関連しているのでしょうか?
voice: vo_adv_1337001_052
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
その辺りはまだなんとも。
【chara 106831 face 7 (special_a)】
確かに{player}は特別なプレイヤーだけど、
他のプレイヤーでも起こり得ないとは限らないし。
voice: vo_adv_1337001_053
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
とはいえ、この例に限らず、
彼はアストルム内で多くの事件を解決している。
voice: vo_adv_1337001_054
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そうだね。彼の成し遂げた功績はあまりにも大きい。
【chara 106831 face 7 (special_a)】
真那を倒し、あの世界を救ってさえいる。
【chara 106831 face 1 (normal)】
拝みたくなる気持ちも理解できるけどね。
voice: vo_adv_1337001_055
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
まるで神話や伝説に語り継がれる英雄譚のようだ。
【chara 107331 face 6 (surprised)】
となると、さしずめ……
あなたは英雄に力を与える魔女、【chara 107331 face 1 (normal)】
といったところですか。
voice: vo_adv_1337001_056
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
魔女? 【chara 106831 face 1 (normal)】
ははっ、魔女か。
残念ながら、彼に贈ったのはガラスの靴じゃないけどね。
voice: vo_adv_1337001_057
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
魔女の贈り物は時代によって様々です。
それが現代では小型電子デバイス『mimi』と
プリンセスナイトの能力の形を取っただけでしょう。
voice: vo_adv_1337001_058
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
そういえば、魔女の助力……というと。
【chara 107331 face 1 (normal)】
彼はあの誓約女君や変貌大妃とも
協力関係を結んでいるとか?
voice: vo_adv_1337001_059
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
協力……【chara 106831 face 7 (special_a)】
正しくは共闘関係かな。
成り行きというか、【chara 106831 face 1 (normal)】
まあ向こうで色々あってね。
今のトコは手を貸してくれてるみたいだけど。
voice: vo_adv_1337001_060
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
共同戦線を張れている時点で既に異常事態ですよ。
彼女らの助力を得られる者を探したとして、
果たして他に見つかるかどうか。
voice: vo_adv_1337001_061
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
オーエドの町で彼が祀り上げられたのも、
あながち偶然ではないのかもしれませんね。
voice: vo_adv_1337001_062
晶:
【chara 106831 face 7 (special_a)】
と、言うと?
voice: vo_adv_1337001_063
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
先ほど魔女に例えましたが……
【chara 107331 face 1 (normal)】
迷宮女王、変貌大妃、誓約女君。
彼には稀代の魔女が3人も力を貸している。
voice: vo_adv_1337001_064
ラジニカーント:
【chara 107331 face 3 (anger)】
一人でさえ凡夫を傑物に変え得る力、
【chara 107331 face 4 (sad)】
単なる少年なら持て余すのが普通です。
【chara 107331 face 6 (surprised)】
彼の何がそうさせるのか……
voice: vo_adv_1337001_065
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
へぇ~珍しい!
ラジラジが他人にそこまで興味持つなんて。
いつも周りの事なんて眼中にない、って顔してるのに。
voice: vo_adv_1337001_066
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
ここまで目立つ活躍をされては、
注目するなという方が無理でしょう。
voice: vo_adv_1337001_067
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
しかも皆が、才有り余る名馬にして乗り手殺しの荒馬だ。
それを乗りこなす器量ありと見込んでいたなら……
【chara 107331 face 1 (normal)】
流石は迷宮女王の慧眼というべきでしょうか。
voice: vo_adv_1337001_068
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
ふむ……今の彼がどうなっているのか、
私も少々興味が湧いてきました。
voice: vo_adv_1337001_069
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
ちょっと~? 少年にちょっかいかけるのはやめてよね?
voice: vo_adv_1337001_070
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
かけようにも手段がありません。
アストルムにログインする方法があれば別ですが。
voice: vo_adv_1337001_071
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
しかし彼には同情しますよ。
あなたに見出されさえしなければ、
今とは違う、もっと普通の人生もあったでしょうに。
voice: vo_adv_1337001_072
晶:
【chara 106831 face 7 (special_a)】
……そうだね。
【chara 106831 face 4 (sad)】
アタシが少年の歩く道を大きく変えてしまった。
それは否定しない。
voice: vo_adv_1337001_073
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
少年にスタートボタンを押させたのはアタシだ。
他の誰でもない。その意味と責任は理解してるつもり。
voice: vo_adv_1337001_074
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
なら、晶。
せめてあなたは顔を上げていなさい。
voice: vo_adv_1337001_075
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
送り出した者には、どのような結末になろうと
彼の行く先を見届ける責務があるはずです。
voice: vo_adv_1337001_076
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
ああ、もちろんそのつもりだ。
だけど、分かったつもりではいたけど……
他人の口から改めて聞かされると耳が痛いなぁ。
voice: vo_adv_1337001_077
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
多少痛いくらいで丁度良いのでしょう。
我々のような世間一般から外れてしまった人間には。
voice: vo_adv_1337001_078
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
ねえ、前から思ってたけどラジラジって意外と責任感強い?
【chara 106831 face 7 (special_a)】
他人には興味ないね、【chara 106831 face 4 (sad)】
みたいな顔してるのに。
voice: vo_adv_1337001_079
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
あなたは私を何だと思っているのですか?
【chara 107331 face 1 (normal)】
果たすべき義務の前に個人的感情は無用です。
voice: vo_adv_1337001_080
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
私は私の中の信義、道徳に従って行動しているまで。
……では。
voice: vo_adv_1337001_081
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
およ? もう行っちゃうの?
voice: vo_adv_1337001_082
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
あなたが目覚め、不在の間の対価を受け取りました。
この場所にいる必要はもうありませんから。
voice: vo_adv_1337001_083
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
そっかー、でもさ。
ちょっとだけ待っててくれない?
すぐ作っちゃうからさ。
voice: vo_adv_1337001_084
ラジニカーント:
【chara 107331 face 3 (anger)】
待ちなさい、晶。
なぜクレープを焼き始めているのです?
voice: vo_adv_1337001_085
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そりゃ寝てた間の利子──【chara 106831 face 6 (surprised)】
は、清算しちゃったか。
【chara 106831 face 1 (normal)】
じゃあ次回報酬の先払いってことで。
こっちでまたしばらく迷惑かけちゃうと思うし。
voice: vo_adv_1337001_086
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
どうやら義体の集積回路に損傷があるようですね。
私へ依頼する報酬がクレープ一つで事足りるとでも?
voice: vo_adv_1337001_087
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
お金じゃないよ、【chara 106831 face 1 (normal)】
気・持・ち。
これまで色々迷惑かけたみたいだし、
これからも色々頼むだろうから、そのお礼ってことで♪
voice: vo_adv_1337001_088
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
ああ、もちろん必要経費なんかは後でちゃんと払うから。
アタシ宛に請求書つけといて。
voice: vo_adv_1337001_089
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
……なるほど、気持ちですか。
voice: vo_adv_1337001_090
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
これから背負わされるだろう苦労には
到底見合わないでしょうが……
【chara 107331 face 1 (normal)】
手付金として受け取っておきましょう。
voice: vo_adv_1337001_091
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
よっし交渉成立! で、メニューはどうする?
voice: vo_adv_1337001_092
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
ふむ、おすすめは?
voice: vo_adv_1337001_093
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
そうだな……この期間限定、
甘納豆あんみつクレープとかだと
アタシ的にはすんご~く助かっちゃうな!
voice: vo_adv_1337001_094
ラジニカーント:
【chara 107331 face 1 (normal)】
晶、どうせだからと言って
売れ行きの良くないメニューの食材処理を目論んでませんか?
【chara 107331 face 3 (anger)】
糖質過多、タンパク質不足、健康な身体を維持するには不適切です。
voice: vo_adv_1337001_095
晶:
【chara 106831 face 4 (sad)】
人に聞いといて文句ばっかり……
あーあ、少年だったらどんなクレープ焼いたって
素直に食べてくれるのになぁ。
voice: vo_adv_1337001_096
ラジニカーント:
【chara 107331 face 6 (surprised)】
……前々から思っていたのですが。
ここのメニューに、変わり種という言葉では到底表せない
正気を疑うメニューが数々見受けられますが……誰が試食を?
voice: vo_adv_1337001_097
晶:
【chara 106831 face 1 (normal)】
いやー、頼れるプリンセスナイトが居ると
クレープ屋のメニュー開発も捗っちゃって。
voice: vo_adv_1337001_098
ラジニカーント:
【chara 107331 face 4 (sad)】
晶、成長期の少年の食欲に付け込んだ
新メニュー開発という名のゲテモノ博覧会は即刻止めなさい。
彼の生存権の侵害です。
voice: vo_adv_1337001_099
晶:
【chara 106831 face 6 (surprised)】
ちょっと! そこまで言うこたーないじゃん!
【chara 106831 face 4 (sad)】
見た目……は、【chara 106831 face 6 (surprised)】
ちょっとアレかもだけど味には自信あるよ!
voice: vo_adv_1337001_100
晶:
【chara 106831 face 3 (anger)】
よーしあったま来た!
こうなりゃ、うちで一番のとっておきメニューで勝負だ!
これでダメならいくらでも苦情は聞くよ! ちょっと待ってて!
ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】
そうして晶は渾身のクレープを繰り出すが、
食べたラジニカーントは「普通ですね」と評し、
互いに勝ちも負けもない勝負が一つ終わったのだった。