エリス(サマー) 第3話
夜の輝く海を訪れたエリスは、今回のお出かけが「エリスに楽しんでほしい」という{player}らの計画だったと知る。温かな心遣いを受け止めたエリスは満たされた気持ちで夜の海を眺めるのだった。


-------------- situation:
夜灯
--------------

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 スイカ割りに始まり、
夏の海辺を満喫したエリスと{player}。

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エリス:
【chara 135012 face 7 (special_a)】 結局、あれからミソラは姿を見せなかった──

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ……と、見せかけて。
【chara 135012 face 4 (sad)】 不意打ちで驚かせに来るかもしれない。
ミソラはそういう行動を好むみたいだから。

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ……もし急に驚かされて、変な顔になってしまったら……
【chara 135012 face 4 (sad)】 そんな顔を騎士クンに見られるのだけは、絶対に避けたい。

Choice: (1) エリスさん、何か考え事?
----- Tag 1 -----
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エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 ううん、なんでもないよ。
ちょっと気になることがあったけど、もういいの。

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エリス:
【chara 135012 face 10 (special_d)】 ……今は考えるのをよそう。
【chara 135012 face 6 (surprised)】 この場所には、騎士クンがいて。
【chara 135012 face 1 (normal)】 騎士クンと一緒に、夏を過ごしている。【chara 135012 face 2 (joy)】 その事に集中すべき。

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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 もう日が沈んじゃうね。
騎士クンの誘ってくれた海……本当に楽しかった。
【chara 135012 face 2 (joy)】 楽しい時間は、あっという間なんだね。

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ループを見ている時間は、あんなにも長く感じられたのに。
……【chara 135012 face 10 (special_d)】 不思議。
これが、時間を忘れるということ……? 

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エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 今日がまだ、終わらなければいいのに。
そうしたら、まだ──

Choice: (2) まだ終わりじゃないよ。行こう!
----- Tag 2 -----
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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 行くって、どこへ……?

Choice: (3) 見せたいものがあるんだ。
----- Tag 3 -----
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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 …………
……………………

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エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 騎士クンの手。大きい……
こんなふうに手を繋げるなんて、思わなかった。

voice: vo_adv_1350003_011
エリス:
【chara 135012 face 5 (shy)】 日は落ちて、昼間の強い日差しはもうないのに、
騎士クンと繋いでる手が火傷したみたいに熱い。
優しいのに力強い、騎士クンの手。ずっと離したくない……

voice: vo_adv_1350003_012
エリス:
【chara 135012 face 5 (shy)】 言葉も交わさず、一緒に歩いてるだけで。
胸の奥がぎゅっとつかまれるよう。
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ……これがミソラの言っていた、『キュン★』、ということ……? 

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エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 この手を握り返すことが、できたらいいのに。
そうしたら、臆さずに。あんな無様なリハーサルをしなくても、
この気持ちを伝えられるのに。

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エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 ……許されるなら、この手で抱きしめたい。
騎士クンを、騎士クンのすべてを。

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エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 ………………
………………………………

Choice: (4) 着いたよ、エリスさん。
----- Tag 4 -----
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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 騎士クン、見せたいものって、いったい?
あ……波打ち際が光ってる……

--- Switch scene ---

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エリス:
【chara 135012 face 7 (special_a)】 光る、海。
【chara 135012 face 6 (surprised)】 この時期に特定の潮汐条件下で観測できる現象……そうだよね?

Choice: (5) 知ってるの?
----- Tag 5 -----
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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 うん……過去の『記録』で何度か見たから。
【chara 135012 face 6 (surprised)】 だけど、こうやって目にするのは初めて。

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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 ねえ、騎士クン。
この光はね、その一粒ずつが、小さな生物なんだって。
刺激を受けて光を放つ、とても小さな存在。ほら……

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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 騎士クン、触ってみて?
キラキラ光って……奇麗だよ。

Choice: (6) 光る海に波を立ててみる。
----- Tag 6 -----
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エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 ふふ……
波がくすぐったいね……

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 触れなければ、波がなければ。
ここにいる事さえ気づかれないくらいの、小さな生き物。

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エリス:
【chara 135012 face 10 (special_d)】 光っては消えて……
触れてもらわないと、どこにいるかも分からない。

voice: vo_adv_1350003_024
エリス:
【chara 135012 face 7 (special_a)】 わたしは、誰かに触れられることもなかった。
【chara 135012 face 4 (sad)】 ちょっとだけ……わたしみたいだな、って。

voice: vo_adv_1350003_025
エリス:
【chara 135012 face 7 (special_a)】 騎士クン……わたし、ね。
消えてもいいって、そう思ってた。
【chara 135012 face 4 (sad)】 ううん……もう、消えてしまいたかった。

voice: vo_adv_1350003_026
エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 ずっと、つらくて……
ただひとつ願った騎士クンとの理想郷は、叶わなくて。
だから、おしまいにしてしまいたかった。

Choice: (7) エリスさん……
----- Tag 7 -----
voice: vo_adv_1350003_027
エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 でも……【chara 135012 face 6 (surprised)】 でもね。
終わった夢には続きがあったの。
【chara 135012 face 1 (normal)】 騎士クンが連れ出してくれた、この夏──

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エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 わたし──すごく楽しかった。

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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 日差しがジリジリ肌を焼く熱さや、
流れた汗が滑り落ちていく感覚。
【chara 135012 face 2 (joy)】 波が足に触れるくすぐったさも……全部。

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エリス:
【chara 135012 face 7 (special_a)】 ……何もかもなくなったわたしに。
まだ世界は、存在することを要求している。
消えてしまいたいと、そう思っていたわたしに……

Choice: (8) まだ……消えたいって思ってる?
----- Tag 8 -----
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voice: vo_adv_1350003_031
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 どう、かな……
【chara 135012 face 7 (special_a)】 正直な気持ちを言うと、よく分からない。

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エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 でも、騎士クンに。
これからも続きがあるんだっていうことを、
教えてもらったから。

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エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 だから……今は平気、だよ。

--- Switch scene ---

still display end
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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 そういえば、騎士クンはどうして知ってたの?
この海のこと。

Choice: (9) ミソラちゃんが教えてくれたんだ。
----- Tag 9 -----
Choice: (10) エリスさんに夏を楽しんでほしくて。
----- Tag 10 -----
voice: vo_adv_1350003_035
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ……そういえば。
ミソラが、夏遊びのレクチャーがどうのって……

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 じゃあ、もしかして……
最初から誘ってくれるつもり……だったの?
【chara 135012 face 4 (sad)】 わたしが、騎士クンを仮想領域の海に誘う前から……

Choice: (11) うん。でも、あの海も楽しかった。
----- Tag 11 -----
voice: vo_adv_1350003_037
エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 ああ……なんてこと……
あの日、騎士クンはもともとわたしを
海に、誘ってくれるつもりだった……? 

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エリス:
【chara 135012 face 4 (sad)】 ぜんぜん、予想できなかった。
わたしは、告白することにだけ意識がいっていて──

voice: vo_adv_1350003_039
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 わたしの、騎士クンに対するシミュレーションが甘かった?
【chara 135012 face 4 (sad)】 もっと騎士クンを理解できていれば、こうはならなかったはず。
……それに、ミソラは……

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エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 そもそも、騎士クンにわたしを誘うように言って──? 

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1350003_041
ミソラ:
【chara 131213 face 2 (joy)】 わたしが選んだのはこの小玉スイカですねー♪
小ぶりだけどフレッシュで、甘みが強そうなのを選びました★
【chara 131213 face 1 (normal)】 お手頃サイズで、騎士さんの好みに合いそうかな~って。

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エリス:
【chara 135012 face 10 (special_d)】 この時、小ぶりなスイカを選んだのは。
──自分が居なくなった後の処理を考えて。

--- Switch scene ---

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ミソラ:
【chara 131213 face 1 (normal)】 ごめんなさーい、騎士さん♪
【chara 131213 face 4 (sad)】 ふらついて、ちょっとバランスを崩しちゃいました。

voice: vo_adv_1350003_044
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 あの言動も……
わたしが積極的になれるようにという気遣い?
【chara 135012 face 7 (special_a)】 結果的にわたしは……騎士クンと、より距離を縮められた。

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1350003_045
ミソラ:
【chara 131213 face 2 (joy)】 あとはエリスさまと騎士さん……
若いお二人で、どうぞごゆっくり♪
夏ですから、イイコトいっぱいしてくださいね?

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1350003_046
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 そして去っていったきり、姿を見せないのは……
騎士クンと、二人きりの時間を作るため──

--- Switch scene ---

voice: vo_adv_1350003_047
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ミソラの言葉に、嘘はなかった──

voice: vo_adv_1350003_048
エリス:
【chara 135012 face 6 (surprised)】 ……騎士クンに抱きついたのは。
【chara 135012 face 4 (sad)】 何か、他の意図を感じないでもないけれど。
【chara 135012 face 10 (special_d)】 ……それでも。

voice: vo_adv_1350003_049
エリス:
【chara 135012 face 10 (special_d)】 ミソラのことを、わたしは信じていたのかも、しれない。
【chara 135012 face 7 (special_a)】 ……ほんの少しだけ。
【chara 135012 face 4 (sad)】 そもそも彼女は、城から出られないわたしをずっと助けてくれたし……

voice: vo_adv_1350003_050
エリス:
【chara 135012 face 10 (special_d)】 騎士クン以外の誰かを信じる事なんて、
ないと思っていた、けれど。
【chara 135012 face 7 (special_a)】 まだわたしにも……こんな気持ちが……

voice: vo_adv_1350003_051
エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 ……ありがとう。騎士クン。
【chara 135012 face 2 (joy)】 やっぱり……今日、来てよかった。

Choice: (12) いい思い出になったならよかった。
----- Tag 12 -----
voice: vo_adv_1350003_052
エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 うん……きっと、忘れない。
これから先、どんな夏を一緒に過ごしても。

voice: vo_adv_1350003_053
エリス:
【chara 135012 face 1 (normal)】 スイカ割りをして、海を眺めて……
騎士クンと一緒に遊んだ、この二人だけの夏を。

voice: vo_adv_1350003_054
エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 ねえ、騎士クン。
もうちょっと、隣に寄ってもいい?

voice: vo_adv_1350003_055
エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 あと少しだけ……騎士クンの存在を、温かさを感じていたい。

voice: vo_adv_1350003_056
エリス:
【chara 135012 face 2 (joy)】 この星のような数多の光を焼き付けて……
ずっと、いつまでも。

ナレーション:
【chara 0 face 1 (normal)】 エリスは{player}の隣に腰を下ろすと
その肩に頭を寄せ、満たされた気持ちで海を眺めるのだった。